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シミュレーションの実証結果

ドキュメント内 九州大学学術情報リポジトリ (ページ 66-71)

第3章 横モード間光双安定動作原理の実証

3.2 シミュレーションによる動作原理の実証

3.2.2 シミュレーションの実証結果

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図 3.1 シミュレーションに使うアクティブ MMI 横モード間双安定レー ザーの構造図。(a)リッジ型導波路の端面図。InGaAsPの7層多重量 子井戸である。(b)設計したアクティブMMI横モード間双安定レー ザーの構造図。

InGaAsP MQW活性層 (波長1.55µm) InP 基板

p-InP n-InP

BCB BCB ウェハのNo. 28からNo. 22層まで

エッチングして、BCBで埋め込む。

(a)

195µm

275µm 550µm 80µm

10µm

4µm

4µm 4µm

(b)

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図 3.2 光モード伝搬のシミュレーション結果。0 次モード光と 1 次モー

ド光はそれぞれ異なる経路を通って異なるポートから出力される ことが確認できた。(a) 0次モード光伝搬図 。(b)1次モード光伝搬 図。

Lateral position m] Intensity [a.u.]

(b) (a)

0 100 200 300 400 500 Propagation direction [μm]

-10 0 10 20

Lateral positionm]

-10 0 10 20

1.0

0.0

Intensity [a.u.]

1.0

0.0

ように、入射した1次モード光はMMI導波路で干渉しながら伝搬され、上のポー トから入射光パワーの 85%が出力される。これは 2 章で求めた計算結果と同じ である。アクティブの場合、0次モードの伝搬の二つの経路において、下のポー トから出力される経路が得られる利得が上のポートから出力される経路より 7dB多いため、下のポートから出力される経路が発振モードとなる。1次モード

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の場合は、0次モード光と逆で、上のポートから出力される経路が発振モードと なる。これより、0次モード光と1次モード光はそれぞれ異なる経路を通って異 なるポートから出力されると考えられる。

続いて、我々は二つの横モード光の間の相互利得抑制領域(光分布の重なり) についてシミュレーションを行った。既報告アクティブ MMI 双安定レーザー

[7-8]を我々のアクティブMMI横モード間双安定レーザーを同じサイズにし、お

互いの横モード間の相互利得抑制領域を比較した。図3.3にその結果を示す。ア クティブMMI横モード間双安定レーザーは、入力ポート全体が相互利得抑制領 域となるため、この入力ポート領域とMMI領域での相互利得抑制領域をプラス すると、非常に幅広い領域で相互利得抑制領域が見られた。既報告方式ではMMI 領域の中心のみに光モード間に相互利得抑制領域が見られた。

Mode 1 Mode 2

0th mode

図 3.3 二つの動作方式の光のモード間の相互利得抑制領域の比較。横

モード光間双安定動作方式は入力端から MMI 領域まで非常に大 きい相互利得抑制領域が見られる。

1st mode

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図3.4 MMI 中心部での光モードフィルード分布のグラフ。縦軸は光強度

で、横軸はMMI導波路の横方向で、青い部分が相互光分布重なり である。(a) 横モード間双安定動作方式。(b)既報告動作方式。

(a) (b)

Lateral direction [µm]

Optical intensity [A.U.]

1st mode

0th mode Mode 1 Mode 2

Lateral direction [µm]

Optical intensity [A.U.]

更に、我々はBPMシミュレーションの結果を用いて横モードの間の相互利得 抑制領域について詳しく計算した。比較のため、既報告アクティブMMI双安定 レーザーも我々の素子と同じサイズとして縮小して、そのモード間相互利得抑 制領域について計算した。光モード間の相互利得抑制領域を計算するため、ま ずモード間の光分布の重なり面積を求めた。MMI 領域での光モードの強度分布 を分析して、MATLBを用いて光フィルードの分布グラフを作成した。図3.4は 光フィルード分布グラフの一例として、MMI の中心部における光モードのフィ ルード分布グラフを示す。縦軸は光強度で、横軸はMMI導波路の横方向で、青 い部分が相互光分布重なりである。このグラフを用いて、各光モードの光フィ ルードの面積と光分布の重なり部分の面積をMATLABプログラムで計算した。

計算した光フィルードの面積を用いて、我々は光モード間の重なりを式(3.5)

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のように定義した。

Overlap (%) = Aoverlap / min(A0,A1) (3.5)

Aoverlapは二つの光の重なり部分の面積で、A0は 0 次モード光フィルード分布

の面積で、A1は1次モード光フィルード分布の面積である。MMI領域を5μmず つ区切り、各区間のモード間の光分布重なりを計算して、これらの数値の平均 値を二つの光モード間の相互利得抑制領域として定義した。

その結果、MMI領域において横モード間双安定動作原理では76%、既報告動 作原理では 63%の光モード間相互利得抑制領域が得られた。ところが、我々が 提案している横モード間光双安定動作方式では、MMI 領域だけではなく、モー ド間の共通ポートである入力ポートには 100%の相互利得抑制領域があるため、

MMI 領域内の光モード間相互利得抑制領域だけを評価するのは不充分である。

ここで、二つの方式の入力端からMMI領域出力端までのモード間のこの相互利 得抑制領域を計算してみた。その結果、横モード間双安定型は 81%で、既報告

型は 51%であって、明らかに横モード間光双安定動作原理で幅広いモード間相

互利得抑制領域が得られることが分かる。また、今後の小型化を視野に入れ、

素子を小型化の際に、得られる相互利得抑制領域についてシミュレーションし てみた。図3.5に小型化と伴って得られるモード間の相互利得抑制領域の変化の 傾向をグラフに示した。既報告型では、小型化に従って相互利得抑制領域が減 少する傾向となったが、我々の提案する横モード間双安定動作型では、入力端 の相互利得抑制領域もあることからMMIを小型化しても幅広く相互利得抑制領 域が得られる結果となった。この大きな相互利得抑制領域によって、素子の小

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図3.5 素子の小型化と伴って得られるモード間の相互利得抑制領域の変 化の傾向グラフ。横モード間双安定動作原理の適用によって、素子 は小型化しても大きいな相互利得抑制領域が得られる。

0 100 200 300 400 Total length [μm]

相互利得抑制領域[%]

100 80

60

40

20

0

横モード間双安定 既報告

型化の際には、十分に広いヒステリシス幅が確保できると考えられる。

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