FATF型地域体とFATFの関連メンバー
FATF型地域体およびFATF関連メンバー(FATF Associated Member)は、FATFに似た形式およ び機能を持ち、FATF加盟国の多くがそれらの団体のメンバーにもなっています。
■アジア太平洋マネー・ローンダリング対策グループ(Asia/Pacific Group on Money Laundering:APG)
■カリブ金融活動作業部会(Caribbean Financial Action Task Force:CFATF)
■欧州評議会マネー・ローンダリング対策評価専門家委員会(Council of Europe Select Committee of Experts on the Evaluation of Anti-Money Laundering Measures:
MONEYVAL)(旧PC-R-EV)
■東部および南部アフリカ・マネー・ローンダリング対策グループ (Eastern and Southern Africa Anti-Money Laundering Group:ESAAMLG)
■マネー・ローンダリングおよびテロ資金供与対策ユーラシア・グループ(Eurasian Group:EAG)
■南米金融活動作業部会(Financial Action Task Force on Money Laundering in South America:GAFISUD)
■アフリカにおけるマネー・ローンダリング対策政府間活動グループ(Intergovernmental Action Group against Money-Laundering in Africa:GIABA)
■中東および北アフリカ金融活動作業部会(Middle East and Africa Financial Action Task Force:MENAFATF)
上記に挙げられた一部を、下記で紹介しています。
アジア太平洋マネー・ローンダリング対策グループ
(Asia/Pacific Group on Money Laundering:APG)
マネー・ローンダリング対策における独立地域体であるAPGは、1997年2月にバンコクで開催され た第4回アジア太平洋マネー・ローンダリングシンポジウムで発足され、そこで“付託条項(Terms of Reference)”が可決されました。
付託条項は、FATFの40の勧告が国際的なマネー・ローンダリング対策のベンチマークであると認め ました。条項には、APGの加盟国がそれぞれの文化的価値観や憲法の枠組みに沿って、FATF勧告を 実施する誓約も含まれていました。また、国際的な取組みを確立するために、APGの加盟国がFATFと 密接に協力すると述べられていました。付託条項は、2006年の年次会議で改訂されました。
APGは以下の活動を行っています。
■アジア太平洋地域における協力的なAMLおよびテロ資金供与対策の取組みを提供する。
■フォーラムを開催し、以下の活動を行う。
□地域的な問題を討論し、経験を共有する。
□加盟法域(司法権の異なる国や地域)間の運営上の協力を呼びかける。
■国際的に受け入れられているAMLおよびテロ資金供与対策の採用と実施を加盟法域に促す。
■国際的なAMLおよびテロ資金供与対策の実施において、地域および法域に特有の事項につ いて配慮されるようにする。
■さらに有効な刑事共助等、各法域に対して、AMLおよびテロ資金供与対策の取組みの実施 を推進する。
■加盟国やオブザーバーの国もしくは法域の要請に応じて、実践的な支援を提供する。
APGは、加盟国の同意により発足した任意的および共同的な独立機関です。また、国際条約から派 生したものではなく、どの国際機関にも所属しません。しかし、マネー・ローンダリングおよびテロ資金
