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臨床実践と医療制度の連携

ドキュメント内 Standard: (ページ 72-77)

2. 教育プログラム

2.8 臨床実践と医療制度の連携

施設名 男性 女性

厚木市立病院 2 0 2

沖縄県立中部病院 1 0 1

沖縄県立南部医療センターこども医療センター 1 0 1

小田原市立病院 1 0 1

京都大学医学部附属病院 1 1 2

けいゆう病院 1 0 1

国家公務員共済組合連合会立川病院 1 0 1 国立病院機構災害医療センター 2 0 2

済生会川口病院 1 0 1

済生会横浜市南部病院 0 1 1

さいたま赤十字病院 2 0 2

社会保険中央総合病院 2 0 2

聖マリア病院 1 0 1

聖路加国際病院 2 0 2

総合病院国保旭中央病院 4 1 5

千葉県がんセンター 1 0 1

手稲渓仁会病院 0 1 1

東京北社会保険病院 1 0 1

東京逓信病院 2 0 2

東京臨海病院 1 0 1

東北大学病院 1 0 1

豊島病院 1 0 1

東京都立墨東病院 1 0 1

東京都立広尾病院 1 0 1

新潟大学医歯学総合病院 1 0 1

町田市民病院 2 0 2

武蔵野赤十字病院 0 1 1

国立病院機構横浜医療センター 1 0 1

横浜市済生会東部病院 1 0 1

横浜市立市民病院 1 2 3

横浜労災病院 1 0 1

38 7 45

卒後、本学附属病院4病院や大学協力病院で初期臨床研修を行っている卒業生は約60% であり、多くがそのまま本学で後期研修医となり医局に所属する。従ってそのような医師 に関しては、卒前教育、臨床研修そして専門習得での連続性の課題について検討すること ができる。

本学では卒前臨床教育の現場に関する運営を担うのは臨床実習教育委員会である(資料 33)。また卒後の臨床研修(初期研修医と後期研修医(卒後5年まで))の現場に関する 運営は研修・レジデント委員会で担っている(資料131)。臨床実習教育委員会の委員長 と研修・レジデント委員会の委員長は臨床研修センター副センター長が兼任しており、ま た臨床実習教育委員会副委員長は研修・レジデント委員会のメンバ―も兼ねている。その 他臨床実習教育委員と研修・レジデント委員を兼任している医師は11名おり、組織運営上、

卒前卒後の運営連携は取りやすい状況となっている(資料132)。

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具体的な教育連携としてはCPCが挙げられる(資料133)。医学科3年生から6年生ま では指定されたCPCに年1回参加、初期研修医は全員がすべてのCPCに参加することが 義務付けられている(資料134)。学生ではその学年の力量に応じたレポート作成が求め られており(資料135)、初期研修医ではレポート作成の他、2年間で1回はCPC症例を 担当することになっており、これを通して医師として必要なプレゼンテーション技能、臨 床的思考が身に付くように連続的に教育がなされている。この運営を行っているCPC委員 会の委員長も前述の臨床研修副センター長が兼任している。

蘇生教育に関しても卒前から卒後にかけてシームレスに行っている。本学では4年次に 一般的なBLSを習得し共用試験OSCEにて評価、5年次にも学内のOSCEにて評価したの ち、初期研修開始時の4月と10月に引き続きBLSについて形成的評価を行っている。そ の後、希望者にはさらに高度な蘇生教育のプログラムが用意されており、生涯学習につな がるシステムとなっている。

また医学生に対して行っている基本的診察手技、医療面接については、初期研修開始時 に再度その技量を確認するため、4月に医療面接を含めた5ステーションのOSCEを実施 しており、この評価も参考にしながらその後の初期研修での獲得能力を確認している(資 料136)。

生涯学習については慈恵医大同窓会と連携を図りながら生涯学習センター(資料137,138) が慈恵医大月例セミナーなどの生涯学習セミナー(資料139)を行っている。

B 基本的水準についての評価

現場で卒前教育を担う教員と卒後臨床研修を担う指導医が重複していることから、運営 連携については比較的スムーズに行われていると思われる。しかし、卒前から卒後にかけ て学生、あるいは研修医がどのように能力を獲得して行ったかの成果の検証、どの教育プ ログラムに関してどのように連携していくのが有用なのかを検討した実績、は現在までに なされていない。一部の卒前卒後にまたがる教育担当指導医が状況を把握しているにすぎ ない。また臨床研修を終えた卒後6年目以降の医師についての専門医教育に関しては所属 の医局主導で行われており、大学及び病院としてこれに関与していない。また生涯学習に ついては運営連携を特に意識して取り組んでいない。

