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大学技術管理者協会(AUTM) 会長

特許申請の5%が企業設立へとつながります。これらの割合 は非常に重要な意味を持ちますので、皆さんにはこの割合を 頭に入れておいていただきたいと思います。また、これらの 割合が世界中でも同様であることについて、このプレゼンテー ションの後ほどで述べたいと思います。私は、この分野では 予想というものが非常に重要であり、低く見積もり過ぎたり 高く見積もり過ぎたりしないことが大切だと考えております。

次に、2001年と2002年の間の変化について少しお話ししま しょう。皆さんは、スタートアップ企業の数が減少している ことにお気づきになるでしょう。これらの数値を研究してい る人間は一般的に、それが米国の株式市場の不振と関係して いると信じています。私は、さらにもう少し分析する必要が あるとは思いますが、彼らの考えについては、ほぼ正しいと 思っております。株式市場と投資活動が、とりわけ大学技術 移転の70%を占めるバイオテクノロジー分野への投資が回復 し始めたのは、わずか半年前のことなのです。ご存知のよう に、それ以前の米国は、二度と抜け出せないかと思うような 苦境の中にありました。しかしながら、明るい側面もありま す。2002会計年度におけるランニング・ロイヤルティは約10 億500万ドルと、2001会計年度の8億4500万ドルから18.9%も 増加しており、AUTMがデータ収集を開始した1998会計年 度以降、2,076の新製品が発売されています。

これらのデータについて少し述べさせていただきたいので すが、私どもは、これらのデータでは、最も重要な事柄のい くつかが示されていないと思っております。それは公共の利 益であり、私どもは今後、「結局はどうなんだ?」という疑 問に答えるために、さらに2つもしくは3つのデータ項目の 収集を始める予定でおります。そして、結局はどうなのかと は、いくつの製品が公共の利益に貢献したか、どれだけの雇 用が創出されたのか、また、どのような経済的影響がもたら されているのか、ということです。このことについては、後 ほどもう少し触れたいと思います。

ここに、10年間にわたるデータがあります。スタートアッ プ企業に関する数値にご注目ください。この数値は、スター トアップ企業に関する一部の過度な期待を和らげることにな ると思います。12年間にわたる私たちの調査の間に、大学か ら生まれたスタートアップ企業の数は約4,300社あります。そ の中で生き残っているのは約3,000社です。米国の一般的な知 識として、全中小企業の約9割が最初の2、3年で破綻する とされています。ですから、大学から出たスタートアップ企 業の方が成功する割合がずっと高いことがお分かりいただけ ると思います。しかし、生き残った3,000社の中で、活力のあ る会社が何社あり、なんとか生存している会社が何社あり、

死んだような会社が何社あるのかについては、なかなか分か りません。大学は、そのようなことに気をつけなくてはなり ません。自分たちは、競争力のない死んだような会社を支援 しているのではないかと注意すべきです。このことについて は、引き続き注意していく必要があります。

しかしながら、この図には他に2つの事柄が示されていま せん。一つは、過去20年間にわたり、大学の中で、科学、法 律、ビジネス、そして交渉に優れた才能を持った技術移転専 門家の育成が行われてきたということです。私は、そのよう

な専門家の育成は、これからお話しする他の要素のいくつか と少なくとも同じくらい重要であると申し上げたいと思いま す。もう一つは−繰り返しになりますが、既に申し上げたよ うに、バイ・ドール法というのは、1人の人間に取引に対し

「イエス」と言える権限を与えたこと以外には何ら特別に素 晴らしいものでもないのですが−もう一つの図に示されてい ない事は、科学者が発明の公開を行うことに対して、インセ ンティブを与えるようにしたことです。これは、どのように 行われるのでしょうか?インセンティブは、特許使用料の何 割かを科学者に支払うことによって与えられます。各大学は、

発明者がその発明から妥当な割合の収入を確実に受け取るこ とができるような制度作りに取り組むよう求められています。

バイ・ドール法が通過するやいなや突然、様々な発明が表に 出て来るようになりました。私は、これは非常に重要なこと だと思っております。技術革新、技術革新の継続、そして最 も重要であるそういった技術革新の公開を奨励する上で、イ ンセンティブがどう役立っているかについて、私たち一人一 人が世界中を観察する必要があるでしょう。米国のこのイン センティブは、私は世界中で成果を上げていると思っていま すが、バイ・ドール法のもう一つの重要な要素です。

