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MMI 導波路結像の一般原理

ドキュメント内 九州大学学術情報リポジトリ (ページ 34-42)

第2章 アクティブ MMI 型光 RAM メモリ素子の基本原理

2.2 MMI による横モード結像の基本原理

2.2.1 MMI 導波路結像の一般原理

本項の説明は論文[1]に基づいている。図2.3(a)に示すようなy方向に一様な構 造をもつスラブ導波路で、TE波がz方向へ伝搬する時の各モードのフィールド 分布と伝搬定数を考察する[1]。クラッド層の屈折率は nc、コアの実効屈折率は nr、導波路の実際の幅は WMMI、グースヘンシェンシフトを考慮した仮想的な導 波路の幅、即ち導波路の実効幅は Weである。二次元のスラブ導波路の TE 波は コアの中で

2 0

2 2 0 2 2 2

=

∂ + +∂

y r y

y k n E

z E x

E (2.1)

29

0 0

2 λ k = π

x jk x

jkx x

e

e Β

Α +

を満たす。あるモードにいて考えると、モードは z方向に e-jβzの依存性を持ち、

x 方向の依存性を で表すと、式(2.1)は

(2.2) となる。ここで、

(2.3) である。モードの次数をiとすると(i=0,1,2,…), 図2.3(b)よりkxは次のような形 で書ける。

(2.4) ここで、Weは導波路の実効屈折幅で、TEモードの時、

(2.5)

である。

式(2.2)から伝搬係数を求める。

図2.3 (a) y方向に一様な構造をもつスラブ導波路。(b) i=0,1の場合のx

方向のフィールド形状。

(a) (b)

WMMI We

x z

0 x

We

i=0

i=1

2 2 0 2 2

r

x β k n

k + =

e

x W

π k = (i+1)

12 2

0)( 2 )

( −

+

MMI r c

e n n

π W λ

W

30

i π

L π i β i

β 3

) 2 (

0

≅ +

0 2

1

0 3

4 λ

W n β β π π

Lr e

= −

式(2.6)は各モードの伝搬定数とモード番号 i に関係する二次式で近似されて いることが分かる。式(2.6)を利用して二つのモードのビート長を求めることがで きる。0次モードと1次モードのビート長Lπを次のように定義する[1]。

(2.7) 同様に0次モードとi次モードの伝搬定数差は

(2.8)

である。直線状導波路における任意フィールドは、モードの重ね合わせで表現 できる。式で表現すると、

(2.9) である。0次モードの位相を基準に考えると、他のモードと0次モードの位相差

は(2.10)のように表される。

(2.10)

即ち、 L z

π i ji

e 3 π

) 2 (+

は伝搬による位相差を表している。例えば、あるz位置において、

式(2.10)の値がすべてのモードで 1(中括弧の中が 2πの整数倍)となる時、入射端

と同じ形の像が形成される。

通常のMMI導波路の結像条件は

=

i

βz j i i

y x z c φ x e i

E ( , ) ( )

+

= =

i

L z π i ji i i i

β β j i z i

β j

y i π

φe c φe

e c z x

E ( ) (3 2)

0 0

) , (

2 0 2 0

12 2 2

2 0

2 2

2 0 2 2 2 0 2

4 ) 1 } (

) 1 {(

) } 1 {(

e r r

e r

e r

x r

W n

πλ n i

W k π n i

β k

W π n i

k k n β k

− +

 ≈

 

 +

=

− +

=

=

(2.6)

31

(2.11) である。光モードが MMI 入射して、MMI で伝搬して同じ形で結像するために

は、 L z

π i ji

e 3 π

) 2 (+

が2πの整数倍になる必要がある。即ち、

(2.12)

になる必要がある。この条件を満たすためには、LMMI =n⋅3Lπとなる必要があ る入射位置が左右対称時の結像条件は

(2.13)

である。入射が左右対称の時、マルチモード導波路長が 1/4 の大きさで 1xN 分 岐構造が実現可能となる。即ち、

(2.14)

になる必要がある。そのため、LMMIは式(2.13)を満たす必要がある。

M 個入射で、N 個出力がある MMI 導波路において、入射した光を関数 fin(x) として表す場合、 Lπ

N

LMN = M 3 位置での出力関数はfout(x)の形で表すことができ る[5]。

(2.15) ただし、

] ) 2 ( exp[

3 ] ) 2

exp[ ( L j i i π

L π i

ji MMI

π

+

⋅ + =

π

MMI n L

L = ⋅3

4 3 π

MMI

n L

L = ⋅

4 ] ) 2 exp[ (

3 ] ) 2

exp[ ( i i π

j L L

π i

ji MMI

π

⋅ + + =

N π q M N φ q

N W N M q x

q q

) (

) 2 (

=

=

=

= 1

0

) exp(

) 1 (

) (

N

q

q q

in

out f x x

x C f

32

である。ここで、q は 位置での結像の数、xqは入力光より出力光 がx方向での位置ずれ、φqは入力光と出力光の位相差を意味している。ただし、

Cは係数であり、像が逆位相で重なる時は、打ち消し合う、C = N である。こ の時、出力された各モードのパワーは

(2.17) と表す。

2.2.2 0次モードと1次モード光の結像

続いて我々が提案しているMMI導波路での0次モードと1次モードの伝搬の 様子について説明する。横モード間双安定レーザーを実現するには、0次モード 光と 1 次モード光が図 2.4 のように共通ポートから入射して、それぞれ異なる

π N L LMN = M 3

図2.4 MMI横モード双安定レーザーの0次モードと1次モード光の伝搬 予想図。0 次モードと 1 次モード光が共通ポートから入射され、

MMI導波路中心部で自己干渉を行い、異なるポートから出力され ると考えられる。

2

) exp(

) 1 (

)

