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:Fig.2.21 Hand8・on quiz
このクイズの例として、Fig.2.21左は「もしあなたが居間の壁にペンキを塗りたい とき、どこに電話しますか」という質問に対し、[printer(印刷工)Martist芸術家)]、
【painter!decorator(ペンキ屋,塗装工・室内装飾業者)】の選択肢がある。 Fig.2.21右 は「写真の中の人は何をしているでしょう」という質問に対し、[秘書】、[機械工,
修理工]、【ソーシャルワーカー]の選択肢がある。
もう一つはFig.2.22のようなパズルクイズである。子どもがコンピュータを操作 して、図の左から右へとパズルを解いていく。パズルが完成すると、その報酬とし て犬のキャラクターのPawsがダンスをするそうである。40
Fig.2.22 1nteractive puzzle activity
以上見てきたように、Paws in Joblandは小学生のキャリアへの関心を高め、職
390nline(2001)http:〃www。careerware.comlproductslcanadaljobfindc.htm 400nline(2001)http://www.careerware.co皿/products/canada/quizca.htm
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業の探索を行うことに力点を置いたソフトウェアであると結論づけることができよ う。このような活動は、日本の小学校においても生活科や学級活動、総合的な学習 の時間などで取り組まれることが望ましいと考える。また、日本の中学校の英語や 総合的な学習の時間にPaws in Joblandを使って学習を行うと面白いかもしれない。
2.1.5 まとめ
Gibson&Mitchell(1999)は、コンピュータシステムをインフォメーションシステ ムとガイダンスシステムに分類して論じている。ガイダンスシステムとして位置づ けられているDISCOVERも職業などのデータベースや情報提供機能はかなり充実
している。筆者がアメリカ、カナダの3つのシステムを見た限りでは、ガイダンス システムとインフォメーションシステムを統合したものが包括的なCACGシステ ム(マキシシステム)と呼んでよいのではないかと思われる。
DISCOVERの開発者であるHarris・Bowlsbey(1992)は、1960年代後半からの CACGシステム開発の歴史を概観して、システムに加えられた技術が劇的に変化し たことやユーザーの層が拡大したことを述べている。にもかかわらず、システムの 基本的な中身(content)はほとんど変わっておらず、それは4つの構成要素
(components)に分類されると指摘している。4つの構成要素とは、「構造」、「アセス メントツール」、「データベース」、「検索方略」である。このうち「構造」は、開発 者のコンセプトをシステムの骨格として表現したものである。具体的には、(1)ユー ザーが自分自身の興味・能力・価値観を理解することを援助する、(2)(1)の自己に 関する情報を職業の選択肢に結びつける、(3)選択のための良い意思決定の原則を教 え応用する、(4)上級学校や就職に関わるデータベースを提供する、である。「アセ スメントツール」は、ユーザーの興味・能力など個人特性を査定して、それを職業 の特性に結びつけるデータを得るものであり、これには職業についての十分な調査 に基づく体系化された職業情報が必要になるという。「データベース」は、職業や学 校等の正確な情報を構造化し、体系立った項目によってユーザーが検索可能な状態 にすることである。「検索方略」は、職業等の情報を正確にコード化して、ユーザー が自分に適した職業や学校を見つけ、価値ある情報を得ることができるようにする ことである。これら4っの構成要素は、一つ一つが独立したものではなく、キャリ アガイダンスの理念・目的をいかにしてコンピュータ上で実現できるかというシス テムの構想や設計上の課題を示したものと受けとめられる。
この点についで、SIGIを開発したKatz(1988)は、キャリアガイダンスに求めら れる役割として次の3点を挙げている。第一は、学生が自分たちの進路決定にとっ て何が重要な情報かを判断できるようにし情報に簡単にアクセスできること、第二 は、学生が自己を理解しそれを進路決定に生かせるよう援助すること、第三は、学 生が最も納得のいく構造を備えた進路決定のモデルを作り上げることである。この 3点を実現すべくKatzはSIGIの設計の際、次の3個口機能を持たせた
