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入学方針と入学選抜

ドキュメント内 Standard: (ページ 99-106)

4. 学生

4.1 入学方針と入学選抜

基本的水準:

医科大学・医学部は

 学生の選抜プロセスについて、明確な記載を含め、客観性の原則に基づき入学方針を策定し て履行しなければならない。(B 4.1.1)

 身体に不自由がある学生の入学について、方針を定めて対応しなければならない。(B 4.1.2)

 他の学部や機関から転入した学生については、方針を定めて対応しなければならない。(B 4.1.3)

注釈:

 [入学方針]は、国の規制を厳守するとともに、地域の状況に合わせて適切なものにする。

医科大学・医学部が入学方針を統制しない場合は統制する組織との関係性を説明し、結果

(例:採用数と教育の能力との不均衡)に注目することで責任を示すことになる。

 [学生の選抜プロセスの記載]には、高等学校の成績、その他の学術的または教育的経験、

医師になる動機の評価を含む入学試験と面接など、理論的根拠と選抜方法の双方が含まれ る。実践医療の多様性に応じた選抜法を選択することも考えられて良い。

 [身体に不自由がある学生の入学の方針と対応]は、国の法規に準じる必要がある。

 [学生の転入]には、他の医科大学・医学部からの医学生や、他の学部からの学生が含まれ る。

 [地域や社会の健康上のニーズ]には、経済的・社会的に恵まれない学生やマイノリティの ための特別な募集枠や入学に向けた指導対策などの潜在的必要性など、性別、民族性、お よびその他の社会的要件(その人種の社会文化的および言語的特性)に応じて、採用数を 検討することが含まれる。

日本版注釈:

 一般選抜枠以外の入学枠(推薦枠、指定校枠、付属校枠、地域枠、学士入学枠など)につ いても、その選抜枠が必要とされる理由とともに入学者選抜過程が開示されてもよい。

B 4.1.1

医科大学・医学部は

 学生の選抜プロセスについて、明確な記載を含め、客観性の原則に基づき入学方針を策定し て履行しなければならない。(B 4.1.1)

A 基本的水準に関わる点検

本学ではアドミッションポリシー(資料97)を定め、選抜方法を公表し(資料180)、

それに基づいて入試委員会で選抜を行っている(資料181)。

学生募集では、本学の建学の精神「病気を診ずして、病人を診よ」を理解し、知識や技 術にとどまらず、人間中心の医学を学び実践していける、強い意志を持つ学生を求めてい ることを明確にしている(資料182)。オープンキャンパスを8月から9月にかけて3回 実施し、大学の教育内容や入学試験の概要について説明を行っているが、その際にも大学 の教育理念を明示している(資料183)。

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学生の選抜方法は、一般入試による方法で、2002 年度までは2 月25 日に、2003 年度か ら2006年度までは1 月28 日と2 月25 日の2 回に、2007 年度からは2月上旬に一次試験 として筆記試験を行っている。一次試験は理科2 科目、数学、英語の計4 科目が課せられ ている。さらに約10 日後に二次試験として面接を行っている。合格は高等学校から提出さ れた調査書等を含め総合的に判断している。

入学志願者は2003 年度から2006 年度は前期・後期の2 回試験で合計3500~4500 名であ

ったが、2007 年度からの1 回の試験への変更で約2300 名となり、2014年度入試では約

2600名の志願者数となっている(資料184)。

【資料184 志願者数、受験者数および合格者数】

志願者数、受験者数および合格者数 (※1:東京都地域枠5名を含む)

2013年度 2012年度 2011年度 2010年度 2009年度 募集人数 110(※1 110(※1 110(※1105 105 志願者数 2,781 2,507 2,574 2,576 2,542 一次試験受験者数 2,557 2,201 2,246 2355 2327 一次試験合格者数 450 450 450 420 450 二次試験受験者数 424 425 421 408 439 二次試験合格者数 155 155 155 150 150 二次試験補欠者数 239 229 224 239 277 繰上合格連絡者数 203 181 170 191 129 入学者数 112 112 111 106 105 倍率 16.5 14.2 14.5 15.7 15.5

入試の難易度による私大医学部での順位は、2002 年度までは7~11 位であったものが、

2003 年度の入試改革で2 位となり、2007 年度からの1 回入試においても2 位を続けている。

本学が私大医学部として高い評価を受けるのに伴って、合格者の中から国立大学への入学 を理由に本学の入学を辞退するものが多数みられるようになった(資料185)。

B 基本的水準についての評価

選抜プロセスは客観性の原則に基づき公平に履行されている。学力を中心とした1次試 験と面接を中心とした2次試験が行われており、1次試験については出題問題の事前、事 後の検証も行われている。2次試験に関しては一人の受験生に対し1時間に及ぶ面接時間 を使っている。

現行の入学試験一次試験は、幅広い多様な受験生を受け入れるため、理科(物理・化 学・生物より2科目選択)、数学、英語から構成されている。各科目100点満点とし、4 科目の成績の合計点に、一定の基準により調査書に基づく評価を加えて一次総合点として いる。受験者数により変動するが、一次総合点の上位約20%以内を目安として、一次合格 者を判定している。