供与に対して一貫性のあるグローバルな対応を推進するため、関連国際機関や地域体による措置およ び協定について把握し続ける必要があります。
APGによる活動と措置は、加盟国間の合意によって決定されます。
APGは、有効なマネー・ローンダリングおよびテロ資金供与対策の措置の実施における主要なガイド ラインとして、FATFの40の勧告とFATF特別勧告を参考にしています。また、FATFと同様の仕組みを 使い、取組みの進捗のモニタリングや促進を行います。発足以来、APGとFATFは密接な関係にあり、
互いの会議に出席する相互権利や、文書の相互共有も認めています。一方、APGはその他のマネー・
ローンダリング対策の独立機関と同様に、自主的にポリシーと手法を定めています。
以下の要件を満たす法域(司法権の異なる国や地域)には、APGへの加盟の門戸が開かれていま す。
■マネー・ローンダリングおよびテロ資金供与への対策の必要性を認識している。
■知識と経験の共有から生まれる利点を認識している。
■国際基準に基づいたマネー・ローンダリングおよびテロ資金供与対策の法案やその他対策 の策定、可決、実施をすでに行った、もしくは積極的に進めている。
■国内法令の対象として、APGによる決定の導入に取り組む。
■相互評価プログラムへの参加に取り組む。
■APGにより同意された取り決めに従って、その予算に貢献する。
マネー・ローンダリング対策もしくはテロ資金供与対策に関する法律がすでに成立しているかどうか は、APGへの参加の前提条件にはなりません。
APGの事務局はオーストラリアのシドニーにあります。APGのホームページは、www.apgml.orgです。
カリブ金融活動作業部会(Caribbean Financial Action Task Force:CFATF)
世界的なマネー・ローンダリングの問題の解決には、主要な資金洗浄地となっているカリブ諸国の積 極的な参加が不可欠です。
カリブ諸国は、世界随一のコカイン生産 国および輸出国である南米アンデス地域と、
麻薬による収益(Drug Dollars)を最も多 く生みだす米国に近接していることから、麻 薬取引業者を含む多くの国際的な犯罪者に とって利用しやすい銀行のようなものになっ ています。
カリブ金融活動作業部会(Caribbean
Financial Action Task Force:CFATF)は、カリブ地域におけるマネー・ローンダリング対策の強 化を行っています。作業部会の主な目的は、マネー・ローンダリングおよびテロ資金供与の防止に関す る勧告への事実上の遵守を確実にすることです。CFATFのホームページはwww.cfatf.orgです。
CFATFは、マネー・ローンダリングおよびテロ資金供与の問題に対して共通の対抗措置を実施する という同意を示した、カリブ海地域に位置する数十の国から構成されます。1990年5月のアルバおよび
世
界的なマネー・ローンダリン グの問題の解決には、主要な 資金洗浄地となっているカリブ諸国 の積極的な参加が不可欠です。1992年11月のジャマイカで行われた会合の結果として発足し、カナダ、フランス、メキシコ、オランダ、
スペイン、英国、米国等の国々が、“協力国および支援国”としての機能を果たします。
アルバの会合では、カリブおよび中米の代表が犯罪収益の洗浄に対する共通の取組みの策定のため に集まり、19の勧告が提示されました。地域固有の関連性を持つこれらの勧告は、FATFの40の勧告 の補足的な役割を果たしています。アルバ19の勧告は、カリブ諸国に関する域内の特定の問題を取り 扱うために考案され、1999年に改定されました。
閣僚会議が1992年11月にキングストン(ジャマイカ)で開かれ、FATFの勧告、アルバ勧告、OAS モデル規制、1988年の麻薬および向精神薬の不正取引の防止に関する国際連合条約(1988 U.N.