● 膨大な進路の選択肢を絞り、多様な業種を理解し、深く考慮する価値のある 仕事について扱える範囲のリストを作成すること。
● リスト上の職業間の区分の作成及び個々の選択肢をクローズアップし、その 職業の望ましさとその進路での成功の可能性を最適に結びつける方略を提供 すること。
● 進路選択を実行するために必要な行動計画のプランを作成することである。
このように設計・開発されたシステムは、一貫した構造と機能を持ち、ある特定の 目的の達成を一定の秩序に基づいて実行する。コンヒ.ユータによるガイダンスのプ ロセスは、カウンセラーによるものと異なり、すべて可視的であるとカッツは述べ る。したがって、われわれがCACGシステムの中身を検討することは、客観化され 構造化されたキャリアガイダンスの流れを学習することになる。同時に、個々のシ ステムの基盤になっているキャリアガイダンスの理論や、使用されている尺度につ いても学ぶことができる。CACGシステムを検討する意義は、各国がそれぞれの実 情や対象者に応じて行っている進路指導をコンパクトに学ぶことができる点にある。
以上のことをもっと簡潔に検討する方法は、個々のシステムの構成を比較するこ とである。室山(1998)はSIGI PLUS、 DISCOVER、 CHOICES及びイギリスの PROSPECT(HE)も加えて比較研究を行っている。これら欧米の代表的なマキシシ ステムに共通する基本的な構成要素(ステップ)として、(1)導入、(2)自己評価、(3)
職業情報、(4)職業情報、(5)キャリアプラン作成をあげている。これをSIGI PLUS・
DISCOVER・Choicesの現行版にもあてはまるかどうか検討を試みる。(Table 2.7)
Table 2.7 システムの構成の比較
SIGI PLUS DISCOVER Choices
導入 1)Introduction (R・adMap)
自己評価 2)SelfAssessment
HALI.1 kearn about relf&Career
(1)Assessment
職業情報 3)Search
S)Information
HALI.2
bhoose Occupations
(2)Search for Occupations
意思決定 8)Deciding ○
キャリアプラン作成 9)Next step
HALL4
olall for Work (4)Electronic Planner and
@ Portfolio
その他 5)Skills
U)Preparing V)C・ping
HALL3
olall My Education
(3)Search for Schools
まず、導入のステップが最も明確なのはSIGI PLUSである。 Choicesは従来版か ら導入の部分の作りが簡単であったが、現行版では導入のステップの機能を RoadMapが一部果たしているようである。自己評価、職業情報、キャリアプラン作 成はいずれのシステムも完備している。ただし、自己評価はSIGI PLUSと
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DISCOVERが採用している尺度が興味・価値観・能力(技能)なのに対して、
CH:OICESは興味が中心である。キャリアプラン作成は、内容的に「計画と準備」
に書き換えた方がよいと思われる。意思決定については、Table 2.5によるとChoices にも意思決定のモジュールがあるということだが、オンライン・デモを見る限りは、
具体的にどの部分が該当するか不明である。なお、Table 2.7では5つの構成要素 に直接該当しないものを「その他」の欄に掲載した。ここは各システムの特徴を示 す部分といえよう。DISCOVERとCH:OICESは学校情報を検索したり計画したり するモジュールが装備されている。SIGI PLUSも6)Preparingで教育情報が示され るものの、5)〜7)は現実的な吟味を行うプロセスなので、少し意味合いが異なる。
SIGI PLUSは意思決定に至るガイダンスのプロセスを重視しているようだ。いずれ にせよ、CACGシステムの構成要素の一つに「教育・学校情報」を付け加えるか、
それを「職業情報」に加えて「キャリア情報」と変更するかをした方がよいだろう。
3つのシステムを直接見たわけではないので、断定することはできないが、現時点 でのCACGシステムの基本的な構成要素や理念型(モデル)としてTable 2.8のよ
