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 最後に、インターネヅトとの接続は必須のものであり、マルチメディア化は世界 のトレンドである。今まで使われてこなかったものを普及させることを考えると、

マルチメディア化は避けられない課題であろう。特に動画情報がカギになると思う。

また、日本でも行われるようになってきたインターンシヅプや職場体験学習などの キャリア体験を支援するコンテンヅをつくることも重要であろう。

2.4.4 CACGシステムの活用法

 CACGシステムは基本的に、ユーザーが教師やカウンセラーに頼らずself・help

(自力)で使用することを前提に作られている。しかし、コンピュータがすべて人 間の代わりをすることは不可能なことである。もちろん、コンピュータが人間より も優れたところがあるのは言うまでもないことである。そこで、コンピュータと人 間、つまりCACGシステムとキャリアガイダンスの実践者(教師・カウンセラー等)

との役割分担やCACGシステムをカウンセラー等がいかに効果的に活用するかと いう問題を考えていかなければならない。

 この問題について、柳井他(1990)80はガイダンスにおけるコンピュータの機能・

役割やガイダンス過程におけるコンピュータとカウンセラーの位置づけについて言 及している。まず、コンピュータがガイダンスに果たす役割について、インフォメ ーションシステム(computerbased in50rma七ion system)とガイダンスシステム

(computer・based guidance system)の違いを強調する。前者は、職業や教育・学 校に関する情報を揃えて来談者に提供するところに重点が置かれ、後者は、来談者

自身についての自己評価資料をコンピュータによって集め処理し、それにマッチす るようなタイプの職業や仕事を探索することが重視される。両者の違いはTable 226のようにまとめられている。SIGI PLUS、 DISCOVER、 CHOICESはガイダ

Table 2.26 インフォメーションシステムとガイダンスシステムの違い Infonnation System  Guidance system

1.個人についての自己評定情報 作らない 作る

2.日々の労働市場・就職情報 作る 作らない

3.個人のキャリア計画援助 しない する

4.個人情報の保存管理 しない する

80柳井他 1990 米国に於ける大学入学者選抜方法および進学指導に関する調査研究 平成元 年度文部省科学研究費補助金(国際学術研究)研究成果報告書

ンスシステムにあたるとしている。CHOICESの場合は当初、インフォメーション システムとして開発されたが、その後の改訂でガイダンスシステムの機能が備えら れ、今では両者を統合した理想的なシステムとなっている。ガイダンス過程おける コンピュータシステムとカウンセラーの位置づけについて、ハリス=ボウルズビィ を引用して、Table 2.27のように整理している。

        Table 2.27 キャリアガイダンスの段階とモデル

段  階 各 段 階 の 説 明 I G C  O

1.キャリア計画の準備 キャリアについての計画・情報集め・意思決定の準 備ができる

◎ ○

2.自己評価データの作成 1に関連して自分についての評定データ(興味・価 値・適性テストなど)を収集する

◎ ◎

3.関連職業の探索 自己評価データとそれに関連する職業を探す ○ ◎ ◎ 4.特定職業情報の収集 検索されたいくつかの職業とそれに必要な教育情報 ◎ ◎

を知る

5.意思決定のスキル向上 意思決定のスキルを磨く ◎ ◎ ◎

6.現実性への配慮 いくつかの可能な候補に対してその現実性、実現性 を考慮する

b ◎

7.実行行動の対策 選択した方向に向けて実行にかかる ◎ ◎ ○

1:

G:

C:

0・

Computer based information system Computer based guidance system Counselor

Others(学校・家庭・職場経験)

◎: 第1次的役割

○: 第2次的役割

   (Harris−Bowlsbey, 1985     柳井他,1990より再引用)

Table 2.27では、1の段階ではカウンセラーの役割が、4・7の段階ではコンピュ ータシステムの役割が重視されている。6の段階は現実吟味ということで、「その他」

の役割が重視されているが、これは日本の学校進路指導では啓発的経験にあたる。

2・3・5の段階ではCACGシステムとカウンセラーないしは教師が絡んでくる部 分となる。この点について柳井他(1990)は、コンピュータの出力情報をそのまま学 生に渡せばよいということではなく、カウンセラーがその翻訳を行うという例を挙 げているが、コンピュータ・ガイダンスの各段階でのカウンセラーのかかわり方に ついては言及していない。そこで、次のような流れを考えてみた。1の段階でカウ

ンセラーはレディネス形成と問題の明確化を行ってガイダンスの流れを説明し、2 では自己理解の目的と意義を語って、コンピュータを利用してクライエントに自己 評価を行わせ、その結果について話し合う。カウンセラーは必要に応じて結果の解 釈を行う。3では2の結果をふまえながら、クライエントの意向を確認しながら職 業(キャリア)の探索を行う。具体的には、北米のシステムのように検索する条件 について話し合って入力する。4では検索された結果について話し合う。5では意

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思決定のスキルについて認知面はコンピュータが強化し、情緒面ではカウンセラー が支え、実際の行動面は教育の場で強化する。「6.現実性への配慮」では、カウン セラーはクライエントに現実性や実現性の検討のために調査や試行等を行うことを 勧め、そのための助言を行う。事後にその結果を聞き、「7.実行行動の対策」でコ

