第3章 横モード間光双安定動作原理の実証
3.2 シミュレーションによる動作原理の実証
3.2.2 シミュレーションの実証結果
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図 3.1 シミュレーションに使うアクティブ MMI 横モード間双安定レー ザーの構造図。(a)リッジ型導波路の端面図。InGaAsPの7層多重量 子井戸である。(b)設計したアクティブMMI横モード間双安定レー ザーの構造図。
InGaAsP MQW活性層 (波長1.55µm) InP 基板
p-InP n-InP
BCB BCB ウェハのNo. 28からNo. 22層まで
エッチングして、BCBで埋め込む。
(a)
195µm
275µm 550µm 80µm
10µm
4µm
4µm 4µm
(b)
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図 3.2 光モード伝搬のシミュレーション結果。0 次モード光と 1 次モー
ド光はそれぞれ異なる経路を通って異なるポートから出力される ことが確認できた。(a) 0次モード光伝搬図 。(b)1次モード光伝搬 図。
Lateral position [μm] Intensity [a.u.]
(b) (a)
0 100 200 300 400 500 Propagation direction [μm]
-10 0 10 20
Lateral position[μm]
-10 0 10 20
1.0
0.0
Intensity [a.u.]
1.0
0.0
ように、入射した1次モード光はMMI導波路で干渉しながら伝搬され、上のポー トから入射光パワーの 85%が出力される。これは 2 章で求めた計算結果と同じ である。アクティブの場合、0次モードの伝搬の二つの経路において、下のポー トから出力される経路が得られる利得が上のポートから出力される経路より 7dB多いため、下のポートから出力される経路が発振モードとなる。1次モード
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の場合は、0次モード光と逆で、上のポートから出力される経路が発振モードと なる。これより、0次モード光と1次モード光はそれぞれ異なる経路を通って異 なるポートから出力されると考えられる。
続いて、我々は二つの横モード光の間の相互利得抑制領域(光分布の重なり) についてシミュレーションを行った。既報告アクティブ MMI 双安定レーザー
[7-8]を我々のアクティブMMI横モード間双安定レーザーを同じサイズにし、お
互いの横モード間の相互利得抑制領域を比較した。図3.3にその結果を示す。ア クティブMMI横モード間双安定レーザーは、入力ポート全体が相互利得抑制領 域となるため、この入力ポート領域とMMI領域での相互利得抑制領域をプラス すると、非常に幅広い領域で相互利得抑制領域が見られた。既報告方式ではMMI 領域の中心のみに光モード間に相互利得抑制領域が見られた。
Mode 1 Mode 2
0th mode
図 3.3 二つの動作方式の光のモード間の相互利得抑制領域の比較。横
モード光間双安定動作方式は入力端から MMI 領域まで非常に大 きい相互利得抑制領域が見られる。
1st mode
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図3.4 MMI 中心部での光モードフィルード分布のグラフ。縦軸は光強度
で、横軸はMMI導波路の横方向で、青い部分が相互光分布重なり である。(a) 横モード間双安定動作方式。(b)既報告動作方式。
(a) (b)
Lateral direction [µm]
Optical intensity [A.U.]
1st mode
0th mode Mode 1 Mode 2
Lateral direction [µm]
Optical intensity [A.U.]
更に、我々はBPMシミュレーションの結果を用いて横モードの間の相互利得 抑制領域について詳しく計算した。比較のため、既報告アクティブMMI双安定 レーザーも我々の素子と同じサイズとして縮小して、そのモード間相互利得抑 制領域について計算した。光モード間の相互利得抑制領域を計算するため、ま ずモード間の光分布の重なり面積を求めた。MMI 領域での光モードの強度分布 を分析して、MATLBを用いて光フィルードの分布グラフを作成した。図3.4は 光フィルード分布グラフの一例として、MMI の中心部における光モードのフィ ルード分布グラフを示す。縦軸は光強度で、横軸はMMI導波路の横方向で、青 い部分が相互光分布重なりである。このグラフを用いて、各光モードの光フィ ルードの面積と光分布の重なり部分の面積をMATLABプログラムで計算した。
計算した光フィルードの面積を用いて、我々は光モード間の重なりを式(3.5)
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のように定義した。
Overlap (%) = Aoverlap / min(A0,A1) (3.5)
Aoverlapは二つの光の重なり部分の面積で、A0は 0 次モード光フィルード分布
の面積で、A1は1次モード光フィルード分布の面積である。MMI領域を5μmず つ区切り、各区間のモード間の光分布重なりを計算して、これらの数値の平均 値を二つの光モード間の相互利得抑制領域として定義した。
その結果、MMI領域において横モード間双安定動作原理では76%、既報告動 作原理では 63%の光モード間相互利得抑制領域が得られた。ところが、我々が 提案している横モード間光双安定動作方式では、MMI 領域だけではなく、モー ド間の共通ポートである入力ポートには 100%の相互利得抑制領域があるため、
MMI 領域内の光モード間相互利得抑制領域だけを評価するのは不充分である。
ここで、二つの方式の入力端からMMI領域出力端までのモード間のこの相互利 得抑制領域を計算してみた。その結果、横モード間双安定型は 81%で、既報告
型は 51%であって、明らかに横モード間光双安定動作原理で幅広いモード間相
互利得抑制領域が得られることが分かる。また、今後の小型化を視野に入れ、
素子を小型化の際に、得られる相互利得抑制領域についてシミュレーションし てみた。図3.5に小型化と伴って得られるモード間の相互利得抑制領域の変化の 傾向をグラフに示した。既報告型では、小型化に従って相互利得抑制領域が減 少する傾向となったが、我々の提案する横モード間双安定動作型では、入力端 の相互利得抑制領域もあることからMMIを小型化しても幅広く相互利得抑制領 域が得られる結果となった。この大きな相互利得抑制領域によって、素子の小
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図3.5 素子の小型化と伴って得られるモード間の相互利得抑制領域の変 化の傾向グラフ。横モード間双安定動作原理の適用によって、素子 は小型化しても大きいな相互利得抑制領域が得られる。
0 100 200 300 400 Total length [μm]
相互利得抑制領域[%]
100 80
60
40
20
0
横モード間双安定 既報告
型化の際には、十分に広いヒステリシス幅が確保できると考えられる。