経済的影響については、どのようなことが言えるでしょう か?日本は、大学による技術移転という希望にあふれた新し い制度を目前にしているわけですから、各大学にいくつかの 重要なデータ項目を測定するよう依頼することから始められ るよう強くお勧めします。そうすれば、将来的に成功を測定 することが可能になるのです。さて、どのようなことが測定 できるのでしょうか?この点については、マサチューセッツ 工科大学(MIT)のロリ・プレスマン女史が多くの研究を 行っています。プレスマン女史は、2003年11月に発表された 最新の論文をはじめとする数多くの論文の中で、売上高や特 許使用料が測定可能であることを示しています。また、大学 内でのスタートアップ企業に対するベンチャー投資、および 業界のライセンシーが事業開発投資に費やす金額も測定する ことができるとしています。科学者あるいは技術者を支援す るための金額も測定することができますが、これは、新しい 雇用をどれだけ生み出すことができるのかという将来的な計 算において非常に重要になるものです。日本の税制において 適用できるかどうかは分からないのですが、地方自治体に入 る給与税や所得税などの税金を測定することもできます。こ れは、少なくとも米国やカナダにおいては、研究に再投資す るための非常に重要な税になります。もし、皆さんがこれら の測定を続けることについてご検討なさっていないのであれ ば、是非ご検討されることをお勧めします。

調査への参加組織の数が増加している理由の一つとしては、

それらの組織の多くが10年前にはこの測定を行う能力を有し ていなかったことが挙げられます。今日、それらの組織がこの 能力を有しているのはなぜでしょうか?州立大学や国立大学 については特に、州の経済発展に対して、米国内の州レベル で大きな関心が持たれているからだと言えるでしょう。経済 発展を測る唯一の方法は、金銭的に測定を行うことなのです。

プレスマン女史はそれから、前のスライドで私が言及した 数値が分かっている場合には、異なる3種類の計算をするこ

とができるとも言っています。私たちは、産業界もしくは米 国の場合は投資会社により、全投資の中で初期研究段階にど のような投資あるいは誘発投資が行われたかを知ることがで きます。また−これは、特許使用料の計算のためには確実に 知らなければならないことですが−商品売上高を知ることも できます。これらの金額の合計は、一種の経済的影響を示し ていると言えます。第2に、各大学の研究費の合計を知る中 で、雇用された科学者および技術者の数を計算でき、それに より創出され支えられる雇用の数を算出するための数値を見 出すことができます。これは、経済発展のために極めて重要 なことです。最後に、皆さんの地域あるいは国に当てはまる 場合には、支払われる税金の額およびおそらくは研究体制に 還元されるそれら税金の額を計算することも出来ます。

このスライドですが、見づらくて申し訳ありません。コピ ーでは上手く見えなくなってしまったので、おそらく皆さん にはただの黒い四角に見えると思われる枠の中をこれからお 読みします。ここには、2番目か3番目のスライドで報告し た数字を、大学におけるプロセスに沿って様々な枠の中には め込んだものが示されています。プレゼンテーションの冒頭 で、研究に対する投資額が370億ドルであったことをお話し しました。私どもによる去年、つまり前回の測定時に、発明 の公開が約15,500件あったことが分かっています。そのうち 3,600件が米国特許を取得し、450社が設立されました。そし て、新しい会社や製品が公共の利益を生み出しています。ま た、下の部分には、4,673のライセンス契約が成立したことが 示されており、同じく下の部分にある最初の黒く見える枠の 中にある誘発投資を測定するための計算ができます。その下、

スライドの一番下の部分には、雇用、最後は給与、売上、キ ャピタル・ゲインおよび税金と書かれています。

一番上の黒い四角の中には、発明者個人に支払われた金額 と書かれていますが、これは非常に重要です。これは、ライ センサーである大学に支払われた金額の中から出されるもの です。ライセンサーに流れる金額の中から、一定の割合が発 明者に渡されることがお分かりいただけると思います。「新 会社、新製品」と書かれた枠から延びる矢印の先にある、真 ん中の黒く見える枠内は、商品売上高です。投資された370 億ドルから、どれだけの売上が生まれたのかが分かり始めま す。これは、推測や方法論から、測定可能なもの、真剣に話 し合えるものへと議論を引き上げ、議論を盛り上げるもので あり、非常に重要になります。私どもがこの測定を始めたの はほんの10年前であり、それぞれのデータ項目の定義は極め て慎重に行っています。そうすることにより、各データ項目 が各人に対して同じ意味を持つようになり、項目に対して各 人が同じ基準に基づいて回答できるからです。

