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極広ヒステリシス幅の実験実証

ドキュメント内 九州大学学術情報リポジトリ (ページ 103-107)

第4章 横モード間光双安定原理の活用による光メモリ素子の動作実証

4.4 極広ヒステリシス幅の実証

4.4.2 極広ヒステリシス幅の実験実証

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を設計試作し、その動作特性を評価した。

まず、素子の電流ー光出力特性を確認した。図 4.11 に試作素子の電流ー光出 力特性を示す。試作素子に 0 から 200mA の電流を注入した後、続いて 200mA から0mA の電流を注入してから、0次モード光と1次モード光の出力をそれぞ れ測定した。試作素子は電流ー光双安定を表し、約168mAで発振して、閾値よ り低い電流でも発振し続き 72mA まで発振していて極端に広いヒステリシス幅 94mAを確認した。4.2で説明したデザインAに比べて可飽和吸収領域の割合が

約11%高くなったため、素子の低閾電流値が約13mA高くなるという結果になっ

た。その一方、素子はデザイン Aより 3倍も広いヒステリシス幅94mAを実現

Injection current [mA]

0 40 80 120 160 200

Output power [dBm]

10

0

-10

-20

-30

CW@25oC

0th mode 1st mode

図4.11 試作素子の電流ー光出力特性。試作素子は、部分MMI可飽和吸

収領域構造を設けることで、極端に広いヒステリシス幅94mAを 実現した。

94mA

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し、これは世界でも最高レベルであった。この極端に広いヒステリシス幅は、

可飽和吸収領域長を大きく設けたことと部分MMI可飽和吸収領域構造で極端に 強い相互利得抑制効果が得られたことによるものだと考えられる。

試作した素子の電流ー光出力特性を確認した後、我々は素子の近視野像につ いて確認して見た。図 4.12 でその近視野像を示す。素子発振の際、0 次モード と1次モードはそれぞれ異なるポートから出力される様子が見られる。これは、

MMI 領域の一部を可飽和吸収領域化した場合であっても、レーザーが発振状態 となれば、アクティブMMI現象は生じていることを意味している。アクティブ MMI現象が生じることで、素子の利得領域では0次モードと1次モード光の間 で強い相互利得抑制効果が生じて素子が強い光双安定を表すことができると考 えられる。この結果により、アクティブ MMI デバイスにおいて、MMI 領域を 利得領域と非利得領域に分割してもMMI現象が生じることを初めて確認した。

図 4.12 素子の NFP。MMI 領域の一部を可飽和吸収領域化した場合で

あっても、0次モードと1次モードは変わらず、それぞれ異なる ポートから出力されることが分かる。

100

続いて、我々は試作素子の動的メモリ動作特性を評価した。図 4.13にその結 果を示す。デバイスに CW電流72mA とパルス電流 30mAを動作電流として設 定し、パルス幅が20nsで、繰り返し周期が 600nsの光パルス信号を入射して素 子のメモリ動作を実証した。入射光パルス信号はパルス電流源より80nsの遅延 時間を設定した。素子はパルス光信号によってONになり、メモリONになるの に必要な最低エネルギーは 30fJ であった。素子は、1.5ns の立ち上がり時間と、

520ns のメモリ維持時間を実現した。部分MMI 可飽和吸収構造においても、通

図4.13 部分MMI可飽和吸収領域構造を持つ素子の動的特性の測定結果。

素子はパルス光信号によってONとなり、1.5nsの立ち上がり時間

と520nsのメモリ維持時間を実現した。

Device output [a.u.]Gate voltage [a.u.]Optical pulse [a.u.]

Rise time ~1.5ns 0 10 20 30 40 50

Time

0 600 1200 1800 Time

600ns 300ns

20ns

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常の可飽和吸収領域構造のアクティブMMI横モード間双安定レーザーと同じよ うな優れた動的メモリ特性が確認できた。この結果から、部分MMI可飽和吸収 領域構造を用いたアクティブMMI横モード双安定レーザーも光RAMメモリ素 子として活用できると考えられる。

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