( =

in q q

out f x x

x C P

] exp[

) exp(

1

0

0

=

+

= N

q

q q

MMI

W π x j β L

j

C (2.16)

33

ポートから出力する必要がある。しかし、実際に 0 次モード光と 1 次モード光 が同じ入射位置から入射して、MMI 導波路内で干渉しながら伝搬し、ほぼ対称 して出力するのを実証することが難しい。そこで、我々はMMIの結像の条件に 基づいて、MMI導波路の幅と長さを決め、光の入射位置と出力位置を指定して、

それぞれの出力位置での各モードの出力パワーについて計算した。もし、0 次 モード及び 1 次モードの光の各自の出力端から出力されるパワーが同じであれ ば、独立した二つのモードとして伝搬できると考えられる。

解析をより簡単にするために、図2.5に示すように光のモード関数を-Wから W の範囲まで拡張して、-x 側は奇対称な形になるとし、境界条件 f(-W)=f(W)を 満たすと仮定する[5]。M個入射光のN 個出力があるMMI 導波路において、入 射した光を関数fin(x)として表す場合、位 置での出力関数はfout(x) が、

π N L LMN = M 3 1次モード

W x

-W 0

0次モード fin(x)

-fin(-x)

図 2.5 光のモード関数を-W から W の範囲まで拡張する時の説明図。

光のモードは-x側は奇対称な形になると仮定する。

=

= 1

0

) exp(

) 1 )(

1 ( ) (

N

q

q q

q in

out f x x

x C

f (2.18)

34

であることを仮定する。MMI 導波路の幅をWとし、長さを3/4Lπとして、入射 ポートの位置がx方向の W/4の時、出力側のx方向の W/4と3W/4の位置での 出力パワーを計算する。ここで、コア層とクラッド層の比屈折率差が高いため、

導波路の幅を実効幅として仮定する。MMIの長さを3/4Lπとしているため、M=1 で、N= 4である。入力関数fin(x)がx方向のW/4位置から入射する時、伝搬方向 のLMMI=3/4Lπ位置において、q、xqφqの値はそれぞれ(q=0, xq=-W, φq=0)、(q=1, xq=-W/2, φq=3/4π)、(q=2, xq=0, φq=π)、(q=3, xq=W/2, φq=3/4π))の四つの値を持つ。

x>0領域のみ考えると、

(2.19)

となる。これらのモードを重ね合わせると、伝搬方向がLMMI=3/4Lπ位置におい て、x方向のW/4の付近の出力関数は

となり、出力パワーPは

である。同じように、3W/4付近の出力関数及びパワーは





 + − + + − −

= )

4 exp( 3 2 ) ( ) exp(

) ( 4 )

exp( 3 2) ( ) 1 (

)

( W j π

x π f

j x π f

W j x f W x C f

x

fout in in in in





− − − − +

= )

2 1 2 ( 1

* 2 ) ( ) 1 (

)

( W j

x f x C f

x

fout in in (2.20)





 + − + − +

= )

2 1 2 ( 1

* 2) ( ) 1 (

)

( W j

x f W x C f

x

fout in in (2.22)

(2.21)









 −

 +





 − −

=

+

− +

=

=

2 2

2 2

2

2 ) 2 (

) 1 ( 2

2 ) 1 4 (

1

2) 1 2 ( 1

* 2) ( ) 1 (

) (

x W W f

x f x

f

W j x f x C f

x f P

in in

in

in in

out

35

である。0次モードの場合は、fin(x) = fin(x-W/2), fin(x+W) = -fin(x-W/2)の関係が、1 次モードの場合は、 fin(x) =- fin(x-W/2) fin(x+W) = -fin(x-W/2) の関係がある。

式(2.20~2.23)を用いて x=W/4x=3W/4 の出力位置において各モードのパ ワーを計算した結果を図2.5に示す。W/4出力位置において、0次モードと1次 モードのそれぞれの出力パワーは(2.24)のように表される。

0次モード出力パワー: 0 ) ( )2 2

2 2

( f x

P = + in (2.24a) 1次モード出力パワー: 1 ) ( )2

2 2 2

( f x

P = − in (2.24b) 3W/4の出力位置においての0次モードと1次モードのそれぞれの出力パワー

は(2.25)のように表される。

0次モード出力パワー: 0 ) ( )2 2

2 2

( f x

P = − in (2.25a)

1次モード出力パワー: 1 ) ( )2 2

2 2

( f x

P = + in (2.25b) これは、0次モード光はx=W/4の位置からMMIに入射する時、x=W/4に出 力位置では入力パワーの約 85%、x=3W/4 の出力位置では入力パワーの約 15%

の出力があることを意味している。1次モード光は、0次モード光と逆でx=W/4 に出力位置では約 15%、x=3W/4 の出力位置では 85%の出力がある。アクティ ブMMIの発振は各経路の利得について考える必要があって、経路間の利得差が 3dB以上であれば、利得が高い方が安定した発振動作が期待できる[6]。0次モー ド光の場合、x=W/4 から出力される経路が x=3W/4 から出力される経路より









 +

 +





 + + +

=

2 2

2) 2 (

) 1 ( 2

2 ) 1 4 (

1 W

x W f

x f W

x f

P in in in (2.23)

36

70%以上強い、即ち二つの経路の利得差が7dB以上であるため、x=W/4の経路

が安定した発振となると考えられる。同じ原理で、1次モードはx=3W/4の経路 が安定した発振となる。その為、0次モードと1次モードの発振はそれぞれ独立 して、異なる経路を通って異なるポートから出力できると考えられる。

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