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教育の専門的立場

ドキュメント内 Standard: (ページ 159-164)

6. 教育資源 1 施設・設備

6.5 教育の専門的立場

基本的水準:

医科大学・医学部は

・ 必要な時に教育専門家へアクセスできなければならない(B 6.5.1)

・ 以下の事項について教育専門家の利用に関する方針を策定し履行しなければならない

・ カリキュラム開発(B 6.5.2)

・ 指導および評価方法の開発(B 6.5.3)

注釈:

 [教育専門家]とは、医学教育の導入、実践、問題に取り組み、医学教育の研究経験のある 医師、教育心理学者、社会学者を含む。このような専門家は教育開発ユニットや教育機 関で教育に関心、経験のある教員チームや、外国施設或いは国際的な組織から提供され る。

 [医学教育分野の研究]では、医学教育の理論的、実践的、社会的問題を探究する。

B 6.5.1

医科大学・医学部は

・ 必要な時に教育専門家へアクセスできなければならない(B 6.5.1)

A 基本的水準に関わる点検

本学の医学・看護学の教育を推進する組織として教育センターが2005年に設置された

(資料105)。教育センターには医学教育を専門に知る教員が配置され、それぞれ下記の 委員会に属している。教育センター長の福島統教授は①教学委員、②カリキュラム委員、

③カリキュラム自己点検・評価委員長、④教育施設委員、⑤病院業務実習委員長等を担当 し、尾上尚志教授は①教学委員、②カリキュラム委員、③テュートリアル委員長、④4年 次OSCE委員長、⑤学生担当委員(5年担当)、⑥臨床実習教育委員等に、中村真理子准 教授はカリキュラム委員、医学総括試験委員、共用試験問題検討委員に、岡崎史子講師は 臨床実習教育委員、4年次OSCE委員を担当している。教育センターとは別に、医学教育 研究室も活動しており、医学教育研究室長の木村直史教授は①入試委員長、②教学委員、

③カリキュラム委員、④試験委員長、⑤基礎医科学Ⅱ総合試験委員長等を担当している。

B 基本的水準についての評価

教育センターの教員は、学外でも医学教育学会、高等教育学会、大学教育学会などの教 育関係学会、共用試験実施評価機構、医学教育振興財団、全国医学部長病院長会議でも理 事や委員長の任にあたり、学外の医学教育専門家とも連携が取れる立場にいる(資料 293)。

C 改善に向けた提言

現行の体制に加え、2015年度からはグローバルな医学教育認証に対応した診療参加型臨 床実習の充実の事業の一環として、教育アドバイザーを雇用することとなっている。教育 アドバイザーは英国で発達した職種で、非医師である教育専門家が臨床実習で学生と指導

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医および患者との相互関係を観察し、臨床実習での学生の学びを拡げる役目がある。教育 アドバイザーの導入は本学がわが国初となる(資料94)。

D 改善に向けた計画

教育アドバイザー導入とその導入結果を分析し更なる改善策を考える。

B 6.5.2

医科大学・医学部は

・ 以下の事項について教育専門家の利用に関する方針を策定し履行しなければならない

・ カリキュラム開発(B 6.5.2)

A 基本的水準に関わる点検

B 6.5.1に示したように教育センターおよび医学教育研究室が活動しており、医学総論、

臨床実習、テュートリアル、OSCE、等について、医学研究の新たな知見を考慮しながら カリキュラム開発を行っている。教育センターおよび医学教育研究室の教員の多くがカリ キュラム委員であり、大学のカリキュラム策定に関して中心となって意見を述べる立場に ある。さらに、2015年度から改編される臨床実習のワーキンググループのメンバーとして 臨床実習向上のための方策を企画している。

B 基本的水準についての評価

このように本学は学内に医学教育専門家を擁し、学内のカリキュラム開発、指導及び評 価方法の開発などで重要な働きをしている。カリキュラム開発に際しては、これまでに KCL教育専門家から多くの助言を受けており(資料24)、国内外の教育専門家の意見を常 に反映させて先進的なカリキュラム開発を行って来た。しかしながら、現状ではカリキュ ラム開発を行っている教育専門家と実践する現場教員との間の意見交換が十分とはいえな い。

C 改善に向けた提言

今後のカリキュラムの改訂に備え、現場教員との密接な連携を図るための定期的な検討 会やFDの開催が望まれる。

D 改善に向けた計画

医学教育カリキュラムは医学の進歩や社会の要請によって随時変化すべきである。教育 専門家は常に最新の知見にアクセスし、現場教員とも意見交換をしながら、必要があれば 適宜カリキュラムの見直しをしていく。

