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情報通信技術

ドキュメント内 Standard: (ページ 146-154)

6. 教育資源 1 施設・設備

6.3 情報通信技術

基本的水準:

医科大学・医学部は

・ 教育プログラムで適切な情報通信技術の有効利用と評価に取組む方針を策定し履行しなけれ ばならない(B 6.3.1)

注釈:

 [情報通信技術の有効利用に関する方針]には、コンピュータ、内外のネットワーク、およ びその他の手段の利用の検討も含まれる。これには、図書館の蔵書や機関の IT サービス へのアクセスも含まれる。また、この方針には、学習管理システムを介するすべての教 育アイテムへの共通アクセスも含まれる。情報通信技術は、専門職生涯学習( continuing professional development : CPD ) / 生涯医学教育( continuing medical education:CME) を通して、EBM(科学的根拠に基づく医学)と生涯学習の準備を学生にさせるのに役立 つ。

日本版注釈:

 [患者の管理]には電子カルテへの学生のアクセスが含まれる。

B 6.3.1

医科大学・医学部は

・ 教育プログラムで適切な情報通信技術の有効利用と評価に取組む方針を策定し履行しなければ ならない(B 6.3.1)

A 基本的水準に関わる点検

本学は、全学的なネットワーク環境を構築しており、ICT は教育に広く活用されている。

また、学生の自己学習のためのネットワーク環境としてWi-Fi敷設を行っており、少人数 グループ演習室(西新橋校大学1号館8階、管理棟1階・2階)、図書館(西新橋校、国 領校)を整備した。ICT設備の教室としては、西新橋校コンピュータ講堂、国領校コンピ ュータ演習室・情報科学実習室を設置している。

ICTの活用において、情報管理が重要になっている。本学では、個人情報保護方針(資 料265)、プライバシーポリシー(資料266)をインターネットで公開している。また、イ ントラネットでは、学生・教職員等に対する個人情報の安全管理に関する細則(資料 267)

情報システム利用規程(資料263)を掲載し、さらに、授業教材における著作物利用(資 料268)について提示している。ICTの基本的な利用方法および情報管理の留意事項につ いての教育として、1年次前期の情報リテラシーのコンピュータ演習において、ネットワ ークおよび e メール利用の慈恵アドレスを配付し、その利用方法とマナー、個人情報保護、

患者情報の匿名化、著作物利用の留意事項、SNS使用上の注意点(資料264)、コンピュ ータ演習室使用方法等の教育内容が実践されている。また、大学からの授業時間変更、試 験日時、個人の呼び出し等の通知に関して、学生への連絡方法についての指導を行ってい る。また、2年次以降の学年ではオリエンテーションで個人情報保護、著作物利用、SNS 使用について、注意喚起が行われている。

教育に関するICT設備は、必要・目的に応じた整備が行われている。電子シラバス(資 料43)、総合試験システム(資料150)、学内コンピュータ試験システム、試験問題検

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索・SeDLES(資料179)、電子ジャーナル、講義教科書・参考書リスト(資料253)、

e-learning、クリッカー、顕微鏡実習AVシステム等が活用されている。

 電子シラバスは、「講義予定表および実習概要」システム(資料280)として、時 間割、ユニットの位置づけ、到達目標、評価方法等をデータベース化し、ユニット 名、教員名での検索を可能としている。

 総合試験システムは、2年次~6年次の総合試験、卒業試験実施に際し、問題入力 と成績管理を行っている。総合試験およびユニット試験の一部では学内コンピュー タ試験システムが活用されており、2年次では基礎医科学Ⅱ総合試験、生体調節の しくみ、3年次は病理学総論、4年次は病理学各論、5年次では医学総括試験がコン ピュータ試験で実施された。総合試験問題は全て試験問題検索データベースに蓄積 され、イントラネットでの学生の自己学習ツールとして利用されている。試験問題 検索データベースをより発展させたSeDLESの運用を2013年から開始した。この ように、総合試験システム、学内コンピュータ試験、試験問題検索、SeDLESは連 携したシステム構成となっている。

 本学では分散して存在する学術情報を統合的に利用するための環境構築を目指して おり、当初から電子資料(電子ジャーナル・電子ブック・文献情報データベース)

