第 4 章 自衛隊が果たすべき役割
第 2 節 自衛隊が果たすべき役割
5. 自衛隊がより大きな役割を果たすための提言
(1) 自衛隊は協奏的活動に必要な人材は国際平和協力センターを基軸に育成すべきで
ある
アフリカに対する国際貢献の分野においては、我が国の優れた経済・産業・技術などを 活かし、より貢献度の高い分野において自衛隊の支援活動とリンクさせることが有効であ る。自衛隊が積極的な貢献を目指すためには、協奏的な活動における必要な人材の育成や、
将来的には国連等関係機関やミッション司令部の所要のポストに人材を配置して必要な情 報を継続的かつ先行的に入手し、国連PKO等派遣にあたって国家としての適切な判断がで きる体制を整える必要がある。
短期的には国連PKOへの参加を継続し、現在南スーダンで行われているオールジャパン の取り組みを更に深化させ、各種の国連機関や非政府組織(NGO)等との民軍連携の推進、
能力構築支援事業の推進とともに、アフリカの主要国にも防衛駐在官等を配置しての防衛 交流の促進を提言する。また、中期的には国連PKO参加にあたり、加盟国の派遣の現状に 鑑み我が国・自衛隊の比較優位分野の一つである教育訓練担当部隊を派遣すること、長期 的には情報収集部隊や平和維持(普通科)部隊として国連PKOの本体業務に参加すること、
アフリカ連合(AU)をはじめとする地域機関や準地域機関のミッションに段階的に(旧宗 主国が優先的に対応するとの認識)参加することを提言する。こうした人材の育成には米 国防総省下にあるACSSとの交流や内閣府PKO事務局などとの連携が重要であるとともに 調査研究機能が不可欠である。このため、将来的には国際平和協力センターの拡充を提言 する。
(2) 自衛隊はJICAなどと連携により政府開発援助(ODA)を活用し、民軍連携を進め るべきである
政府開発援助(ODA)との連携は重要な課題である。ジュバ市浄水場施設の拡張に見ら れる国際協力機構(JICA)との連携、ジュバ・ナバリ地区コミュニティ道路整備に見られ る草の根無償資金との連携、調理師育成プログラムに見られるNGOとの連携等を参考に、
取組全体の質の向上を図ることが期待される。特にJICAとの連携においてはJICAの計画 する事業規模が比較的大きいことを考慮し、中・長期的な視点で調整を進め、継続的な案 件とすることを提言する。
なお、民軍連携においては、国連PKOにおける軍部隊の役割について明確化し、民軍連 携の原則として非代替性と緊急性の両面から捉える必要がある。
(3) 自衛隊は現地の若手軍人を対象とする能力構築支援に取り組むべきである
アフリカ各国の指導者は軍人あるいは軍人出身者が多く、一般的には将来、その国家を 担う人材が軍に集中しているとも言える。したがってその国家に対する能力構築支援を考 えた場合、将来を担う若手軍人を対象とすることの意義は大きく、日本が能力構築支援を 重視することで、将来的には元兵士の武装解除・動員解除・社会復帰(DDR)と一体とな った国づくりや国軍の再建に寄与できるものと考える。
現在支援中の南スーダンにおいても軍(SPLA)の兵士を対象とする施設器材の操作技術 指導について、日本隊への支援要請を待つのみでなく、我が国・自衛隊が「PKOにおける 能力構築支援」として積極的に取り組むことを提言する。なお、「武力行使との一体化」の 問題もあることから、対象国のニーズと情勢など実態を国際平和協力センター等でよく把 握・研究し、可能な分野から着手することを提言する。
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