ンピュータシステムの情報を利用しながら、クライエントが選択した方向を支援す る、いう具合である。

 柳井他(1990)は、カウンセリングを完全にコンピュータに依存しないためにも、

コンピュータシステムを完全にカウンセラーの管理下に置くべきだと主張している。

そこで、コンピュータの活用を前提としていないキャリアカウンセリングのプロセ スからTable 2.27について検討を試みることにする。 Table 2.28はサンタマリア Santamaria, J.0.(1993)が整理したキャリアカウンセリングのプロセスである81。

Table 228 キャリアカウンセリングにおける段階と目標 段 階

カウンセリングの目標

1.自己表現 ラポートの確立。クライエント(以下、CL)に抱えている問題とそれに対し て感じていることを表現させ、Cしの視点に立ってカウンセラー(以下、 CO)

は状況を観る。

2.自己理解 Cしの本当の問題を明らかにして、 Cしが他人の視点に立って状況が観ること ができるように助ける。

3.意思決定 1)選択可能性 の確認ととりう るコースの発見 2)正確で妥当 な情報入手

3)結果の検討

1)Cしがとりうる選択の可能性、とるべきコースを決定するのを助ける。

2)選択可能性のそれぞれについて、正確で信頼にたる情報収集するよう

CI」に働きかける。

3)(1)それぞれの選択肢をとった場合の結果をCしが認識することを助ける。

(2)Cしが自分の欲求、価値、興味、態度といった見地からそれぞれの選択肢 を比較検討するのを助ける。(3)選択可能性をもつ選択肢の中からCしが決断 を下すのを助ける。

4.目標の設定/

 行動計画策定

(1)Cしが現実的で達成可能な職業上の目標を設定するのを助ける。

(2)ステップ・バイ・ステップの行動計画を立てるよう薦める。

(3)行動計画について期限を決めて報告することをCしに同意させる。

5.追指導 行動計画が実行できたかどうかCしに報告させる。カウンセリング・セッシ ョンの有効性についてCしにフィードバックさせる。

81Santamaria, J.0. 1993 0∂rθθr Oo召.η5θ1∫η8 0∂5θ5ヨηげ距6乃ηfgαθ5,2面Edf孟ゴ。η.(佃監:

訳 19971管理者のためのキャリア・カウンセリング入門一事例と技術一 文化書房博文社)

本書はカウンセリングや心理学を学んだことのない会社の管理職(課長や係長)のために書かれ たものである。本書では,管理職・会社の職員となっている部分を,Table 2.28では各々カウンセ ラー(CO)・クライエント(CL)と書き直してある。 Table 2.28のプロセスは,どんなカウンセリン グでも用いられるような一般的なカウンセリングの様式から成り立っていると著者は解説して

いる。

Table 2.28を見ると、カウンセリングの各段階でカウンセラーでないとできないこ ととコンピュータシステムが威力を発揮できる部分があることに気づく。「1.自己 表現」や「2.自己理解」、「5、追指導」はカウンセラーでないとできない部分で ある。「3.意思決定」では、1)選択可能性の確認ととりうるコースの発見は、コ ンピュータが得意な部分である。2)正確で妥当な情報入手も、コンピュータが即 座に威力を発揮できる部分である。これがコンピュータを用いないカウンセリング の場合は、カウンセラーが宿題として指示を行ってクライエントの行動に委ね、次 回のセッションで確認することになる。3)結果の検討においては、(1)と(3)はカウ ンセラーが担当する。(2)に関しては北米の3つのシステムは対応できるように設計 されている。同様に、「4.目標の設定/行動計画策定」の(1)、(2)も北米のシステ ムは対応可能ではある。しかし、この段階は、クライエントが問題を自力で解決し ようと次のスデップに踏み出す段階なので、カウンセラーのフェイス・トゥ・フェ イスの支えが必要である。(3)はもちろんカウンセラーでないとできないことである。

 室山(1992)は、ハリス=ボウルズビィが提唱する、カウンセラーとコンピュータ による相互ガイダンス・モデルを訳出した。それを次ページのFig.2.53に示す。こ のモデルでは、カウンセラーはガイダンスの流れの中で、コンピュータの提供する 種種の情報の解釈、活用、アドバイスを行う役割を果たしている82。室山(1998)は

このモデルの詳しい解説を次のように行った。83

 まず、システムの使い方や目的などについては、カウンセラーが解説を行 う。そして、その後、自己理解の材料となるような種々の検査をコンピュー タで実施する。その結果についての説明や解釈についてはカウンセラーとの 話し合いがもたれる。次に、システムを使って、職業情報の検索と情報の入 手が行われる。得られた情報については、カウンセラーが本人の興味や能力 や価値観などと照らして一緒に検討したり、アドバイスを与える。ユーザー のもつ特徴と、将来の職業の方向づけのすりあわせが済んだ段階で、具体的 な、将来のキャリアプランに関連する情報をコンピュータを利用して入手す る。そして、最終的に、キャリアプランの作成の段階では、カウンセラーの 援助が受けられる。

 このモデルを提示するにあたって、ボウルズィは、コンピュータがカウン セラーの役割を代替できるかを議論するよりは、コンピュータの利用によっ てガイダンス全体の流れの効率化をはかり、カウンセラーによる相談の時間 を多く取れるようにすることが重要であるとも指摘している。

82室山晴美 1992 アメリカ、ドイツ、イギリスの職業指導、適職探索システムの概観 日本

労働研究機構研究紀要,3,13・28.

83室山晴美 1998 CACGシステムの開発過程と代表的なMaxi System 日本労働研究機構編 資料シリーズ76 コンピュータと進路指導 11−57.

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