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出典:金融活動作業部会(FATF)によるマネー・ローンダリングの犯罪類型2004-2005年

す。従業者について知ることは、会社の安全において、顧客やその他の“外部者”を知ることと同様に、

極めて重要です(マネー・ローンダリング対策コンプライアンス・プログラム参照)。

全従業者を潜在的な“敵”と見なす、もしくは“内なる敵”を発見するプロセスを導入することが行き過ぎ と思われる一方で、金融機関側の不注意により、1個人または小グループが甚大な被害をもたらす恐れ は、事実として存在します。ニューヨーク銀行(Bank of New York:BONY)の事件が良い一例で す。

2000年、ニューヨーク銀行の東欧部門の元ヴァイス・プレジデントだったルーシー・エドワード

(Lucy Edwards)とその夫ピーター・ベルリン(Peter Berlin)は、ニューヨークの連邦裁判所か らマネー・ローンダリングに関する有罪判決を受けました。彼らの罪状は、夫ベルリンがニューヨーク 銀行で開設した法人口座を通して、ロシアからの、出所が疑わしい何億ドルもの資金移動を幇助したと いうものです。

従業者候補および現職の従業者に対する身元調査、特に犯罪記録に関する調査を行うことは、厄介 な従業者を採用せず、解雇すべき者を特定するために大変重要です。

信用組合(Credit Union)もしくは住宅金融組合(Building Society)

英国のマネー・ローンダリング対策共同運営グループ(Joint Money Laundering Steering Group:JMLSG)は、2006年11月に出したガイダンスに、信用組合におけるマネー・ローンダリング のリスクは低いものの、マネー・ローンダリングおよびテロ資金供与のスキームに対して銀行業と同等の 脆弱性を有すると示しました。信用組合におけるプラスの面としては、銀行やその他金融機関と比較す ると小規模であるため、疑わしい取引がより早く報告され、犯罪者による現金の洗浄が困難であること が、マネー・ローンダリング対策共同運営グループの報告で示されました。なお、信用組合従業者に 対する英国規制の遵守は比較的容易で、例えば、15,000ユーロ(約20,000ドル) 以上の取引におけ る顧客の本人確認や、口座開設時の身元の検証等となっています。

主要な英国金融サービス事業者団体のグループであるJMLSGは、1990年以来、マネー・ローンダ リング対策に関するガイダンスを発表してきました。JMLSGによると、信用組合には主に2種類あり、1 つ目は基本的な貯蓄性預金と貸付商品しか提供しないバージョン1と呼ばれ、2つ目はさらに広範囲の 金融サービスを提供するバージョン2と呼ばれています。

報告によると、当然のことながら、バージョン2の活動ではより高いマネー・ローンダリングのリスクが 示されました。理由としては、顧客規模の大きさや、不正資金の隠蔽のための広範囲の手段を提供して いることが挙げられました。しかし全体的には、両方とも“現金取引の割合が高い”ため、マネー・ロー ンダリングおよびテロ資金供与のリスクを高めています。

マネー・ローンダリング対策共同運営グループは、その他リスクが高い取引として、第三者への送金 や、第三者による他者のための現金支払、および口座開設におけるの身元確認のための情報提供に対 する抵抗を挙げました。

また、JMLSGは、信用組合に対して、子供の口座の不自然な動きに対して注意すべきと助言しまし た。子供の口座なので注意を引かないと考えて、不正目的でその口座を使う親が存在する恐れがありま す。

JMLSGは信用組合に対して、こうしたリスクを伴う活動の対策として、正式に文書化されたポリシー を作成し、マネー・ローンダリングのリスクを軽減するための効率的な方法の概要をまとめるよう提案し ました。

これらのポリシーは、最低限、下記を含むべきです。

■ 信用組合特有のリスクを特定する方法:顧客、商品、および信用組合の所在地に細心の注 意を払う。

■ 評価したリスクの管理および統制に関する概要

■内部オペレーションのモニタリングおよび向上のための方法

■ リスクを防止する対策およびそれらの対策を講じた理由の文書化

■ 記録の保存措置に関する指示

JMLSGは、文書化されたポリシーに加えて、従業者への潜在的マネー・ローンダリングの検知およ び処理に関するトレーニングの実施、強化された顧客管理の手続き(Enhanced Due Diligence:

EDD)の徹底、そしてマネー・ローンダリング担当者の責任に関する周知が必要だと述べました。

銀行以外の金融機関

クレジット・カード業界

クレジット・カード業界には以下が含まれます。

■ ブランド・ホルダー:アメリカン・エクスプレス(American Express)や、マスターカー ド(MasterCard)、ビザ(VISA)等、クレジット・カード発行会社にメンバーとしてのラ イセンスを与え、ブランド名が入ったカードの発行を許可したり、商店にカードの取り扱い 許可を与えたりする

■ 発行会社(イシュアー:Issuing Bank):新規顧客の勧誘やクレジット・カードの発行を行う。

■ 事務処理会社(アクワイアラー:Acquiring Bank):クレジット・カード加盟店の取引を処 理する。

■ サードパーティ・プロセッサー:イシュアーやアクワイアラーと契約して、取引処理やそ の他のクレジット・カードに関するサービスを提供する。

 クレジット・カード業界では、通常、現金による支払を制限しているため、クレジット・

カード口座がプレイスメント(マネー・ローンダリングの第1段階)で使われることはあま りありません。むしろ、レイヤリングやインテグレイションで使われる傾向にあります。

  マネー・ローンダラーのジョッシュは、すでに銀行システムに入金した不正な資金を 使って、クレジット・カード利用額を前払いします。前払いをすることでジョッシュのク レジット・カードの信用枠が戻ります。その後、ジョッシュは、クレジット・カード利用 額の前払いをキャンセルし、返金を依頼します。これにより、彼は不正な資金源を一層曖

昧にすることができました。これがレイヤリングに当たります。そして、ジョッシュは、

すでに銀行システムに入金した不正な資金を使って、クレジット・カードで購入した新し いキッチンの支払いを行います。これにより、ジョッシュは、不正な資金のインテグレイ ションを行いました。

銀行が、クレジット・カード口座決済のための小切手払いを受け付けると、その資金源や、その資金 がどのように銀行システムへ入金されたのかを見つけ出すのは困難です。マネー・ローンダラーは、金 融機関へ資金を入金できれば、そこからクレジット・カードを簡単に入手することができます。マネー・

ローンダラーは、不正な資金をオフショア銀行に入金し、クレジット・カードやデビット・カードを使っ て、世界中からその資金があるオフショア口座へアクセスすることもできます。もしくは、ある法域(司法 権の異なる国や地域)から、規制監督の緩いオフショアにある法域へ現金を密輸し、その現金をオフ ショア銀行へ入金し、再び、クレジット・カードやデビット・カードで、その不正資金へアクセスするこ とができます。

米国会計検査院(US Government Accountability Office:GAO)は、 「クレジット・カードによ るマネー・ローンダリングの範囲は未知数である」(Extent of Money Laundering through Credit Cards Is Unknown)というタイトルの2002年の報告書で、クレジット・カードを使ったマネー・ロー ンダリングの仮説シナリオを提示しました。例えば、“マネー・ローンダラー ”は、不正な活動の‘フロント’

として、米国に合法なビジネスを立ち上げます。彼らは、米系銀行に銀行口座を開設し、その‘フロント 企業’の名義で、クレジット・カードやATMカードを入手します。不正な活動から得られた資金は、米 国の銀行口座に入金されます。その一方で、その米系銀行の支店のある別の国で、クレジット・カード やATMカードを使って、米国の銀行口座から引き出しを行います。銀行口座には、共犯者の1人が米 国から資金を預け入れ、クレジット・カードのローンを支払うために使ったり、もしくはクレジット・カー ド利用額の前払いさえ行います。銀行のオンライン・サービスが、預金口座とクレジット・カード口座

間の資金の移動を可能にしています。

送金サービス業者と通貨両替商

送金サービス業者は、顧客のために資金を送金します。彼らは顧客から現金を受けとり、手数料を 対価として、顧客から預かった金銭を指定された受取人に送金します。このような業種は、正当で合法 な金融サービスを提供しています。

送金サービス業界は、多くの民族グループで頻繁に利用されます。海外送金にかかる手数料が銀行 よりも低く、営業時間が柔軟なためです。特に、世界の中でも発展が遅れている地域では、適切な銀 行サービスが存在しないため、こういった地域への資金送金に多く利用されます。

FATFのマネー・ローンダリング犯罪類型報告書1996-1997年によると、送金サービス業者は様々 な種類の方法で活動していますが、一般的には、受領した現金を、銀行システムを通じて、海外の法 域(司法権の異なる国や地域)に所在する関連会社の口座に送金して最終的な受取人へ渡す業種で す。

送金サービス業者の活動は、下記のように分類されます。

■ 単独のネットワークを持つ資金送金会社(ウエスタン・ユニオン:Western Union やマ