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「中国における産学連携と知的財産ビジネスの現状と課題」

モデレーター

角南 篤(政策研究大学院大学 助教授)

パネリスト

魏 啓学(金杜律師事務所 所長)

杉浦 康之(三菱商事(株)国際戦略研究所 所長)

マイケル・オキーフ(クロール・インターナショナル・インク マネージングディレクター)

拒否する、4)市場調査を定期的に実施する、などがある。

各企業の中国と米国への特許出願数をみてみると以下の通り となる(出典:ワールドパテントインデックス。米国は登録 件数、中国は出願(公開)件数)。

フィリップス:グローバルカンパニー。米国での出願件数が 低下、中国での出願件数が上昇。米国から中国へ方向転換か。

松下:出願件数は米国、中国ともにほぼ同数。松下は米国と 中国を同等に重要な市場とみなしていると理解できる。

東芝:米国への特許出願件数は中国へのそれの4倍。理由と しては、特定の技術のみを中国で出願していることが考えら れる。

ソニー:ソニーは中国市場に対して複雑な姿勢をみせる。た とえば、プレイステーションが発売されたのもつい最近のこ とである。米国への特許申請件数は中国へのそれの2倍。

日立:日立は日本国内、米国では優れた知的財産戦略を確立 しているが、中国での特許出願件数は少ない。

富士通:中国での出願件数が少ない。

NEC:生産拠点の中国への大規模な移転を行ったNECである が、中国への出願件数はまだまだ低い。一時は米国特許のナ ンバー2であったが、2003年にはナンバー13に転落。

シーメンス:中国で強いプレゼンスを持つ。明確な国際特許 戦略を持つ。

サムソン:中国への出願件数は米国へのそれの半分。中国へ の出願件数は一時的に米国においついたが、近年は米国が再 び上回っている。これは、技術を絞って中国で製造し、その 後米国に輸出するという方針をとっているからであろうか。

インテル:中国への特許出願件数は低い(米国への特許出願 件数の10分の1)。中国市場無視か。

IBM:特許ランキングナンバー1。巨額のライセンス収入を 得ている。2001年には米国での出願件数が3500数件に達した のに対し、中国での出願件数は500件以下。IBMがライセン ス料を重視していることが、中国への出願件数の低迷を裏づ けているのであろうか。

モトローラ:特許出願件数、中国、米国ともに低下。

HP:米国への特許出願件数は中国へのそれの10倍とかなり大 きな差がある。

キャノン:キャノンは米国特許でナンバー2であるが、中国 での数字は低迷している。

P&G:同程度の規模で中国と米国に出願。中国で活発な知的 財産戦略を展開中。

企業は、真正品の売り上げが伸びている限り模倣品を無視す る傾向があるが、長期的な視点に立って考えるならば、低価 格で強い商品力を持つ模倣品から甚大な打撃を受けることと なる。よって、模倣品の市場シェアが1〜2割程度のところ で対策を講じるべきであり、具体的な対策としては定期的な 市場調査の実施があげられる。

模倣品製造者が非常に精巧に似せた製品を作ることができる のは、侵害者が元ライセンシーであったり、また中国政府に れについては、選択の方針を策定)、中国の法律事務所・特

許事務所の実績や力量等についての情報が不足しているため、

中国において業務委託の必要性が生じた際に、どこに委託す べきなのかわからない(これについては、中国の法律事務所 等50社に対しアンケート調査を行った)、中国に進出するに あたっての知的財産リスクマネジメントを行うにあたり、中 国で実際にどういった知的財産問題が発生するのかを解明す る、などがある。

三つの分科会が抱える複合課題としては、1)提携先である 中国企業や、自ら設立した中国現地法人に対して日本からの 技術を供与する際、その技術が違法に流出してしまうリスク がある、2)正規の工場から真正品がブラックマーケットに 流出し、市場価格の混乱を招くことがあるが、真正品である が故にエンフォースメントが困難である、3)現地に専任の 知的財産部門駐在員を置いて知的財産問題の対応をしている が、模倣品の摘発対応で追われ、特許問題に手が回らない、

4)国営色の強い中国企業と知的財産紛争をすることによる 中国ビジネスへの影響を考えると、中国企業相手に知的財産 紛争は起しづらい、といったものがある。

市場分析分科会:出席メンバーは中国での事業展開に関心の 高い有力企業のマーケティング部門、事業企画部門、国際部 門で、当分科会特有の課題としては、中国の情報や統計デー タの信憑性が低いことなどがある。

三つの分科会が抱える複合課題としては、1)知的財産、技 術、ノウハウの流出を考慮した、中国市場に進出する決断を 下すための市場データの収集、2)「投資対効果」を知的財 産リスクと関連付けて判断する指標の特定、3)市場規模や 成長率が不透明な中での知的財産ライセンス戦略の策定、4)