Convention Against Illicit Traffic in Narcotic Drugs and Psychotropic Substances)の実施へ の取組みに対する政府の支持と承認を示す「キングストン宣言」(Kingston Declaration)が発表さ れました。また、事務局の設立が命じられました。
宣言には、法律に関して以下のような提案が出されました。
■米州機構(Organization of American States:OAS)の模範法に基づいて、マネー・
ローンダリングを定義すること。
■麻薬収益や関連資産の押収および没収に関する法律。また、押収対象の資産の特定、追跡 および評価と凍結命令を許可すること。
■行政機関による押収命令への異議申立(Judicial Challenge)を許可すること。
■有罪判決が出たすべての事件について、没収を許可すること。
■“麻薬密売の有罪判決を受けた人物がある所定期間内に入手した資産のすべてが、犯罪活 動によるものであった”という判決を、法廷が下すことを許可すること。
カリブ諸国は、マネー・ローンダリングの捜査において相互援助同意を締結しました。また、マ ネー・ローンダリングを、簡易手続きによる犯人引渡の対象となる犯罪行為であるとし、押収された資 産は協力国の間で共有されることに同意しました。
宣言の条項は以下のとおりです。
■“関係当局”の要請に応じて口座情報が公開されるという理解の下で、金融機関での番号口 座の継続を許可し、顧客の本人確認に関する厳格な法的要件を強く求める。
■大口の通貨取引において、顧客の本人確認の手続きと記録保存が“必須”である。
■金融機関による疑わしい取引の届出が許可されるよう、銀行秘密法を改正し、法規制の必 要性については任意とする。
CFATFは、加盟国によるマネー・ローンダリング対策の勧告の実施を以下の活動を通じてモニタリン グします。
■勧告の実施に関する自己評価
■継続的な加盟国の相互評価プログラム
■トレーニングおよび技術支援プログラムにおける協力や参加
■技術者のための隔年全体会議
■年次閣僚会議
南米金融活動作業部会
(South American Financial Action Task Force:GAFISUD)
南米金融活動作業部会(South American Financial Action Task Force:GAFISUD)は、
2000年12月にコロンビアのカルタヘナで発足しました。アルゼンチン、ボリビア、ブラジル、チリ、コ ロンビア、エクアドル、パラグアイ、ペルー、ウルグアイ等の国々から構成され、主な目的は南米のマ ネー・ローンダリング対策措置の実施です。
GAFISUDは、アルゼンチンに事務局を置き、政府間の合意によって発足しました。この合意では、
新しく加盟する国にも門戸が開かれています。GAFISUDのウェブサイトは、http://www.gafisud.org です。
中東および北アフリカ金融活動作業部会
(Middle East and North Africa Financial Action Task Force:MENAFATF)
2004年11月、閣僚会議の創立総会がバーレーンのマナマ(Manama)で開催され、14カ国の政 府が、中東および北アフリカのFATF型地域体の発足に合意しました。
この地域体は、中東および北アフリカ金融活動作業部会(Middle East and North Africa Financial Action Task Force:MENAFATF)と呼ばれ、本部はバーレーン王国にあります。ウェブ サイトはwww.menafatf.orgです。
MENAFATFは、任意団体であり、加盟国間の同意によって発足されたため、国際条約に由来して いません。従って、その他の国際機関からは独立し、加盟国の同意によって作業、規程、手続きを自 ら策定します。現在は、目標の達成に向け、主にFATF等、その他の国際機関と協力しながら活動を進 めていく予定です。
マネー・ローンダリングおよびテロ資金供与対策ユーラシア・グループ
(Eurasian Group on Combating Money Laundering and Terrorist Financing:EAG)
マネー・ローンダリングおよびテロ資金供与対策ユーラシア・グループ(Eurasian Group on Combating Money Laundering and terrorist Financing:EAG)は、別のFATF型地域体として 2004年10月にモスクワで発足しました。発足時の加盟国は、中国、ロシア、カザフスタン、タジキスタ ン、キルギス、ベラルーシでした。ユーラシア地域内の他の国も、EAGの全体会議での承認により加盟 することができます。
元FATF会長のジャン・ルイ・フォール (Jean-Louis Fort)は、ロシア連邦によって発足したこの機 関について、“世界の中で広大な地域におよび、その地域のテロおよびマネー・ローンダリングへの対抗 において新しく、かつ必要な構造を提供する”と述べました。グルジア、ウズベキスタン、ウクライナ、イ タリア、英国、米国等の国々や、FATF、世界銀行、国際通貨基金(IMF)等の国際機関はオブザー バーとして出席します。グループのウェブサイトは、www.euroasiangroup.orgです。
東部および南部アフリカAMLグループ
東アフリカから南アフリカにある14カ国によって構成されるFATF型地域体は、閣僚委員会、幹部作 業部会、事務局から構成されています。1999年には、加盟国間の理解を示した覚書を発表しました。
目的は以下の通りです。