卒業生からの視点としては本学では2006年(資料46)と2011年(資料47)の2回、

卒業生アンケートを実施したが、その結果を卒前教育と卒後教育の運営連携に反映できて いない。

C 改善に向けた提言

現在行われているCPCや蘇生教育の他、どのような教育プログラムについて卒前卒後の 連携を図るべきかを検討する必要がある。例えば医療安全、感染対策などは医療上重要な 課題であることから、卒前の臨床実習あるいは低学年教育の中に組み込んで、卒前から卒 後に重ねて教育していくことで、より臨床実践の成果を出す。

また卒業生アンケートや卒業時アウトカム調査に加え、本学卒業生を臨床研修指導医が どのように感じているかの調査を行い、指導医から見た卒前卒後連携の問題点を抽出する。

この調査も教育IR活動として行う。

D 改善に向けた計画

卒前卒後の現場教育に関しての討議を行い、シームレスに対応する必要があると思われ る教育プログラムについてはカリキュラムの改編を検討していく。

研修指導医から見た卒業生の能力評価を参考に、本学での卒前卒後連携の問題点を抽出 していく活動を始める。

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質的向上のための水準:

医科大学・医学部は

 カリキュラム委員会を通じて以下のことを確実に行なうべきである。

 卒業生が働くと考えられる環境からの情報を得て、教育プログラムを適切に改良するこ と。(Q 2.8.1)

 地域や社会の意見を取り入れ、教育プログラムの改良を検討すること。(Q 2.8.2)

Q 2.8.1

医科大学・医学部は

 カリキュラム委員会を通じて以下のことを確実に行なうべきである。

 卒業生が働くと考えられる環境からの情報を得て、教育プログラムを適切に改良するこ と。(Q 2.8.1)

A 質的向上のための水準に関わる点検

本学では既に2006年度と2011年度の2回の卒業生アンケートを行っている。

2011年に実施したアンケートでは、1996年度の新カリキュラム導入以降の卒業生(2001〜 2010年度卒)を対象に、慈恵の学生時代の教育についての意見を聴取した。量的アプロー チであるアンケートと質的アプローチであるインタビューとを併用した(資料47)。

アンケート用紙は同窓会が把握している卒業生名簿を元に郵送にて配布し、2011年10〜12 月に回答を回収した。新カリキュラムで導入した特徴的な教育プログラムについて、卒業 後にどれだけ役に立ったかについて、とても役立ったから殆ど役に立たなかったまで4段 階のリッカートスケールで評価してもらった。慈恵の教育で良かった点、悪かった点、将 来に向けての提言を自由記載してもらった。2001年度卒から2006年度卒については2回 のアンケートが行われていたので、比較検討も行った。

今年度は本学卒の初期研修医とレジデントを対象に、卒業時アウトカムについてのアン ケートを実施した(資料48,49)。

B 質的向上のための水準についての評価

卒業生アンケートの結果を解析することによって、現在の教育プログラムの問題点を抽 出している所である。

本学では各卒業生がどのようなキャリアを重ねているかの追跡調査が行われておらず、

教育成果の把握が充分できていない。

C 改善に向けた提言

卒業生アンケートや卒業時アウトカム調査から、教育プログラムの問題点を把握し、カ リキュラム改編に資する。

同窓会の支援を得て、卒業生の業績に関するフォローアップ調査を計画する。担当は教 育センター教育IR部門が担当する。

D 改善に向けた計画

上記調査結果を受けてアクションプランを策定する。

卒業生の業績を継続的に追跡して、卒前から卒後に亘っての教育成果を検証できるよう なシステムについて検討する。

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Q 2.8.2

医科大学・医学部は

 カリキュラム委員会を通じて以下のことを確実に行なうべきである。

 地域や社会の意見を取り入れ、教育プログラムの改良を検討すること。(Q 2.8.2)

A 質的向上のための水準に関わる点検

本学では地域や社会の意見を取り入れた教育プログラムの改良を行っていない。

B 質的向上のための水準についての評価

地域や社会の意見を取り入れて教育プログラムを改良することが行われていない。

C 改善に向けた提言

地域や社会の意見を取り入れるためのシステムについて議論を開始する。

D 改善に向けた計画

卒業生フォローアップ調査の結果を分析し、どのような人たちから「地域や社会の意見」

を聞くか、それをどのように分析するかの検討を開始する。

学外実習のアンケートから、地域や社会の意見を拾い上げる。

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