第 1 章 量的研究(研究 1 )
第 6 節 因子分析による尺度得点と FSS の関係
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次に,この3因子に対する解釈を行った。第1因子は「家族に信者になってほしかった」
など,家族による信者としての受容に関する項目が高い正の負荷量を示していた。そこで
「信者としての自己受容欲求」尺度と命名した。第2因子は「家族の顔を見たかった」な ど,家族に対する親和性に関する項目が高い正の負荷量を示していた。そこで「入信中の 家族親和希求」尺度と命名した。第3因子は「家族と語り合う直前に,教祖を家族以上と いう教えを大切に思っていた」など,教団による操作の影響の項目が高い正の負荷量を示 していた。そこで「信者としての被心理的拘束」尺度と命名した。
Table 22 家族関係の因子分析結果(Promax 回転による主因子法・14 項目分)
1. 2 下位尺度
算出した「信者としての自己受容欲求」尺度,「入信中の家族親和希求」尺度,「信者と しての被心理的拘束」尺度と全体尺度の得点の平均値を算出した。「信者としての自己受容 欲求」尺度は平均3.01,SD .98,「入信中の家族親和希求」因子は平均3.31,SD .50,「信 者としての被心理的拘束」尺度は平均2.83,SD 1.94であった。また,3尺度得点間およ び全体尺度との相関では,「信者としての自己受容欲求」尺度と全体尺度,「入信中の家族 親和希求」尺度と全体尺度,「信者としての被心理的拘束」尺度と全体尺度ともに,有意な 正の相関を示した(順にr-=.76, p<.001,r-=.53, p<.001, r-=.60, p<.001)。
次に,内的整合性を調べたところ,「信者としての自己受容欲求」尺度のα係数は.81,
Ⅰ Ⅱ Ⅲ
家族に信者になってほしかった .86 .00 .11
家族をイベントなどに誘いたかった .76 -.23 -.14
家族に教団の商品を購入してほしかった .69 .13 -.05
家族に自分の思いや活動を理解してほしかった .68 -.05 .04
家族に教団内での結婚を認めてほしかった .61 .21 .04
家族からお金を借りたかった .47 .10 -.13
家族の顔を見たかった .07 .91 -.08
家族が好きだった .05 .85 .06
家族に申し訳なく思っていた -.02 .48 .10
入信当初、教祖は家族以上という教えを大切だと思った -.02 .03 .71 実家に帰るときには教団の許可が必要と思っていた -.23 .04 .70 教祖は家族以上という教えを脱会前に大切だと思った .19 -.07 .69
勧誘者などとの関係を大切だと思った .11 -.13 .50
家族と電話など連絡を取る時に教団のチェックが必要だと思っていた -.10 .14 .39
因子相関行列 Ⅰ Ⅱ Ⅲ
Ⅰ ― .06 .34
Ⅱ ― -.10
Ⅲ ―
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「入信中の家族親和希求」尺度は.79,「信者としての被心理的拘束」尺度は.72,となり,
十分な信頼性がみられた(Table 23)。
Table 23 3 尺度間と全体尺度との相関および平均,標準偏差,α係数
2 FSSと3尺度得点との相関
3尺度得点の内部相関および勧誘前と脱会後のFSSとの相関について分析を行った。対 象は,調査協力者86名のうち欠損値を含むデータを除いた60名であった。なお,分析に あたり,尺度得点については,項目数が異なるため得点にばらつきが生じることより,平 均得点を用いた。
2. 1 勧誘前FSSと3尺度得点との相関
3尺度得点の内部相関と勧誘前FSSとの相関について分析を行った。
その結果,有意な相関はみられなかった(Table 24)。
Table 24 3 尺度得点間と勧誘前 FSS との相関<全体>
信者としての 自己受容欲求
信者としての 被心理的拘束
入信中の
家族親和希求 全体尺度 M SD α
信者としての
自己受容欲求 ― .22 .12 .76*** 2.86 1.06 .81 信者としての
被心理的拘束 ― .02 .53*** 3.81 .74 .72
入信中の
家族親和希求 ― .60*** 2.83 1.04 .79
全体尺度 ― 3.16 .60
*p<.05, **p<.01, ***p<.001
FSS勧誘前 信者としての 自己受容欲求
入信中の 家族親和希求
信者としての 被心理的拘束
FSS勧誘前 ― .04 .11 .06
信者としての
自己受容欲求 ― .10 .21
入信中の
家族親和希求 ― -.01
信者としての
被心理的拘束 ―
*p<.05, **p<.01, ***p<.001
167 2. 2 脱会後FSSと3尺度得点との相関
3尺度得点の内部相関と脱会後FSSとの相関について分析を行った。。
その結果,脱会後FSSと「信者としての自己受容欲求」尺度得点の間に弱い正の相関が みられた(Table 25)。
Table 25 3 尺度得点間と脱会後 FSS との相関<全体>
FSS脱会後 信者としての 自己受容欲求
入信中の 家族親和希求
信者としての 被心理的拘束
FSS脱会後 ― .31** .00 .13
信者としての
自己受容欲求 ― .12 .22
入信中の
家族親和希求 ― .02
信者としての
被心理的拘束 ―
*p<.05, **p<.01, ***p<.001
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