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一般的に、マネー・ローンダリング対策プログラムの作成にあたり、金融機関や企業は下記の基礎 的要素を考慮する必要があります。

■内部のポリシー、手続き、統制の策定

■コンプライアンス担当者の任命

■継続的なトレーニング・プログラム

■独立した監査機能によるプログラムの検査

内部のポリシー、手続き、統制

マネー・ローンダリング対策に関する内部のポリシーは、多くの場合、上級管理者や取締役会によっ て定められ、会社のマネー・ローンダリング対策の方向性を決定します。ただし、多くのポリシーは、

期待や基準、姿勢に関する漠然とした声明であって、達成するための具体的な方法は述べられていま せん。

  このAMLポリシーの目的は、マネー・ローンダリング、テロ、不正およびその他金融 犯罪への対策に関する枠組みを定めることです。金融セクターの取組みが成功するために は、これまでにないレベルで、各国政府と金融機関がグローバルに協力する必要がありま す。当社は、AMLの戦略と目標を継続的に検討し、効果的なAMLプログラムの維持に取 り組みます。また、AMLに関して、高い水準のコンプライアンスを保ち、商品およびサー

ビスのマネー・ローンダリングへの悪用を防止するよう、経営者や従業者がこれらの基準 を遵守することを求めていきます。このポリシーを遵守することが、地理的所在に関係な く、すべての関係会社が、自らに適用されるマネー・ローンダリングの法規制を遵守する 上での絶対的な基盤となります。当社は、規制当局から課される、マネー・ローンダリン グに関する法規制およびその他の基準を、マネー・ローンダリング対策コンプライアンス の最低基準とし、その遵守に取り組んでいきます。より高度なマネー・ローンダリング対 策規制の課される国や法域(司法権の異なる国や地域)で活動する関連会社は、より高い 基準に対応する必要があります。AMLプログラムは、マネー・ローンダリング対策部門 によって策定および主導されますが、不正収益が当社内部に入らないようにするのは、全 従業者の責任です。

標準運用手続きは、組織の下位レベルで定められることが多く、商品、職員および昇進、その他日 頃の運用上の手続きの変化に合わせて、適時に変更されます。運用手続きはポリシーよりも詳細な規程 を記し、ポリシーを適切で実現可能な実務上の手続きに合わせたものです。運用手続きも、ポリシーと 同様、有効な手続きの実施を促すものであり、定期的に検討、更新する必要があります。

AMLプログラムは、経営幹部への報告類やその他組織内部に設けられた安全対策等、様々な内部 統制に依存し、プログラムの機能を保ちます。また、コンプライアンス担当者が内部統制や安全規程か らの逸脱を認識できるようにする必要があります。一定金額を超える取引に対する担当者の承認や連記 式署名を求めるというような単純なものであっても、無視されれば組織のマネー・ローンダリング対策を 弱体化させます。同様に、ポリシーから逸脱したとされる事象に対する“2次レビュー ”は、後に疑問が 生じた場合に役に立ちます。例えば、ある従業者が、特定の通貨代替物(Monetary Instrument)

の現金購入を、内部ポリシーから逸脱していても一見無害であるとして例外を認めることで、知らない間 に進行するパターンのマネー・ローンダリングの検知が妨げられる恐れがあります。こうした問題は、2 次レビューによって防止されます。

ポリシーと手続きは、文書化され、取締役会に承認を受ける必要があります。

AMLコンプライアンス・プログラムには、以下のようなポリシー、手続き、プロセスが必要です。

■リスクが高い銀行業務(商品、サービス、顧客、地理的所在)の特定、組織のリスク・プ ロファイルの定期的な更新、リスク管理に合ったAMLコンプライアンス・プログラムの実 施、取締役会(または取締役会に所属する委員会)や経営幹部に対する、コンプライアンス に対する取組み、コンプライアンスの不備、疑わしい取引の届出の提出、是正措置に関する 報告。

■AMLコンプライアンス責任者の特定。

■経営幹部や従業者の構成、組織の変化に対しても持続する、プログラムの継続性を確保す る。

■すべてのAMLコンプライアンス関連の規制要件および勧告の遵守、規制の変更に対応する ための適時の更新。

■リスクベースの顧客管理(Customer Due Diligence: CDD)ポリシー、手続き、プロセス

の導入。

■報告対象取引の特定と、疑わしい取引の届出等の必須報告書の提出(組織内でのレビューや 報告提出機能業務の集中化を検討する必要がある)。

■二重統制および職務分離の導入。報告書を作成する従業者は、報告書の提出、報告書の提 出、免除(提出を行わないこと)の承認に関する責任を負うことはできない。

■疑わしい取引の適時の検知と報告を実現する、十分な統制やモニタリング態勢の提供。

■通貨取引、報告書の作成、免除の承認、疑わしい取引のモニタリング、その他マネー・ロー ンダリングの法規制の対象である取引や規制の実施に従事する従業者に対する十分な監督。

