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 「職業や就職の要件」・「資格」・「就職先」・「上級職」

Career Voyage  (特に独自の職業情報はない。)

情報は、1)仕事内容、2)職業興味や好み、3)必要とされる個人的資質、4)教育訓練 情報、5)さらなる情報の問い合わせ先(入手先)や情報源である。この5つはCACG

システムの最も基本的な職業情報ということになるのだろう。Career Voyageはこ の5つの情報のみを提供しており、他のシステムと比べて職業情報の種類が少ない。

しかも、職業情報画面もシート1・2枚分であり、一つ一つの職業の情報量も少な い。Career Voyageは職業興味を中心とする個人特性と適職を明示することに重点 を置いているシステムと言えるかもしれない。他の4つ、特に北米の3つのシステ ムは互いに共通する情報の種類も多い。Table 2.24を見ると、SIGI PLUSとChoices は独自の職業情報が目立つ。両者は職業情報の種類が細分化されているためという こともあるが、SIGI PLUSの場合、「社会への貢献」・「リーダーシップ」・「名声の

レベル」・「余暇や自由な時間」・「仕事の独立性」・「仕事の変化」・「安定性」という 職に就いた際の個人的な満足に関する独自の情報が充実している。これは、自己評 定での価値観検査の内容に対応するものである。また、「収入,所得,給料」の情報 も詳しい。Choicesの場合は「職場,雇用者,産業」・「他の職業に転移可能な技能」・

「職業分類」・「DPT分類」73・「NOC技能領域」74・「身体的な活動」など職業や職 務そのものに関する情報が多いのが特徴である。JOBS2では、「就職先」として具 体的な機関や団体名、業界が情報として提供される。小国ならではの情報といえよ

う。また、ある職業の「上級職」の職業名リストも示される。これは政府の入的資 源開発政策にも合致するものとみられ、国民の上昇志向を促進する情報のように思

われる。

73職業を,データ(Data)・ヒト(Peopleγ・モノ(Things)という職業の主たる対象で分類したもの。

74NOC(Nationa10ccupational Classification)は,カナダ人的資源開発省(労働省,Department of Human Resources Development)による職業分類である。

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 第四に、インターネットとの接続について述べる。SIGI PLUS、 DISCOVER、

CHOICESにはインターネットへの接続ができる設定のものがあり、システムの画 面から学校や職業、就職斡旋所等のウェブサイトへ直接アクセスできる。また、シ ステム自体がインターネットを介してアクセスするものが開発されている。その例 がDISCOVER for Middle SchoolsやeChoices、 Career Explorerである。 JOBS2

やCareer Voyageは画面から外部のウェブサイトにアクセスすることはできない。

しかし、Career Voyageを販売しているJIIG−CAL AUSTRALIA社では現在、ウェ ブベースの成人版を開発中ということである75。

 今後のCACGシステムを展望すると、情報提供がソフトウェアだけで完結するの ではなく、外部のウェブサイトへの接続は必須であり、さらに、システムのウェブ ベース化という路線が鮮明なものになっていくと予想される。ブロードバンドの進 行と普及に対応して、開発元としては一気にシステムのウェブベース化を進めたい ところだろう。その方が、ソフトウェアの媒体の容量に左右されずにデータを増や すことができるし、システムの改訂にもコストがかからない。また、顧客のシステ

ム更新等のメンテナンスの手間もかからない。また、導入する側としてもインター ネット(ブラウザはInternet ExplorerかNetscape Navigation)の接続及びEメ ールのアドレスさえあれば導入でき、ソフトウェアの導入のときのようにハードデ ィスクに大量に使用して保存する必要もない。ただし、ヴェブサイトは基本的に無 料という消費者心理を考えると、企業戦略上、まず形のある商品であるソフトウェ アで実績を重ねて、徐々にウェブベースに移行させていくであろう。この方向性を 最もはっきりと示しているのが、CHOICESの開発・販売を行っているBridge.com 社で、現在、商品のラインアップにCD・ROM版のソフトウェアとインターネット 版が並存している。eChoicesは、ソフトウェアのChoicesのインターネット版であ

るが、さらにインターネットの特性を生かした電子雑誌の配信や質問箱、チャソト のサービスを付加した76上で、Choicesと同額(1300カナダドル)で提供している

のである77。

 第五に、マルチメディア化への対応である。5つのシステムのうち最も進んでい るのがDISCOVERである。動画ビデオの職業情報等が標準装備されており、音声 によるガイドも整っている。CHOICESでは、 Career Clipsに200以上の職業の動 画情報を収めている。これは4枚のCD−ROM(合計容量1.8GB)だが、単体で利 用するのではなく、ChoicseやChoices CT、 Career Futureのマルチメディア・オ プションとしてセットで使う設定になっている78。他は、JOBS2が音声によるガイ