また枠内が見えづらくて申し訳ありません。枠内を読み上 げますと、一番左には、研究支援、その次が発明の公開、そ の次が米国特許権の付与、そしてその次がライセンス契約、

最後が誘発投資となっています。右側上部には再び、発明者 個人に支払われた金額とあります。他の部分については、か なりはっきりと判読できると思います。AUTMの調査で得 た数値から、経済的影響を概算することができます。実は、

ロリ・プレスマン女史が5、6年前に初めて経済分析を発表

した時には、米国でかなり大きな論議が起こりました。AU TMは現在、AUTMの調査結果を吟味・分析して国および 特定地域での技術移転による経済的影響に関して、より良い 測定法がないかどうかの研究を、学者、中でも経済学者に奨 励することに、特に米国のユーイング・マリオン・カウフマ ン財団と協力して努めています。一方で、米国内の大学は、

それぞれの多大な調査活動を共同して行っています。

インターネットの検索サイトで「大学の経済的影響」と入 力すると、驚くべきことに986,000件ものヒット数がありま す。多くの人がこの方法を利用しています。これは、あまり 学術的な方法ではないとは思いますが、それでも、そこで見 つかるものは何らかのアイディアを与えてくれます。私が特 に興味を持ったのは、かの有名なブルッキングス研究所が2003 年10月に行った調査です。『富を広げる:中小地域における 技術経済の構築(Spreading  the  Wealth:  Building  a  Tech Economy  in  Small  and  Medium-Sized  Regions)』というタ イトルのこの論文は、経済的成功を収めるために地域に必要 なものについて非常に詳細に論じていますので、皆さんも一 度ご覧になることをお勧めいたします。同調査の主要な発見 の一つは、技術を基盤とした発展を促進する上で、研究機関 が非常に重要な役割を果たすということです。

この論文では、研究機関がそのような役割を果たす理由に ついて次の三つがあることを指摘しています。何よりもまず、

研究機関は商業的に実行可能なアイディアを生み出します。

第2に、彼らは高い能力を持った人材を訓練します。ここで、

常に次のような疑問が生じます。高い能力を持った人材の訓 練というのは、どのように測定するのか?より多くの科学者、

技術者、そして熟練した技術者を生み出していることをどの ように測定するのか?この答えはまだ出されていないようで す。第3に、科学者の意見を聞くことにより、大学が地元の 企業や地域経済の問題を解決する役割を果たすということで す。これらは全て、成功のため、そして全ての技術移転メカ ニズムのために極めて重要なことです。ブルッキングスの調 査はワシントン州に焦点を絞ったもので、その結論は入念な 調査に裏づけられています。

もう一つ、ボストンカレッジ、ボストン大学、ブランディ ーズ大学、ハーバード大学、マサチューセッツ工科大学、ノ ースイースタン大学、タフツ大学、およびマサチューセッツ 大学ボストン校から集められたデータを総合的に分析した調 査が、ボストン銀行により行われています。これはボストン 銀行が発見した数値ですが、莫大な数値になっています。ボ ストン市内にこれらの大学が存在することにより、74億ドル もの巨額の経済効果が地域にもたらされていると測定してい るのです。これらの大学がなければ、48,500人の大学職員お よび37,000人のその他の雇用が存在しないであろうとも指摘 しています。ですからこの調査は、技術移転の域を越え、大 学が地域に与える全般的な影響という範囲にまで及んでいる のです。これらの人々は全員、多額の連邦税、州税、および 地方税を支払うわけですから、米国にとっては非常に重要な ことなのです。これらの大学は32,000人近い卒業生を輩出し、

先端技術を学んだそれらの卒業生は、卒業後にボストンおよ び米国の経済をさらに発展させる可能性を持っています。調

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