第6章 ハイメサ導波路構造アクティブ MMI 光 RAM メモリ素子の動作
6.3 試作素子の動作実証結果
6.3.3 全光メモリ動作の実証
アクティブMMI横モード双安定レーザーのヒステリシス幅内に動作電流を設 定して、0次ポート側から光を入射すると二つのモードの光間の相互利得抑制効
131
Output power [dBm]
Wavelength [nm]
(a)
1546 1548 1550 1552 1554 1556 SMSR>25dB
-10
-20
-30
-40
-50
Wavelength [nm]
(b)
1546 1548 1550 1552 1554 1556 -20
-30 -40 -50 -60 -70 -80
Output power [dBm]
図6.7 素子の発振スペクトル。(a) ハイメサ構造素子の発振スペクトル。
(b) リッジ構造素子の発振スペクトル。
果により、素子の 0 次モード光が励起され素子はメモリ ON 動作をする。この 時、1次ポート側の中心軸から少しずらして光を入射すると、モード間の相互利 得抑制効果より、素子の1次モード光が励起され、0次モード光は抑制され素子 はメモリ OFF動作をする。このように素子は入射光によってセットリセットさ
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れ、1bitメモリとして動作する。今回の試作素子の1次モード光の発振が不十分 なので、1 次モード光の励起は難しいが、0 次モードへの抑制効果はあるため、
素子のOFF動作は期待できる。
まず、素子の ON 動作について実証した。試作した素子に 65mA の動作電流 を設定して、素子が発振していない状態で、発振波長1549nmの光を入射し、素 子のメモリON動作を検証した。入射光を-26dBmの強度から段々強くして入射 し、素子の出力を測定した。図6.8に素子のメモリON動作実験の測定結果を示 す。非常に低いパワーの-21dBmの光が入射した時、素子はONとなり、16dB の
ON-OFF比が確認できた。
次はメモリOFF動作について実証した。素子に同じ動作電流65mAを設定し て、素子が発振している状態で、1554nmの光を入射したとき、メモリOFF動作
図 6.8 試作素子のメモリ ON 動作特性。素子は非常に低い-21dBmの光が 入射する時ONとなり、ON-OFF比は16dBである。
-26 -24 -22 -20 -18 Incident light intensity [dBm]
5 0 -5 -10 -15 -20
Output power [dBm]
λin=1549nm
133
が確認できた。図 6.9にその結果を示す。入射光を-26dBmの強度から段々強く して入射して、素子の出力を測定したところ、-24dBmの光を入射する時、素子 の出力は弱くなり、OFF状態となった。このメモリOFF動作は、横モードに関 連する縦モード間の相互利得抑制効果によって得られたと考えられる。前述の ように、ハイメサ構造のアクティブMMI横モード双安定レーザーにおいて、極 めて高いコア層とクラッド層の比屈折率比により、横モードだけではなく縦 モードにも干渉が生じる。その為、横モード間の相互利得抑制効果は縦モード にも及ぼすと考えられる。素子のON動作及び OFF動作に用いたセットリセッ ト光は、それぞれ横モードの 0 次モードと 1 次モードに関連していると考えら れ、モード間の相互利得抑制効果により全光メモリ動作が実現できる。素子に0 次モード関連発振波長1549nmを入射すると、モード間の相互利得抑制効果によ
図6.9 試作素子のメモリOFF動作特性。素子は非常に低い-24dBmの光に よりOFF動作を行い、ON-OFF比は16dBである。
-26 -24 -22 -20 -18 Incident light intensity [dBm]
5 0 -5 -10 -15 -20
Output power [dBm]
λin=1554nm
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り、素子は発振し、メモリONとなる。この状態で、1次モード関連の発振波長
1554nm の光が入射すると、モード間の相互利得抑制効果により、0 次モード関
連発振波長が抑制され発振しなくなるが、1次カットオフ幅の不十分設計により、
1 次モードの発振もなくなり、結果としてメモリ OFF となる。これより、ハイ メサ構造のアクティブMMI横モード双安定レーザーの光によるON-OFF動作が 確認でき、1bitメモリとしての動作が実証された。素子のON-OFF動作に必要な スイッチングパワーはそれぞれ、非常に低い-21dBmと-24dBmであり、ON-OFF 比は16dBであることが確認できた。