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B 6.5.3

医科大学・医学部は

・ 以下の事項について教育専門家の利用に関する方針を策定し履行しなければならない

・ 指導および評価方法の開発(B 6.5.3)

A 基本的水準に関わる点検

B 6.5.1に示したように教育センターおよび医学教育研究室が活動しており、総合試験、

共用試験CBT・OSCE、実習や演習に関与して指導および評価方法の開発を行っている。

B 基本的水準についての評価

教育専門家が中心となって、テュートリアル、OSCE、臨床実習、試験問題作成につい て、それぞれの教育担当者を対象としたFDを企画し実践しており、適切な指導と公正な 評価が行われていると考える。しかしながら、臨床実習、特に参加型臨床実習における指 導並びに評価方法については、十分確立されているとはいえない。特に卒業時アウトカム を測定するためのAdvanced OSCEの導入が必要である。

C 改善に向けた提言

2013年に卒業時アウトカムを設定したことにより、それに向かっての能力を学生が各学 年で身に付けたかどうかのコンピテンシーをパフォーマンス評価する必要がある。教育専 門家が中心となって、知識、技能、態度の各能力を信頼性と妥当性を持って測定できるパ フォーマンス評価について検討を始める。パフォーマンス評価について、その意味の周知 と実践法についてのFDを企画する。

診療参加型臨床実習を行う分院や教育病院群(大学教員が派遣されている地域病院)の 教育現場の現状を把握し、適切な指導法や評価方法を検討していく。教育センターの教員 は臨床現場の教員と協力し、教学IRとしてログブック、学習記録等から教育成果について の分析を行い、教学委員会および臨床実習委員会等への臨床実習改善提案を行う。

D 改善に向けた計画

教育アドバイザーとして教育学修士をもつ教員(non MD)を雇用し、診療参加型臨床実 習を行う分院や教育病院群(大学教員が派遣されている地域病院)の教育現場を巡回し、

指導医の臨床教育指導を行うとともに、実習教育の質保証を目指す。教育アドバイザーは 実習現場での観察をもとに指導医や病院スタッフへの教育上のアドバイスを行い、学生に は学習のやり方などについての認知カウンセリングも行う。さらに教育アドバイザーは教 育病院での教育の質を、オンサイトでの観察をもとに評価を行い、各病院の学習環境改善 への提案をも行う。この制度は、英国で行われている「Educational adviser」を参考に構築 する。

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質的向上のための水準:

医科大学・医学部は

・ 教職員の教育能力向上において学内外の教育専門家が実際に活用されていること示すべきで ある(Q 6.5.1)

・ 教育専門家の教育評価や医学教育分野の研究における最新の知見に注意を払うべきである。

(Q 6.5.2)

・ 教職員は教育的な研究を遂行すべきである(Q 6.5.3)

Q 6.5.1

医科大学・医学部は

・ 教職員の教育能力向上において学内外の教育専門家が実際に活用されていること示すべきであ る(Q 6.5.1)

A 質的向上のための水準に関わる点検

B 6.5.1に示したように教育センターおよび医学教育研究室が活動しており、学内教育専

門家が中心となって、テュートリアル、OSCE、臨床実習、試験問題作成について、それ ぞれの教育担当者を対象としたFDを企画し実践している(資料242)。学務系職員につい ては定期的なSDプログラムが実施されている(資料220,221)。

学務系職員間のネットワークが存在し、大学を超えた職員連携が構築されている。教員 に関してもB.6.5.2で述べたように教育センターや医学教育研究室の教員が学外の医学教育 専門家にアクセスしやすい環境を整えている。KCLを始めとして、海外の大学との交流も 図っており、随時教育専門家を招聘して医学教育についての教えを得ている(資料 294)。

GP事業に於いては外部評価者として国内外の専門家を招聘している(資料24)。

B 質的向上のための水準についての評価

「教職員の教育能力向上において学内外の教育専門家が実際に活用されていること示す べきである」は現状でも充分行われていると考える。

C 改善に向けた提言 特になし

D 改善に向けた計画 特になし

Q 6.5.2

医科大学・医学部は

・ 教育専門家の教育評価や医学教育分野の研究における最新の知見に注意を払うべきである。

(Q 6.5.2)

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ドキュメント内 Standard: (ページ 159-164)