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原告:フリトレー、インド社その他

国籍:米国ペプシコ社の子会社であるペプシコ・インド会社のインド子会社 被告:アミット・ゴスワミその他

国籍:インド

裁判所:デリー高等裁判所 判決日:1999年9月17日 申し立ての事実関係:

訴状に記された申し立てによると、第2原告は、1992〜93年3月頃、スナック食品に関連す る大規模な販売促進キャンペーンをメキシコで開始した。スナック食品の各パッケージに は、丸いディスク型のコレクティング・アイテムが無料で付けられていた。このディスク の主な要素は、(1)円形であること、(2)この円形のディスクを飛ばす際に用いる複数の溝が あり、大きな溝が1本付いていること、(3)直径4.5cm、厚さ1.0mmであること、(4)片面にキ ャラクターが印刷され、反対の面には商標が印刷されていること、である。これらのディ スクはシリーズになっている。このキャンペーンは、スナック食品の全てのパッケージに ディスクが無料で付いていることをうたったものであった。このディスクは全てのパッケ ージに入れられ、子供達の好きな漫画の登場人物やコミックのキャラクターが印刷されて いた。ディスクを集めたいと思わせることで原告の製品売上が上昇するように、主に小さ い子供達をターゲットに、広域に渡って宣伝広報が行われた。これらのディスクを使って、

(a) Connect "N" Fly、(b) Stack, Whack & winという2種類のゲームを含む、ある一定のゲ ームをすることができた。

インドで原告の製品にこれらのディスクを付け始めて以来、1998年9月から1999年2月まで の原告の売上は、申し立てによると前年同時期と比較して87%の伸びを示した。さらに原 告は、申し立てによると数カ国で商標/ロゴを登録し、1995年6月2日および1995年10月27 日には、インドの商標登録局にも登録を申請した。このディスクは、申し立てによると米 国でも特許を得た。申し立てによれば、シリーズになったキャラクターを印刷した同種の 円形のシート状ディスクを利用して、製品を販売促進するために同一または同様の方法を 使用することは、原告の形式、ゲーム、編纂物に関する著作権の侵害に当たり、著作権法 の下に保護することの可能な著作業務であると主張された。

訴状によれば、原告らは1999年3月17日に、第2被告が自社のポテトチップスにディスク型 のコレクティング・アイテムを無料で付ける企画を開始しようとしていることを知ったの であるが、これが原告らのディスクと同一であると主張している。これらのディスクは AMAZZOというマークで市場に出荷される計画であったが、これが原告のTAZOマークと 同様に見えると主張している。被告らは、原告らのディスクを模倣したと主張している。

マークが音声的に同じであるだけでなく、被告らは原告らの主張と同じく、ポテトチップ スに無料でコレクティング・アイテムを付けようとしているとも主張している。ディスク は円形であり、原告らのディスクにも原告らのディスクと同じ溝が付けられているという ことも主張している。ディスクの大きさについても同一であり、被告らがシリーズで導入 しようとしていると主張している。被告らが在庫品の販売促進キャンペーンを選んだこと で、申し立てによれば原告らが著作権を所有しているというディスクと一緒に製品を販売 されてしまうと、原告らに多大な損害および被害が及ぶであろうと主張している。

これに対して被告らは、申し立てられた商標は商標および商品マーク法に基づいて登録さ れておらず、ディスクのデザインはデザイン法に基づいて登録されていないため、商標の 侵害には当たらないと答えている。当該の販売促進製品間には根本的な相違があるだけで なく、主要製品、すなわちポテトチップス本体を無視することなく、販売促進キャンペー ン に 関 し て も 何 ら 無 視 す る こ と は で き な い と 主 張 し て い る 。Amazoと い う 名 称 は

「Amazing」ということばを当てはめたものであり、ヒンディー語の「Aao Maza Lo」を 短縮したものである。また、被告の広告キャンペーンである「Aao Maza Lo」の宣伝文句 と韻を踏ませるように意識的に選択したものであると述べている。AMAZZOとTAZOとい う2つの販売促進製品については、第一段階である音声および文字に根本的な相違があり、