一次合格者に対して、二次試験として複数の面接委員(3名)による面接試験を課して いる。現行の二次試験(面接試験)は、面接員に受験生に関する情報を与えない(バイア スをかけないで公平に評価する)集団面接と、調査書情報を事前に面接員が吟味しておく 個人面接から成り、調査書上、問題のある受験生については、個人面接において特に注意

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深く評価を実施するようにしている。二次試験の面接委員は、医学科(教養・準備教育系、

基礎医学系、社会医学系、臨床医学系)の教授から偏りが生じないように依頼している。

二次試験実施前に、面接評価のFDを実施し、評価基準を明示し、各面接(集団面接およ び個人面接)における評価方法の統一を図っている。集団面接においては、良識・教養、

自己表現力、コミュニケーション能力を特に重視しており、個人面接試験においては、特 に医学部進学の強い意志と動機、入学後に能力を伸ばすことができるかどうかを重視して、

人物を注意深く評価している。

面接評価では、一定水準に満たない場合、一次試験の成績に関わらず不可としている。

一方、一定水準以上の場合は、一次総点に加点して、成績上位者155名(うち東京都地域 枠合格者5名)を合格者としている。入学者定員110名より多く公表するのは、合格者の うち、国立大学などへの入学により辞退者がいるためである。補欠者は、上位より順位を 付けて受験番号を公表している。

入学者選抜試験は、医学科教授会議の議を経て決定し実施される。入学試験は一次試験 としての学力考査筆記試験と二次試験としての面接試験よりなる。入学試験委員長は学長 により任命される。入試委員は6 名で、教授の中から選任される。委員の任期は1 期1 年 とし、4 期までとする。入試委員会は全員の出席をもって成立し、入試に関する業務の実 施、合否判定案の作成、特待生の選定、その他入試に関する事項の検討を行う。一次試験 の問題作成は入試委員長が任命した入試問題作成委員により行われ、作成された問題は入 試委員会による点検を受ける。面接試験は入試委員会が指名した教授により集団および個 人面接(各室3 名ずつの面接委員)が行われる。集団面接では良識・教養を重点とし、個 人面接では医学を学ぶ心構えを主に評価する。また面接に共通して自己表現力を重視して いる。面接試験の結果を受けて入試委員会はさらに審議を行い医学の道を進むための適性 について判断する。入試委員会は一次試験による学力と面接試験による社会性と医学の道 を進むための適性、ならびに高等学校から提出された調査書をもって総合的な判断を行う。

入試委員会の最終判断は入試判定会議(学長、病院長、準備教育教授、基礎教授、臨床教 授の代表者各1 名の計5 名で構成)において承認を受け合否判定結果(案)となる。合否 判定結果(案)は医学科教授会議における審議を経て本学の入学試験合格者の発表となる。

入学者選抜のあり方についての全般的な検証は入学試験委員会、入試検討会、学長諮問委 員会において毎年行われる。

現在は、入学試験成績とその後の学部での学業成績や学習態度との追跡調査を行ってい るが、面接試験の方法や課題選定に関しては今後さらに、医師になるべき素質を評価する ための改善が必要だと感じている。

C 改善に向けた提言

入学試験での面接試験に関しては、諸外国での事例を参考に、multiple mini-interviewsな どより良い面接試験の方法論について、入試委員会で検討を開始する。

D 改善に向けた計画

新たに取り入れた面接方法論について、その後の学生のパフォーマンスとの相関を検証 し、面接試験の改良を継続する。

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B 4.1.2

医科大学・医学部は

 身体に不自由がある学生の入学について、方針を定めて対応しなければならない。(B 4.1.2)

A 基本的水準に関わる点検

身体に不自由のある学生については、今まで事前にはどこまでの障害を受け入れるかに ついての規定はなかったが、2013年度に受験生からの問い合わせがあり、医学教育カリキ ュラムを説明し受験生に判断を委ねた。

B 基本的水準についての評価

身体に不自由のある受験生に対し、受験以前に本学の医学教育を受講することができる かどうかを明示していく必要がある。

C 改善に向けた提言

本学で学習を行うために、身体に不自由のある学生をどこまで大学は支援できるかの検 討を行い、将来的には入試要項で受験生に事前に明示できるようにしていきたいが、それ までは、身体に不自由がある受験生は事前に大学と相談できる体制を作る。これを入試要 項に2014年度から掲載するとともに、ホームページにも公表する。

D 改善に向けた計画

身体に不自由のある学生の受け入れ範囲を拡大していく検討を行う。そのためには海外 事例の研究を行う必要がある。

B 4.1.3

医科大学・医学部は

 他の学部や機関から転入した学生については、方針を定めて対応しなければならない。(B 4.1.3)

A 基本的水準に関わる点検

本学は6年一貫教育の方針を堅持しており、1年次より他大学・他学部において取得困 難な単位科目(医学総論)の編成がされているため、転入の制度はなく、全ての学生が1 年次からの入学となるが、教養科目に関しては単位互換の制度がある(資料186)。

B 基本的水準についての評価

本学の初年次教育は、医師養成のための「初年次教育」なので、現段階では他学部の転 入を2年次以降に編入することはしない。

C 改善に向けた提言 特にありません。

D 改善に向けた計画 特にありません。

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ドキュメント内 Standard: (ページ 99-106)