うに考えた。これを視点に髄2節、3節で扱うシンガポールとオーストラリアのシス テムを見ていき、比較検討した結果を4節で論じることとする。
Table 2.8 CACGシステムの構成要素と構成モデル
構成要素 説 明
1.導入 システムの全体的な説明と利用のガイド。ユーザーが受けるガイダンスを 選択する。
2.自己評定 ユーザーが自分の興味・能力などをアセスメントツール(質問紙、尺度、
チェックリスト、調査、目録)によって自己評定を行う。
3.キャリア情報 職業情報と教育・学校情報を含む。後者は前者との関連で検索できる。
自己評定に基づいて適職や適する教育コースの情報の検索でき、また、
ユーザーが自分の知りたい情報をデータベースから得ることもできる。
4.意思決定 1、2のステップをふまえて、意思決定のプロセスや方略を学び、職業 選択などキャリアの選択肢の絞りこみに関する情報を得る。
5.計画と準備 キャリアプランの作成や3で決定した目標の実現に向けての具体的な準 備の仕方を学ぶ。
2.2 シンガポールのCACGシステム
シンガポールにはJOBS(Jobs Orientation Backup System)というソフトウェ アがある。」OBSはアジア初で世界最新のCACGシステムであり、日本でJOBSを 紹介しているのは川嶋(1998)41しかないことなどから、本稿で取り上げることとし た。川嶋は」OBSのファーストヴァージョンについて報告しているが、2001年現 在はセカンドヴァージョンである」OBS2が使われており、サードバージョンの JOBS3も開発中との.ことである42。よって本稿では、 JOBS2を中心に報告を行う
ものとする。
2.2.1JOBSの概要と開発経過
まずはJOBSの概要と開発経過について先行研究43をもとにまとめることとする。
1)概要
JOBSは大きく分けて2つの部分から構成されている。一つは職業情報を提供す るOccupational Informationであり、177(JOBS2では200以上)の職業情報が
収録されている。もう一つはユーザーのキャリア探索を支援するCareer
Explorationであり、対話型のモジュールでユーザーの職業に関する興味・能力・
価値について段階的な自己評定を行わせ、それらに見合う職業を探索できるように なっている。対象年齢は13歳44から55歳であり、主に中等学校(secondary schoo1)
やジュニアカレッジ45段階の生徒や卒業生、.求職者を対象にしている。JOBSの価 格は通常300シンガポールドル(日本円で約21,000円)であり、教育機関には 200S$で提供される。また、大量注文の場合は180S$である。
2)開発経過
JOBSは1993年7月に発行された。開発は、シンガポールの国立南洋工科大学 Nanyang Technological Universityの国立教育研究所National Institu七e of Educationの研究者チームにより5年に及ぶ歳月をかけて研究開発された。研究者 チームのリーダーはSim Wong Kooi博士とEs七her Tan博士である。開発にあたっ
41川嶋涼子 1998 シンガポールにおけるキャリア・ガイダンス・システムーJOBS(Jobs Orientation Backup System) 日本労働研究機構編 資料シリーズ76 コンピュータと進路指 導 日本労働研究機構,184−198.
42筆者は2000年に日本労働研究機構の研究員の石井徹氏より,」OBSが優れたシステムである と聞いていた。2001年3月にシンガポールで開催されたアジア地区キャリア発達協会 Asian Regional Association f6r Career Developmellt(ARACD)の大会に参加した際にJOBS2を購入し,
また,シンガポールの研究者や教育関係者からJOBSに関する情報を得た。
43川嶋(1998)のほか,Elena, L.H:.W 1997 Coulltry Report from Singapore.第八届亜洲職業 與教育輔導會議大会手冊 中國輔導學會,68・82.
44シンガポールでは6年間の初等学校(6・12歳)の後、初等学校修了試験を経て13歳より中 等学校に進学する。修業年限は通常4年(一部5年)である。
45中等学校の上級のコース4年生対象の試験を経て進学する大学準備教育を行う2年制の学校。
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