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低閾値電流化設計原理

ドキュメント内 九州大学学術情報リポジトリ (ページ 115-119)

第5章 低閾値電流化の検討

5.2 低閾値電流化設計原理

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けなくても比較的に広いヒステリシス幅が実現できる可能性を示して、アク ティブMMI横モード双安定レーザーの更なる低閾値電流の実現について議論す る。

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なるモード間相互利得抑制領域割合及び異なる可飽和吸収領域長を持つ試作素 子から得られた実験結果を用いて、可飽和吸収領域と閾値電流の関係、相互利 得抑制領域割合とヒステリシス幅の関係を解析して、低閾値電流とともに広ヒ ステリシス幅が実現のための設計について検討して見た。

今回分析に使われた試作素子の詳しい構造を表5.1に示す。そして、表5.2に 三つのタイプから得られた電流ー光出力特性についてまとめた。この表で、LSA は可飽和吸収領域長、Гoverlap はモード間相互利得抑制領域割合で、LtotalLinLMMI

Loutはそれぞれ、素子の全長、入力ポート長、MMI領域長、出力ポート長である。

WMMIはMMI領域の幅で、Wportは入力ポートの幅である。Ithは閾値電流で、Whys

はヒステリシス幅である。∆Ihysはヒステリシス幅対閾値電流比で、図5.1にその 概念説明図を示す。素子の低閾値電流化に伴うヒステリシス幅の変化をより正

表5.1 試作素子の構造 LSA

[μm]

Гoverlap

[%]

Ltotal [μm]

Lin [μm]

LMMI [μm]

Lout [μm]

WMMI [μm]

Wport [μm]

50 76 305 116 123 66 7.4 2.7

50 64 355 116 123 116 7.4 2.7

75 62 355 91 123 141 7.4 2.7

表5.2 試作素子の電流ー光出力特性 Гoverlap

[%]

LSA [μm]

Ltotal

[μm] Ith [mA] Whys [mA]

∆Ihys [%]

76 50 305 53 23 43

64 50 355 50 10 20

62 75 355 60 18 30

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確に表すためにこの概念を導入した。通常、素子の高集積化の際、10%以上の

∆Ihys

図 5.2 に得られた可飽和吸収領域と相互利得抑制領域割合と閾値電流との関

係をグラフに示す。横軸は可飽和吸収領域長で、縦軸は閾値電流値である。図 5.2から、可飽和吸収領域の短縮と伴い、素子の閾値電流が線形的に低減される ことが分かる。これは可飽和吸収領域が短いほどキャビティの内部損失が少な くなり、結果として閾値電流が低減されると考えられる。その一方、相互利得 抑制領域割合の増大による閾値電流の大きな変化は見られていない。この結果 から、素子の閾値電流は主に可飽和吸収領域によるキャビティの内部損失に依 存して、相互利得抑制領域割合とは直接関連がないと考えられる。これらの分 析より、素子の閾値電流を低減するには、可飽和吸収領域を短くするのが有効 だと考えられる。図5.2に示した結果から、40mAより低い閾値電流を実現する には、可飽和吸収領域の長さを30µmより短く設計する必要がある。

確保できれば、全集積素子の同一動作電流の設定が可能だと考えられる。

Ith

Output power [a.u.]

Whys

∆Ihys [%] = (Whys / Ith)*100%

Injection current [a.u.]

図 5.1 ∆Ihysの概念説明図。素子の高集積化の際、10%以上の∆Ihysが確保で きれば、全集積素子の同一動作電流の設定は可能だと考えられる。

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可飽和吸収領域長を 30µmより短く設計した場合、10%以上の対閾値電流比

(∆Ihys)のヒステリシス幅を確保するために、充分なモード間相互利得抑制領域の

割合を確保する必要がある。図5.3にモード間相互利得抑制領域と可飽和吸収領 域と∆Ihysとの関係グラフを示す。横軸はモード間相互利得抑制領域割合で、縦 軸は∆Ihysである。図5.3より、可飽和吸収領域を同じ長さに設定した場合、∆Ihys はモード間相互利得抑制領域割合の増加に伴って線形的に増加されていること が分かる。これは 2 章で理論分析した、モード間の相互利得抑制領域の増加に よって相互利得抑制係数が大きくなり、結果としてヒステリシス幅が広くなる 結果と一致している。可飽和吸収領域を 50µmと 75µmに設けた時、相互利得領 域割合の変動によって得られた∆Ihysの変化傾向から、可飽和吸収領域が25µmに

図 5.2 可飽和吸収領域と相互利得抑制領域割合と閾値電流との関係のグラ

フ。可飽和吸収領域の減少に伴って、素子の閾値電流は線形的に低 減される。相互利得抑制領域割合の増大による閾値電流の大きな変 化は見られていない。

Гoverlap = 76%

Гoverlap = 64%

0 25 50 75 100 Saturable absorber length LSA[μm]

80

60

40

20

0 Hysteresis threshold Ith [mA]

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設ける時の傾向を見積もって、図5.3にその推測傾向ラインを虚線として表した。

この推測ラインから、可飽和吸収領域を25µm とした場合、10%以上の∆Ihysを確 保するためには、モード間の相互利得抑制領域割合は少なくとも 60%以上を確 保する必要があると考えられる。

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