第3章 横モード間光双安定動作原理の実証
3.2 シミュレーションによる動作原理の実証
3.2.1 MMI 導波路の設計
シミュレーションを行う前に、アクティブMMI横モード間双安定レーザーの 入力ポートの長さ、MMI 領域の幅と長さ、出力ポートの長さなどを設計する必 要がある。アクティブMMI横モード間双安定レーザーの活性層は、多層結晶構 造と比べて閾値電流の低減及び高光出力ができる InGaAsP の 7 層多重量子井戸
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とした。レーザーの構造はダブルヘテロ接合(DH: Double Heterostructure)で、リッ ジ型導波路とした。リッジ型導波路は、 横モードを安定化した屈折率導波型 レーザーの一つで、他の屈折率導波路と比べて製作プロセス工程が簡単である
[9-12]。図 3.1(a)に想定した双安定レーザーの導波路の端面構造を示す。導波路
のコアとクラッド層の等価屈折率は層構造により計算する。表 3.1 に想定する ウェハの成分と各層のパラメータについて示す。
表3.1. 今回用いたエピウェハ (1550nm波長帯で用いるInPウェハ)
No Item Name Thickness
(μm) DP λ(μm) reflactive index
index difference
1 InP Substrate - 0.92 3.17 0
2 N-InP 0.5 ±10% 0.92 3.17 0
3 U-InGaAsP 0.08 ±10% 1.15 3.3 0.13
4 InGaAsP Barrier
(-0.2~-0.35%) 0.01 ±5% 1.2 3.34 0.16
5 InGaAsP QW(+0.85
~1.1%CS) 0.0055 ±5% 1.53 3.50 0.33 6 InGaAsP Barrier
(-0.2~-0.35%) 0.01 ±5% 1.2 3.33 0.16
7 InGaAsP QW(+0.85
~1.1%CS) 0.0055 ±5% 1.53 3.50 0.33 8 InGaAsP Barrier
(-0.2~-0.35%) 0.01 ±5% 1.2 3.33 0.16
9 InGaAsP QW(+0.85
~1.1%CS) 0.0055 ±5% 1.53 3.50 0.33 10 InGaAsP Barrier
(-0.2~-0.35%) 0.01 ±5% 1.2 3.33 0.16
11 InGaAsP QW(+0.85
~1.1%CS) 0.0055 ±5% 1.53 3.50 0.33 12 InGaAsP Barrier
(-0.2~-0.35%) 0.01 ±5% 1.2 3.33 0.16
13 InGaAsP QW(+0.85
~1.1%CS) 0.0055 ±5% 1.53 3.50 0.33
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14 InGaAsP Barrier
(-0.2~-0.35%) 0.01 ±5% 1.2 3.33 0.16
15 InGaAsP QW(+0.85
~1.1%CS) 0.0055 ±5% 1.53 3.50 0.33 16 InGaAsP Barrier
(-0.2~-0.35%) 0.01 ±5% 1.2 3.33 0.16
17 InGaAsP QW(+0.85
~1.1%CS) 0.0055 ±5% 1.53 3.50 0.33 18 InGaAsP Barrier
(-0.2~-0.35%) 0.01 ±5% 1.2 3.33 0.16
19 U-InGaAsP 0.08 ±10% 1.15 3.3 0.13
20 P-InP 0.05 ±10% 0.92 3.17 0
21 P-InGaAsP 0.005 ±10% 1.2 3.34 0.17
22 P-InP 0.15 ±10% 0.92 3.17 0
23 P-InP 0.3 ±10% 0.92 3.17 0
24 P-InP 1.5 ±10% 0.92 3.17 0
25 P-1.36PQ 0.025 ±10% 1.36 3.43 0.26
26 P-1.5PQ 0.025 ±10% 1.5 3.5 0.33
27 P-In0.53Ga0.47As 0.15 ±10% 1.67 3.17 0
28 P-InP 0.05 ±10% 0.92 3.17 0
表3.1に示したのはレーザーのコア層の層構造であり、これらのパラメータを
用いて、波長を1.55µmとした時のコア層の等価屈折率を計算した。素子のクラッ
ド層は、層No. 28からNo. 22までエッチングして、その部分にBCB樹脂(ベン ゾシクロブテン、屈折率 1.543)を埋め込む構造となっている(図 3.1(a)を参考)。
コア層と同じ計算方法でクラッド層の等価屈折率を計算した結果、コア層の屈
折率nrは3.2107、クラッドの屈折率ncは3.1725となった。このコア層とクラッ
ド層の等価屈折率を用いて、式(3.1)を用いて1次モード光が許容できる入力ポー ト(出力ポート)の幅を決める[13]。続いて(3.2-3.4)式を用いて、シミュレーション に使うMMI導波路の設計を行った[14-16]。
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) (
2 r c
r r
N n n
n n
W λ
≤ −
12 2
0)( )( 2 )
( − −
+
≈ r c
r c MMI
e n n
n n π W λ
W
0 2
1
0 3
4 λ W n β β
Lπ π ≈ r e
≡ −
π
MMI L
L 4
= 3
(3.1)
(3.2)
(3.3)
(3.4)
ここで、nrと ncはそれぞれコア層とクラッド層の等価屈折率で、λ0は自由空
間波長、βはモードの伝搬定数である。求めたMMIの各パラメータを設定して、
実際にシミュレーションを行い、各パラメータを微調整して、MMI 導波路での 伝搬様子を確認しながら、最適なパラメータを決めた。表3.2にシミュレーショ ンで求められた最適な各種パラメータを示す。図3.1(b)に求めた最適なアクティ ブMMI横モード双安定レーザーの導波路構造を示す。
表3.2 シミュレーションで用いた各パラメータ
パラメータ 使用した値
自由空間波長 1.55 [μm]
コア層等価屈折率 3.2107 クラッド層等価屈折率 3.1725
MMI長 275 [μm]
MMI幅 10 [μm]
入力ポート長 80 [μm]
入力ポート幅 4 [μm]
出力ポート長 195 [μm]
出力ポート幅 4 [μm]
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図 3.1 シミュレーションに使うアクティブ MMI 横モード間双安定レー ザーの構造図。(a)リッジ型導波路の端面図。InGaAsPの7層多重量 子井戸である。(b)設計したアクティブMMI横モード間双安定レー ザーの構造図。
InGaAsP MQW活性層 (波長1.55µm) InP 基板
p-InP n-InP
BCB BCB ウェハのNo. 28からNo. 22層まで
エッチングして、BCBで埋め込む。
(a)
195µm
275µm 550µm 80µm
10µm
4µm
4µm 4µm
(b)