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第 2 章 主要国等の対アフリカ戦略

第 9 節 インド

2. 主要国のアフリカへの取り組み

(1) 主要国のアフリカとの関係強化のための代表的な手法

今回の研究の対象とした国のアフリカとの関係強化のための代表的な手法をまとめる 表17のとおりとなる。

表17:アフリカとの関係強化のための代表的な手法

国 関係強化のための代表的な手法

中 国 ・中国・アフリカ協力フォーラム(FOCAC):2000年から3年毎開催

・高い首脳歴訪頻度

・PKOでアフリカを重視。2000年代半ば以降、派遣数も増大。

米 国 ・ACRI(アフリカ危機対応イニシアティブ):2000年創設、その後ACOTAへ

・AGOA(米‐サブサハラ・アフリカ貿易経済協力)フォーラム:2001年から 毎年(米側の参加は閣僚級)

・U.S. Strategy toward Sub-Saharan Africa:2012制定(ブッシュ政権下において も、2006年に「対サブサハラ・アフリカ戦略」が制定されている)

・米アフリカ軍:2008年創設

・米国とアフリカの首脳会議:2014年8月予定(初めての「サミット」)

英 国 ・英連邦首脳会議:1971年から

・EU-アフリカフォーラムは2007年から 仏 国 ・仏‐アフリカ首脳会議:1973年から隔年

・EU-アフリカフォーラムは2007年から

・アフリカ諸国への派兵(PKO以外でも)

豪 州 ・アフリカ諸国への関与を拡大・深化させるという政策:2008年制定 スウェー

デン

・「スウェーデンとアフリカ:共通の挑戦と機会に取り組むための政策」:2008 年制定

インド ・インド・アフリカ・フォーラムサミット:2008年から

・アフリカへのPKO派遣人数大

この手法を比較すると、次の点を指摘できる。

①英・仏は、1970年代からアフリカ諸国との首脳レベルでの関係を維持。

②中国は、2000年からアフリカ諸国との首脳レベルでの関係を強化。

③米国は、2001年から経済を中心に閣僚レベルの関係を強化。2006年に対サブサハ ラ・アフリカ戦略を制定して政治的関係も強化。

④豪州、スウェーデン、インドは、2008年から関係を強化。

ここで、2000年代半ばから主要国がアフリカとの関係を強化し始めた背景には、中国の プレゼンスの増大も掲げられる。

安全保障面では、米国と仏国の関与が強い。PKO 派遣において、中国は2000 年代半ば 以降派遣数を増加させており、インドも派遣数が多い。

(2) 主要国のアフリカへの取り組み

a) 中国

胡錦濤国家主席(当時)が、ミスター・アフリカと呼ばれるほどにアフリカに熱心に取 り組んだ。2000年代半ば以降において、アフリカにおける中国の存在が急速に高まった理 由として、2000年からのFOCACを軸に中国が挙国一致でアフリカに取り組んだことがあ げられるであろう。

アフリカへの進出は、「内政不干渉」の原則を保持して経済最優先である。ただし、中 国も、いくつかの失敗を経験し、西側諸国からの批判を受ける中で、これまでよりも長期 的な観点から関係強化を進めるようになったとも見られている。また、安全保障の面でも 国連PKOへの参加数を増加させるなど取り組みを強化している。

b) 米国

2010年の「米国の国家安全保障戦略」における戦略的アプローチにおいて、防衛、外交、

経済などのアメリカの総力を結集すると強調されている点に着目を要しよう。米国の挙国 一致体制がさらに強化されると考える。

ブッシュ政権下におけるアフリカへの関与の考え方は、2009年7月のガーナにおける演 説で詳細に述べられており、アフリカへの関与は、引き続き、「民主主義」、「機会」、「保 健」、「紛争解決」のバランスを保ちつつ継続されよう。

安全保障/軍事面では、アフリカ自身の能力向上を重視している。このため、「アフリ カ戦略研究センター(ACSS)」が1999年に設置され、2008年に創設された米アフリカ軍 の主要任務も能力構築支援である。PKOについては、AUPKOをUNPKOよりも重視する

姿勢である。

米国は、引き続き、経済を含めアフリカとの関係を強化しようとしている。2014年8月 には、初めての「米国とアフリカの首脳会議」が開催される。そのサミットでは、「アフ リカの安全確保」、「民主的な開発」「アフリカの人々」が主要なテーマになるとされてい る。

安全保障/軍事面では、能力構築支援が重視され、AUへの支援やECOWAS(西アフリ カ諸国経済共同体:Economic Community Of West African States)などのサブリージョ ナルなグループへの支援が強化されるであろう。

c) 英国、仏国

英国と仏国はアフリカと歴史的に長い関係を有している。時代(政権)によって多少の 変動はあるものの、国全体でアフリカに対応している。

安全保障/軍事面では、英国は、現在、アフリカに駐留軍や基地を有していないが、軍 事顧問を然るべきポストに派遣して、アフリカ諸国に対する軍事的な影響力を維持してい る。英国は紛争予防を重視しており、国連PKOにもその考え方で臨んでいる。

一方、仏国は「アフリカの警察官」を自負した時代もあり、現在でもアフリカに対して 強い軍事的関与を保持している。仏国は、必要に応じ直接的に軍事介入を行うとともに、

アフリカ諸国自身の能力向上も重視している。

d) 豪州、スウェーデン

両国ともに、2008年にアフリカとの関係を強化するための新しい政策を策定した。この 政策のもとに、国としての力を結集してアフリカとの関係を強化するものと思われる。た だし、関係の強化は、経済面が中心になると考える。

e) インド

インドは、アフリカと深い関係を保持している中で、2008年にインド・アフリカ・フォ ーラムサミットを開催した。このフォーラムを通じて、インドとアフリカ諸国との関係は、

政治、経済、安全保障の面で強化が図られている。

安全保障/軍事面では、インドにとって、インド洋の安全保障が重要であり、そのため、

特に東アフリカ諸国との安全保障上の協力関係の強化が図れれよう。PKOに対しては、多

くの要員を派遣している。

3. 米国を中心とした諸外国の関係