中国市場特定の技術トレンドや中国での技術標準化動向、5) 現地パートナー候補の市場でのポジショニング調査、などが ある。

リスク管理分科会:出席メンバーは中国での事業展開に関心 の高い有力企業の法務部門や事業提携、海外企業部門である。

当分科会特有の課題は参考資料の通りである。

知的財産・市場リスクの複合課題としては、1)中国向け技 術輸出管理厳守(半導体分野は流通が非常に複雑)、2)技 術ライセンス規制(中国の法規制の中では無効となる可能性 もある)、3)技術ロイヤリティの回収リスク(回収できな い事例もある)、4)現地法人・合資会社の社員のノウハウ、

トレードシークレット開示リスクの存在、などがあげられる。

オキーフ

世界の貿易の5〜7%は模倣品といわれており、国によって は特許侵害の対抗手段を講じることが困難な国もある。クロ ールの展開する戦略には、1)戦略市場国で特許を出願する、

2)生産が中国で行われているならば、特許や商標の出願も 中国で行う、3)中国の特許事務所へのサンプル品の供給を

いしは黙認している例は確かに存在している。

回答(魏)

中央政府の関与はないが、一部の地方政府公務員が地元企業 と癒着している場合はある。

質問(会場:参加者)

模倣品防止としてライセンス供与があげられたが、法制面に おいてライセンス供与は可能か。ライセンス供与によりロイ ヤリティの受け取りは法律で保障されているのか。外国企業 が投資を行う際、どのように知的財産流出を防ぐことができ るのか。また、海外送金は可能か。参考となる事例をご紹介 いただきたい。

回答(魏)

技術のライセンス供与は可能である。特許法、契約法(技術 輸出入管理条例)など関連法の整備もすすめられている。問 題はどのような会社にライセンスを供与するかであり、この 点で相手企業の調査が重要となる。外国への送金はかなり緩 和されており、契約を締結している限り、送金は問題なく行 われる。知的財産流出防止については、キューピー、YKKな どの成功事例を、模倣品摘発の成功については、花王、資生 堂などの事例を参照されたい。

質問(会場:参加者)

技術移転のみならずノウハウが追随する場合、つまりノウハ ウを提供した人物が中国のライバル企業に移った場合、現行 法上ではどのような対抗措置を講じることができるのか。ト レードシークレットについてお教えいただきたい。

回答(魏)

中国不正競争防止法により罰せられるが、労働する権利との バランスから現在新たな法制を検討中である。

コメント(杉浦)

ケースバイケースで判断を下すにあたりノレッジマネージメ ントが重要となる。知的財産に関する意識向上に加えセキュ リティ面での配慮も重要である。

(セッションB4終了)

より戦略的に支援されている場合があるからである。模倣品 は真正品をつくる工場から地理的にさほど遠くない箇所で製 造されていることが多く、元社員であるマネージャーやオー ナーが自社技術やノウハウを持ち出す事例も報告されている。

さらには大学の教授がアドバイザーとなっている場合や、工 場からブループリントが持ち出されたケースなどもある。

最近の傾向について。模倣品製造者は侵害行為を認知してお り、ラベルやブランドマークなどは製造の最終段階で貼られ ることが多い。中国から中東、中南米などに輸出される傾向 も強まっている。

質疑応答

コメント(魏)

中国は世界貿易機関(WTO)加盟後、市場経済を本格的に 目指している。中国の中西部地方は貧困状態にあるので、こ の地方の開発を進めることで日中貿易をますます活性化され ることができるのではないか。中国において模倣品の製造・

販売は一つの経済現象となっている。模倣品により収益があ がり、また法律による罰則が弱いために模倣品は製造され続 けている。よって、日本企業は中国企業との交流を深め、1950

〜1960年代の模倣品に関する日本企業の経験やノウハウを供 与することにより、模倣品被害の根本的対策を講じるべきで ある。低価格の模倣品が消費者にとって魅力的であることは 事実であり、これは日中企業が共同で取り組むべき課題であ ろう。

コメント(杉浦)

リスクの中身を見極めることが重要。市場や知的財産の面か らのリスクを分析するならば、ビジネスチャンスとなるリス クもある。中国との共同事業を増やすべきとの意見について は、技術トレンドや技術標準について先を読む意味で中国の 企業とパートナーシップを結ぶことが重要である。米国企業 の中国での特許申請件数も今後は増加するのではないかと考 える。

コメント(オキーフ)

市場の特性や市場のリスクを見極めた上で戦略を策定し、戦 略にそって進出すべきであろう。このようにしてリスクは回 避できる。

質問(会場:参加者)

模倣品の製造において中国政府が黙認しているとの発表があ ったが、中国政府は知的財産権保護を重視しており、公安当 局をはじめさまざまな規制当局は大々的に模倣品摘発を行っ ている。米国は中国の模倣品摘発状況に満足しているとの報 告があるが、この点についてオキーフ氏にコメントいただき たい。

回答(オキーフ)

近年は減少の傾向にあるが、中国政府が模倣品製造を支援な

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