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ハイメサ導波路構造素子の設計試作

ドキュメント内 九州大学学術情報リポジトリ (ページ 129-134)

第6章 ハイメサ導波路構造アクティブ MMI 光 RAM メモリ素子の動作

6.2 ハイメサ導波路構造素子の設計試作

ハイメサ導波路は図 6.1(a)に示すように半導体をコア層とし、屈折率が 1.0 の 空気や1.5程度の低屈折率誘電体をクラッド層とする導波路で、リッジ導波路(図

6.2(b))に比べて、横方向においてコア層とクラッド層の間極めて高い比屈折率差

が得られて、光の閉じ込めが極めて強いなどの特長を持っている。この高い比 屈折率差によって、µmオーダーの曲げ半径が許容できる微小導波路の実現に期 待される。InP 系半導体レーザーへの応用は 1999 年Yoshimoto らによって提案 実証され[6]、強い光の閉じ込め、小型化実現可能、製作プロセス工程簡単など の特長を持ち、全光スイッチ、光変調器、光フィルタなどに応用されている[7-9]。

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ハイメサ導波路構造を持つ非対称アクティブMMIデバイスは、極めて高い比 屈折率差と非対称アクティブMMI構造により、MMI領域におけて比較的シャー プな自己干渉像が得られて横モードだけではなく縦モードの自己干渉も強く生 じて[4]、グレーティング構造等が不要での単一波長発振が期待される[5]。そし て、アクティブMMI横モード間双安定レーザーにおいては、強い光閉じ込めに よって、より強いモード間の相互利得抑制効果が生じて、安定した光双安定が 得られて光によるメモリ動作の実現が期待できる。一方、ハイメサ導波路構造 の適用により、コア層とクラッド層の高い比屈折率差によって、素子の小型化 も期待される。そこで、今回はハイメサ導波路構造を持つアクティブMMI横モー ド間双安定レーザーを試作して、その動作特性について検証した[10-12]。

まず、ハイメサ導波路においての 0 次モードと 1 次モードの伝搬についてシ ミュレーションを行った。その為には、アクティブMMI双安定レーザーの設計 を行う必要がある。強い光閉じ込めを得るため、今回素子の活性層は InGaAsP

図6.1 (a) ハイメサ導波路構造図。(b) リッジ導波路構造図。ハイメサ導波

路は屈折率が1.0の空気や1.5程度の低屈折率誘電体をクラッド層と して、極めて強い光の閉じ込めが得られる。

(a) (b)

コア層 コア層

比屈折率差:

10%以上

比屈折率差:

1~2%

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Equivalent refractive index

Waveguide width [μm ] (a)

(b) 0th mode

Cut-off

1st mode

Cut-off 2nd mode Cut-off

Waveguide width [μm ] 2nd mode Cut-off 1st mode

Cut-off 0th mode

Cut-off 3.24

3.20

3.16

3.12

1 2 3 4 5

1 2 3 4 5

Equivalent refractive index

3.24

3.20

3.16

3.12

図 6.2 有限要素法(FEM)を用いて計算した導波路幅と各モードの等価屈折 率のグラフ。(a) ハイメサ導波路構造。(b) リッジ導波路構造。

の 8層多重量子井戸とし、クラッド層は屈折率が1.55のポリイミドとした。ハ イメサ導波路構造において、素子の活性層とクラッド層の比屈折率差が大きい ため、有限要素法(FEM)を用いて導波路のコア層の等価屈折率及びカットオフ幅 について計算した[13]。図 6.2(a)に導波路幅と各モードの等価屈折率のグラフを

示す。図 6.2(b)に同じ計算方法で得られたリッジ導波路のグラフを示す。図 6.2

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より、ハイメサ構造がリッジ構造よりカットオフ幅が大きいことが分かる。そ して、リッジ構造において等価屈折率は導波路幅の変化に関係なくほぼ定数で あるが、ハイメサ構造の等価屈折率は導波路の幅の変化によって大きく変わり、

定数ではないことが分かる。これは、ハイメサ導波路の高い比屈折率差により コア層とクラッド層の境界において光フィルードが不連続によるものだと考え られる。そしてこの不連続により、MMI 導波路は横モードだけではなく縦モー ドにも自己干渉が生じると考えられる[4]。

続いて、コア層とクラッド層の等価屈折率及びカットオフ幅を用いてアク ティブMMI導波路の設計を行って[14]、0次モードと1次モード光の伝搬シミュ レーションを行った。図6.3にその結果を示す。図6.3より、比屈折率比が高い ハイメサ構造においても、0次モード光と1次モード光はそれぞれ異なる経路を 通って異なるポートから出力されることが確認できた。

シミュレーションの結果に基づいて、素子を設計試作した。ハイメサ構造に おいてカットオフ幅がリッジ構造より大きいので、素子のサイズもリッジより も大きくなることが懸念される。そこで、小型化を実現するため、今回アクセ スポートの幅を 1 次カットオフ幅のぎりぎりの 3µmとした。図 6.4(a)に素子の 構造図を示す。素子の全長を315µm にし、MMI長133µm、MMI幅8µm、入力 ポート長を 145µm、出力ポート長を 37µm とした。低い閾値電流を実現するた め、可飽和吸収領域長を25µmとして設けて、その代わりモード間相互利得抑制 領域割合を 80%とした。素子の活性層は InGaAsP/InP-MQW(波長 1.55µm、8 重 量子井戸)とし、多重量子井戸は InP 基板の上で結晶成長を行った。電流を流す

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0th mode (a)

Intensity [A.U.]

1.0

0.0

1st mode (b)

Intensity [A.U.]

1.0

0.0

図 6.3 ハイメサ構造導波路において光モード伝搬のシミュレーション結 果。0 次モード光と 1 次モード光はそれぞれ異なる経路を通って 異なるポートから出力されることが確認できた。(a) 0次モード光 伝搬図。(b)1次モード光伝搬図。

ことを考えて、クラッド層は空気ではなく屈折率が 1.55のポリイミドを埋め込 むことにした。図6.4(b)にMQWを用いたハイメサ導波路の端面図を示す。

ウェハの結晶成長にはMOVPE(有機金属気相成長法)を用いて層構造を形成し た。素子の試作はi線ステッパを用いて導波路構造パターニング用マスクを形成 し、そののち RIE 法によってハイメサ導波路構造を形成した[15-18]。形成した ハイメサ導波路にポリイミドを塗布し、導波路の上と下に電極を付けた。図

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6.4(c)に 試 作 素 子 の 端 面 写 真 を 示 す 。 試 作 し た 素 子 の チ ッ プ の サ イ ズ は

315×300µmである。素子の動作特性を評価するために、まずAlN材のヒートシ

ングに熔着した後、特注したステムに熔着した。

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