ドがなされる程度である。今後は、動画情報の有無がシステムの評価にかかわって くるものと思われる。

75JIfG・CAL AUSTRALIA社のJohn James氏からのEメールでの情報による。

760nline(2001)http:〃www.bridge.com/canada/cdn_main.htm

770nline(2001)http:〃www.careerware.com/products/canada/eChoicesca。HTM,

http:〃www.careerware.com/products/canada/choiccdn.htm

780nline(2001)http:〃www.caree罫ware.com/products/canada/CDNcareerclip.HTM,

http:〃www.careerware.com/NEWSICANADAIWhatsnewsca.HTM

 最後に、システムの動作環境をTable 2.25にまとめた。SIGI PLUSとDISCOVER、

Choicesは各々のウェブページ79から情報を収集し、主としてWindowsのスタンド アロン型コンピュータについて記載した。JOBS2とCareer VoyageはCD−ROMの 記載事項などから情報を収集した。表の空欄は上記のものに記載されてない事項で

ある。

Table 225 動作環境の比較

SIGI PI.US  DISCOVER Choices 」OBS2  Career Voyage

OS Windows 95,98,NT 95,98w, NT 95以上, NT 95 95,98,NT Macintosh System7 System7,5以上

プロセッサ

(CPU)

Pentium H 486/66MHz 以上    Pe−tium       100MHz以上

486/66  Pentium

MHz

以上 RAM(メモリ) 16MB 16MB,32MB  16MB(Win)   8MB

       32MB,64MB

       (Mac)

32MB

空きHDスペース 40MB 26MB,43MB  55MB 25MB

サウンドカード 16−bit, DirectX

16−bit

Sスピーカー

ディスプレイ SVGA SVGA

SVGA VGA SVGA

グラフィックス 256色 256色 256色 256色

ビデオカード

インターネソト 要接続 要接続 要接続

まず、OSについては5つともWindowsヴァージョンがあり、Macintoshヴァージ ョンがあるのはDISCOVERとChoicesだけである。 DISCOVERのWindowsヴァ ージョンは、プロセッサPen七ium 100MHz以上、 RAM32MB、空きHD(ハードデ

ィスク)スペース43MBを推奨している。 ChoicesのMacin七〇shヴァージョンは RAM64MBを推奨している。メモリやハードディスクへの容量からしても、Choices やDISCOVERはデータ量が大きいことが推定される。サウンドカードやS(ステ レオ)スピーカーについて記載があるのは、音声のガイドがあるDISCOVERと JOBSだけである。ビデオカードの記載があるのは、動画情報が標準で収録されて いるDISCOVERだけである。インターネットへの接続を求めているのは、北米の 3つのシステムである。

79SIGI PLUS:http:〃www.ets.org/sigi/s1αhtml

 DISCOVER;

  http:〃www.act.org/discover/tech/win.ht皿1, http:〃www.act.org/discover/tech/mac.html  Choices:http:〃www.careerware.com/products/canada/choiccdn.htm

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2.4.2 JOBS2とCareer Voyageの特色

 これまで5つのシステムについて比較を行ってきたが、ここで本節の目的の一つ であるJOBS2とCareer Voyageの特色についてまとめておきたい。

 まず、両者に共通しているのは、システムの構成であり、「導入」・「自己評定」・

「キャリア情報」はあるが、北米のシステムのような「意思決定」と「計画と準備」

がなく、簡易的ではあるがわかりやすいシステムである。インターネットへの接続 も現行版では実現されていない。職業の探索や適職の検索もアセスメントで得られ たユーザーの情報のみで行われ、北米のシステムのようにユーザーが様々な条件を 選んだ上で検索するようにはなっていない。しかし、」OBSとCareer Voyageはま だ歴史が浅いので、今後の改訂に期待していきたい。次に、個々の特色について述 べることにする。

1)」OBS2

 自己評価(アセスメント)は、興味・能力・価値観を対象にしたオーソドックス な構成になっている。内容的にはSIGI PLUSと共通するところがある。質問数も 多すぎず日本人向きといえるかもしれない。音声によるガイドがなされるのも良い 点である。収録職業数は少なめだが、職業情報の種類は肝心なところは押さえてお り、他のシステムには見られないシンガポールならではの情報もある。本節や第2 節でも述べたように物足りない面もあるが、アジア初のCACGシステムとして今後

に期待したい。

2)Career Voyage

 まずは、他のシステムと異なり、ユーザーをクライエントと呼んでいるところが 興味深い。導入の部分で、クライエントが仕事の技能レベル及び教育訓練レベルを 選択し、それによって質問内容や適職を検索する職業の範囲が変わってくるところ は、他のシステムと大きく異なるところである。自己評価(アセスメント)では、

まず、興味検査を中心としたモジュール(ln七eres七Guide)があり、その結果が適職検 索のための情報として使われるだけでなく、クライエントに結果自体を提示すると ころが特徴的であり教育的であると感じる。質問数がChoicesに次いで多いため、

筆者は開発元にその旨指摘したところ、質問数を減らすのは質問紙の信頼性にかか わる問題である旨回答があった。2つのモジュールでの質問の回答時間は45分とい

うことだが、これは日本人だと耐えられないものと思われる。また、もう一つのモ ジュール(Job Suggestions)では、他のシステムにはない質問項目がある。例えば、

勤務時間や活動形態、服装、人々との交流、危険、悪条件の仕事への対処能力、健 康などかなり実際的な仕事の条件をアセスメントに用いているところに独自性があ る。そして何といっても最大の特色は、クライエントと職業の適合度の得点が示さ れ、その得点順に適職リストが提示されるところである。Career Voyageが個人特 性と適職を明示することに重点を置いているシステムだと既述した理由はこの点に