第3章 横モード間光双安定動作原理の実証
3.3 実験による動作原理の実証
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図3.5 素子の小型化と伴って得られるモード間の相互利得抑制領域の変 化の傾向グラフ。横モード間双安定動作原理の適用によって、素子 は小型化しても大きいな相互利得抑制領域が得られる。
0 100 200 300 400 Total length [μm]
相互利得抑制領域[%]
100 80
60
40
20
0
横モード間双安定 既報告
型化の際には、十分に広いヒステリシス幅が確保できると考えられる。
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化があるので、MMI デバイスの中で光モードの結像位置が変わって、光が設計 通りに伝搬しない可能性もある。そのため、実際にシミュレーションで使った 同じパラメータの素子を設計試作して、その動作特性について実験で検証する 必要がある。この小節では、まず素子の設計試作の方法について説明して、実 験により素子の動作特性評価結果について示す。
3.3.1 素子の設計試作
3.2 節で説明したシミュレーションの結果に基づいて、素子の設計を行った。
素子の全長を550µm にし、MMI長275µm、MMI幅10µm、入力ポートの幅を4µm とした。二つの光モード間の相互利得抑制領域が100%達していないため、75µm の可飽和吸収領域を設けた。図3.6(a)に設計した素子の詳しい構造を示す。素子 の活性層はInGaAsP/InP-MQW(波長1.55µm,7重量子井戸)とした。多重量子井戸 はInP基板の上で結晶成長を行った。素子の導波路構造はリッジ型とし、BCB(ベ ンゾシクロブテン)を埋め込むことで、コア層とクラッド層を作った。図 3.6(b) にMQWを用いたリッジ型導波路の構造図を示す。
ウェハの結晶成長にはMOVPE(有機金属気相成長法)を用いて層構造を形成し た。素子の試作はi線ステッパを用いて導波路構造パターニング用マスクを形成 し、そののち RIE 法によってリッジ導波路構造を形成した[8-11]。図 3.6(c)に一 つのチップにした素子の端面写真を示す。チップのサイズは550×300µmである。
試作した素子の動作特性を評価するために、まず AlN 材のヒートシンクに熔着 した後、特注したステムに熔着した。
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3.3.2 試作素子の実験実証結果 [3]
まず、双安定特性を表す素子の電流ー光出力特性について評価した。素子に 0
から130mAの電流を注入した後、続いて130mAから0mAの電流を注入してか
ら、0次モード光と1次モード光の出力をそれぞれ測定した。図3.7に素子の電 流ー光出力特性の評価結果を示す。試作素子は双安定特性を表わし、約 104mA で発振し、閾値より低い電流でも発振し続け 96mA まで発振していて比較的に
n-InP Cladding Layer
(a)
図3.6 試作した素子の構造図。(a) アクティブMMI双安定レーザー導波 路構造図。(b) MQWを用いたリッジ型導波路の構造図。(c)試作し た素子の端面写真。
(b)
InGaAsP/InGaAsP (c) MQW Active Layer
(λ=1.55µm)
InP基板 p-InP Cladding
Layer
275µm 10µm
4µm
4µm 4µm
80µm
可飽和吸収領域 75µm 195µm
550µm
BCB
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70 80 90 100 110 120 130 Injection current [mA]
0th mode 1st mode CW@25oC
Output power [dBm]
5
0 -5 -10 -15 -20 -25
図3.7 試作素子の電流ー光出力特性(双安定特性)。試作素子は双安定特
性を表わし、約104mAで発振し、閾値より低い電流でも発振し続 き96mAまで発振していて比較的に大きなヒステリシス幅8mAが 確認できた。
大きなヒステリシス幅8mAを確認した。既報告アクティブMMI双安定レーザー
の155mAの閾値電流と比べて、閾値電流は約37%低減された一方、ヒステリシ
ス幅は同じくらいの広さが確保できた。ヒステリシス幅内での素子の ON-OFF 比は15dBであることから、安定したメモリ動作が期待できる。
次は、素子の近視野像を確認した。シミュレーションにより0次モードと1次 モード光がそれぞれの経路を通ってそれぞれのポートから出力されるのを実証 した。そこで、実際試作した素子の発振状態での近視野像(NFP: Near Field Pattern) を確認した。図3.8に素子の発振する様子を表わすNFPを示す。このNFPから 0次モード光と1次モード光が予想通り違う経路を通って発振することが確認で
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図3.8 試作素子の発振様子を表す近視野像。0 次モード光と 1 次モード
光が予想通り違う経路を通って発振することが確認できた。
きる。
アクティブMMI双安定レーザーのヒステリシス内に動作電流値を設定して、
Set光として光を入射すると光信号によって発振を開始し、入射光が無くなって も発振が続け、1bitメモリとして動作する。このON動作は、非常に重要な動作 特性であり、もし素子が ON 動作を行わない場合、メモリとしての実用性がな くなる。そこで、我々は試作素子にヒステリシス内の動作電流を注入しながら Set光を入射して、素子のメモリ動作を確認した。
素子に100mAの電流を注入しながら波長が1550nmの光を-12dBmの強度から
段々強くしながら入射し、0次モード光と1次モード光の出力をそれぞれ測定し た。図3.9にメモリON動作実験の測定結果を示す。約-8dBmの光を入射する時、
素子はONになり、0次モード光のON-OFF比は17dB、1次モード光のON-OFF 比は15dBという良好な結果が確認できた。
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