このような子供向け販売促進製品/景品を提供することは、「キャンディー(pogs)」や「ミル クキャップ(milkcap)」ゲームの周知の概念から採用したもので何ら新しいことではないと も主張している。第2被告は、1987年に気密性ポリ袋入りポテトチップスを導入した国内で 最初の会社であり、長年に渡ってこの市場で多大な評判と信用を築いてきた。第2被告の製 品は、「Uncle Chipps」の名称とスタイルで市販されており、申し立てによれば、インド国 内のポテトチップス分野では一般的な名前となっている。また、「A&M」誌の調査によれ ば、過去2年間に渡り、インド国内で最も評価の高いマーケティング企業のトップ30に入っ ていると評価されている。第2被告は、自社の「Uncle Chipps」ブランドを普及させるため に行ったいくつかのマーケティングおよび販売促進計画のパイオニアであり、1987年当時

からポテトチップスのパッケージに景品の形で無料のコレクティング・アイテムを付けて きた。これらの景品にはペンや日記帳、ランチ・ボックス、タトゥー、ガラス瓶などが含 まれた。被告らによれば、これらの販売促進計画は常にかなりの人気となり、ブランドの 利権や被告の商品名である「Uncle Chipps」にも大きな効果があったということである。

裁判所の観察:

販売されている主要製品はポテトチップスである。このポテトチップスに付随して、原告 および被告双方が丸いディスク型のコレクティング・アイテムを無料で付けることを始め た。原告側のディスクには溝があり、被告側のディスクには穴が開いている。ただし、被 告側のディスクのいくつかに大きな溝があったことは明らかである。被告側のディスクで 遊ぶことのできるゲームは穴を使うゲームであり、原告側のディスクで遊ぶことのできる ゲームは溝を使うゲームである。当裁判所の意見としては、単にディスクのサイズだけを 取り上げて、被告が原告のディスクを模倣したと言うには不十分であり、かかるディスク

は過去50年に渡って存在している。原告側のパッケージは「Lays」という名称で販売され

ており、被告側の製品は「Uncle Chips」として知られている。この2つの色配合および体 裁はまったく異なっている。原告側のパッケージに最もよく使用されている色はブルーで あり、被告側のパッケージには、オレンジ、グリーン、シルバーが使用されている。パッ ケージの重さも異なっている。「Uncle Chips」という名称がはっきりと(前面の1/2以上に 渡って太いイエローの字体で)記載されており、「Lays」という語は原告側のパッケージの 上部1/4にホワイトで記載されている。原告側の各パッケージにはTAZOと印刷されており、

漫画のキャラクターが印刷されているのに対して、被告側のパッケージにはAMAZOのステ ッカーが貼られていて、その上にUncle chipsのロゴが入っている。原告のロゴはディスク には入っていない。被告側のパッケージには漫画のキャラクターは印刷されておらず、原 告側のパッケージには表示されている。被告側のパッケージの裏面にはゲームの広告はな く、原告側のパッケージには2つのゲーム、いわゆる「Connect 'n' Fly」「Stack, Whack &

Win」の広告が記載されている。パッケージを開けるまでは、中にどのようなタイプのディ スクが入っているのかわからない。前述のように、原告によって申請された特許権は、溝 の付いたディスクに関するものであり、裁判所で開けたパッケージの多くには、CHEETO と書かれた丸いディスクが入っていた。したがって、当裁判所の検分によれば、原告およ び被告によって販売されているポテトチップスのパッケージがいかなるものであろうと、

両者に類似点は認められない。被告側の製品が原告側の製品と偽って提供されることはあ り得ない。

パッケージ全体は全体として見られるものであって、各部に分けて見られるものではない ことで首尾よく解決されるだろう。したがって、原告側の製品に溝付きの丸いディスクが 無料のコレクション・アイテムとして付いているという理由のみで、被告側が自社製品に 丸いディスク型の無料コレクション・アイテムを付けることによって不正または不当な競 争を行っていると言うことはできない。

裁判所の命令:

上記全ての理由により、当裁判所のprima facieの見解としては、被告は自社製品に付属の 無料コレクティング・アイテムとして配布するために、原告のディスクを模倣したとする 著作権侵害の罪を問われることはなく、さらに被告側には、かかるディスクの配布による