■マネー・ローンダリングの法規制や内部ポリシーのガイドラインによって課される責任に対 して、従業者が十分な認識を持つためのトレーニング。

■AMLコンプライアンスを、関連業務に携わる従業者の職務記述書や実績評価に織り込む。

■高い従業者採用基準を確保するための、採用時の身元調査プログラムの作成および導入。

AMLの枠組みから常に逸脱している従業者への対応。

マネー・ローンダリング対策部門をどのように構成するかは、非常に重大な問題であり、金融機関お よび職員の規模、商品やサービスの性質や種類によって決まります。マネー・ローンダリング対策部門 の運営方法や責任者の明確な定義は、最初に決定すべき重要な事項です。

コンプライアンス担当者

マネー・ローンダリング対策のコンプライアンス担当者とされる人物には、プログラムの策定と実施、

必要な変更の追加、主要な職員に対するプログラムの成功および失敗事例に関する情報発信、従業者 のトレーニング・プログラムにおけるマネー・ローンダリング関連の内容の考案、法規制の進展につい て把握する責任が与えられます。

マネー・ローンダリング対策部門の構成は、企業によって異なります。ある個人がプログラムの戦略 面に携わり、別の個人が、疑わしいマネー・ローンダリングのモニタリングや疑わしい取引の届出等の 運用面に携わる場合があります。

AMLの部署は、例えば以下のようなサブグループに分けることもできます。

■マネー・ローンダリング対策(Anti-Money Laundering:AML)レビュー・グループ:

顧客の電信送金、信託、投資取引を、自動システムを使用してモニタリングし、システム の生成するアラートに関して調査する。事例は調査結果次第で、顧客確認(Know Your Customer:KYC)および疑わしい取引の届出(Suspicious Activity Reporting:SAR)を 行うグループに報告する。

■顧客確認(Know Your Customer:KYC)グループ:AMLレビュー・グループ、SARグルー プ、その他の部署から報告があった事例について調査する。KYCのリスク評価の採点に基づ いたリスク・コードを割り当て、KYCのプロセスによって特定された中から高程度のリス クの顧客について調査し、リスクが高い顧客について年次レビューを行う。必要に応じて、

または、フォローアップ・レビューとして、SARグループに報告する。

■疑わしい取引の届出(Suspicious Activity Reporting:SAR)グループ:AMLレビュー もしくはKYCグループ、および顧客担当者から報告があった事例に関して調査を行う。

必要に応じて、資金情報機関(Financial Intelligence Unit:FIU)に、疑わしい取引の 届出(SAR)を提出する。

上記の3つのグループに加え、顧客との接触のある部門にて、マネー・ローンダリング対策(AML)

業務が行われる場合があります。例えば、新規口座開設の際には顧客担当者およびその他の人物に よってKYCフォームを作成し、支店従業者が、リスクの高い顧客の年次レビューに参加し、場合によっ ては、潜在的に疑わしい取引の調査のための追加情報や説明を提供するように求められることもありま す。また、疑わしい取引が企業の安全対策グループに報告される場合もあり、さらに、その取引にAML のリスクが伴うと判定される場合、KYCあるいはSARグループに事例が報告されます。コンプライアンス 部門は、また規制当局の指示やその他の調査結果により、マネー・ローンダリング関連のコンプライア ンスの取組みを指揮する場合もあります。

トレーニング

監督当局による法規制により、金融機関は、“適切な職員へのトレーニング”を含む、正式な文書化 されたAMLコンプライアンス・プログラムを作成する必要があります。プログラムが効果的なものである ためには、法規制で定められた基準を満たすだけでなく、内部ポリシー、手続きも満たし、マネー・

ローンダリングに関する不祥事を起こすリスクを軽減するものである必要があります。

有効なコンプライアンス・トレーニングの開発における、基本的な要素を見てみましょう。

Let’s explore some basic elements behind the development of effective compliance training.

トレーニング対象者

有効なトレーニング・プログラムの作成は、対象者の特定から始まります。間違った対象に最高のト レーニングを強制しても、トレーニングは成功しません。金融機関の様々な分野でAMLのトレーニング を行い、ほぼすべての従業者がトレーニングを受ける必要があります。ただし、従業者は所属部門に関 連するトピックや問題についてトレーニングを受けるべきです。

■貸付、与信、貸付業務担当者:トレーニングには信用業務に関する理解を反映する必要が あります。担保や与信についての判断には、起こりうるマネー・ローンダリングに対する 意識や警戒が求められます。間接的な貸付プログラム、信用状、リース・ファイナンスに 対しても、KYCの取組みやマネー・ローンダリングのリスクへの警戒が必要です。

■窓口係、顧客サービス担当者:最前線で顧客と接触する従業者は、リテール・バンキング 取引に関するマネー・ローンダリングのシナリオを認識できるようにするためのトレーニ ングが必要です。トレーニングでは、口座開設、顧客の本人確認、現金取引、資金移動、

疑わしい取引の検知と届出、そしてKYC の基準に関する指導を行うべきです。