のネットワーク機能を活用することにより教育・研究活動における学術情報の統合 的利用を実現することを目的として、ネットワーク製品の導入を積極的に進めてい る。

 放射線医学画像の英語教材の配信を行っており、本学附属病院画像診断部のPACS

(医療用画像管理システム)のサーバ内に保管されている放射線医学の画像教材を、

英語版で教材化し、学生の自己学習ツールとして閲覧できるようにした。この教材 は本学で学ぶ海外の臨床実習の学生にも利用されている(資料281)。

 e-learningは、臨床技能の動画配信を主な目的に導入された。現在では4年次基本的

臨床技能実習、5年次臨床実習に加え、3年次症候学演習、3~6年次CPC等で活用 している(資料40)。

 クリッカーは講義のアクティブラーニングツールとして、TBLの授業等に活用して いる。1年次医学科・看護学科共修の医療総論演習、2年次医学総論Ⅱ、3年次医学 総論Ⅲなどで活用されている(資料89)。

 顕微鏡実習室ではAVシステム(資料282)を構築し、顕微鏡像を映像化し複数の 実習卓モニターで視聴を可能とした。1.25~100倍の顕微鏡、0.63~6.3倍の実体顕 微鏡、書画カメラの実映像を配信しており、また、ワークステーションに保存した 顕微鏡画像も閲覧できるようにしている。2年次組織学総論実習において、顕微鏡 実習室AVシステムを使用した試験が行われた。

B 基本的水準についての評価

教育のためのICT設備は必要・目的に応じた整備が行われている。

 電子シラバスは学生・教員に広く活用されている。総合試験システム、学内コンピ ュータ試験、試験問題検索、SeDLESの連携したシステムは、試験問題作成、試験 問題ブラッシュアップ、試験実施と成績管理をするとともに、過去の学内試験問題 と国家試験問題をデータベース化して学生の自己学習に活用されている。

 電子ジャーナル、講義教科書・参考書リストは学術情報センターが管理運営してい る。これらの情報は教員からのニーズを募り、図書館委員会で検討され、内容更新 されている。

 e-learningは学生のみでなく、大学院、医療スタッフの卒後生涯学習に活用されてお

り、学生の生涯学習の体験に寄与している。2012年度医学科カリキュラムの利用実 績では44回の教材配信を行った(資料40)。

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 西新橋コンピュータ講堂および国領校コンピュータ演習室の利用は、1年次情報リ テラシー、3年次医学統計学II演習等の授業で活用されるとともに、授業時間以外 は学生の自己学習の場として活用されている。

 放射線医学画像の英語教材は2013年度に配信が始まった。教材化の推進と学生の 有効活用が必要である。

ネットワーク、情報管理についての諸規程は整備されており、学生および教員への個人 情報保護、著作権対応、SNS使用について注意喚起は行われているが、繰り返し行ってい く必要がある。

C 改善に向けた提言

学生がICTを使用することで、学生自身の能力が向上することを学生自身が自覚できる 教育プログラムの開発が必要である。カリキュラム委員会とICT教育を管轄する教育セン ターで、学生アンケートなどを行い、課題の発見に努めていかなければならない。また、

「反転授業」など新しい概念のICT利用が広がってきている、またこの新しいICT利用は 文部科学省が推し進めている方針でもある。本学への導入の検討を急がなければならない。

本学は2015年度から臨床実習拡充に向けた新カリキュラムがスタートする。臨床実習を 支援するポートフォリオシステム構築について教学委員会を中心に検討する。

D 改善に向けた計画

学生の要望、教育成果を継続的にデータ蓄積し、ICT の有効活用について検討して行く。

質的向上のための水準:

医科大学・医学部は

・ 教員や学生が以下の目的で新しい情報通信技術を活用できるようにすべきである

・ 自己学習(Q 6.3.1)

・ 情報へのアクセス(Q 6.3.2)

・ 患者の管理(Q 6.3.3)

・ 健康管理業務(Q 6.3.4)

・ 担当患者のデータと健康管理情報システムへの学生アクセスを最適化すべきである(Q 6.3.5)

Q 6.3.1

医科大学・医学部は

・ 教員や学生が以下の目的で新しい情報通信技術を活用できるようにすべきである

・自己学習(Q 6.3.1)

A 質的向上のための水準に関わる点検

総合試験システムとSeDLESにより、自己学習への環境整備を進めている。SeDLESは 本学が2003年度以降に実施した総合試験問題のデータベースを情報資産として活用するこ とにより、各学生の能力特性に応じた問題メニューを作成することができるサーバシステ ムである。自己学習に於いては、自分自身の学習について自らが気付くメタ認知能力が重

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