417
?68
計
138 447 585定の傾向がなかったから,年とともに丁寧でないものが多くなった結果今鳳の ようになったというわけでもないことがわかる。前回は性によって大いに違っ ていて,女の方が丁寧な形を選択したのに,今圏は性差がほとんどなくなっ
た。
「議;事堂:」の場面はなお2しにもある。ここでは別のことばのところを取り上 げているし,また問題の性質も違っている。2!.の方では,丁寧な形の方が適 当とされているという点で4.とは逆である。4。が「あなたならこう霧う」とい
う質問形式であるのに対して,21.の方は「どれが適当か」というものである,
というところの違いがある。2!.の方は,前回よりも丁寧な方が支持されてお り,これは前回の揚合,年齢は若いほど丁寧な方を支持することの多かったこ との延長線上に今園の結果はあるのである。
4.と21。との相関表は表6−84のとおりである。この表によってもそう相関が 高いとはいえないことは,上述の結果から予想、されるとおりである。
5.「医者」の揚面でも前回よりも丁寧でない方の言い方が選択されていると いう点では同じである。前回はこれと同じ問いでは,年齢別に一定の傾向はな
かった。
同じ図面について,19.でも聞いている。19.の結果は5。よりも,今回の場 合,丁寧な方に!0%ばかり移っている。19.でもやはり前回よりも丁寧でない 方に大きく傾いたが,性の差はほとんど前回と同じぐらいであって,この点は 一般的傾向とは合っていない。
5.と!9.との桐関表を表6−85に示す。これは語形が全く同じなので,一貫率 を出すと,79ユ%となり,相当高いといいうるであろう。
以上1.から5.までを概観していえることは,前回と今回との20年の聞に,
164 6.継続調査の結果 (1)
裏6−85 「医者」の反応相関表
19「医者」
来ていただ おいでいただけま ッませんか せんでしょうか
計
5「医者」
来ていただけませんか
ィいでいただけません ナしょうか
415 92 R0 48
507 H8
言{亀
445 ユ40 585
「あなたならこう言う」においては,丁寧な語形から丁寧でない語形へ,多数 派が移動したことである。言う立揚としては,丁寧でない方を選択するように なった,ということは,言語使用者の意識が大幅に変わった,ということがで きる。ことばはただ丁寧であればいいものではないことがいえるようである。
ただしこの場合,今回はすべて10代の人の反応であることは断わっておかなけ ればならないが,それでも,将来の意識変革の可能性がここにあることにな る。今後これらの人々が年齢を重ねるにしたがって丁寧な方を選択するように なるのかも知れないが,しかし,可能性としては上述のようなことがいえるわ けで,その可能性もない反応ではなかったことは少なくとも断言できるところ
である。
!2.以後の,選択肢のうちどれが適当か,という質問形式のものでは,この 1,から5.までのものよりも丁寧な形に傾くところがある。これは,なるほど聞 けばこの方が適当と感じても,さて自分はこうは言えない,というように,自 分の言語生活について非常に客観的な位置づけをしている,とみることもでき よう。前回の調査では,例えば前回報蓋書の第220,222,224表などを見ると,
以上のようなことをいうための表ではないが,自分の書うときの方が適当かど うかのときよりも了寧な方を選択しているようであるので,この点でも20年間 には進歩があったと考えることができる。ただし,今回の被調査者が10代であ ることを忘れてはならない。
性による違いでは,1.から5.まではすべて,性差が小さくなっている。これ も被調査者が10代ばかりであって,すべて共学校での調査なので,この影響に よるとも考えられる。
6.4.スライF /・iee査 165
次の6.も「あなたならこう言う」の質問形式で,場面は「市役所」である。衰6−80で見るように,自分の父親の「言う」という動作に対する尊敬語を使 うという,望ましくない形はわずか5. 1%であって,前回の22.0%よりは,敬 語についての常識はずっと高くなったといえるであろう。前回の10代では27.3
%であった。前回はこの望ましくない形は30代が一番少なく,あと両側にいく にしたがって多くなっていたのに比べれば,敬語教育は大いに成果を挙げたと いいうるであろう。
性別では,前回は女の方が望ましい形が少なかったのに対し,今回は男の方 が少なくなっている。
個々の言語形式でいえば,今翻は「言いましたからjだけが増加して他は減 った。「申しましたから」というより丁寧な形が減ったことは上述のしから5.
までの傾向と同じである。この「申しましたから」は前回も大体の傾向として は若い方が少なかった。
14.も選択肢の刺激文が転じであるので,相関表として表6−86を作った。
14.の方は6.とは逆に「申しましたから1の方がr言いましたから」よりも 多い。ここでも,それが適当かの方では丁寧な方を選択するという一般的傾向 が示されたわけである。14.の場合は前回は年齢が低くなるにしたがって「申 しましたから」の率が低下していたのであるが,今回の結果はその延長線上に はないわけで,敬語常識の拡 表6−86r了搬脇の反癒相関表(1)
がりを示すものであろう。
14.では,父親の「言う」
動作に対して尊敬語を使った ものを適当とした人が,6.の それを言うと答えた人よりも
多かったのは,どれが適当
か,と問われると,了寧な方 を選択するという一般傾向に 引きずられたものであろう。表 6 一86によると,両方の
ユ4「了1ぎ役所」
申 お 言 言
オ つ わ い
ワ し れ まし や ま し
ア鳶奮 か ら ら
計
6舌役暫
中しましたから ィっしゃいましたから セわれましたから 曹「ましたから
122 0 3 23
@3 0 0 3
、0 2 8 4 P75 6 26 200
148
@6
Q4
S07
計 3玉0 8 37 230 585
166 6.継続調査の結果 (1)
閤で同じ答えを選択した者は330人で,一貫率は56.40/.となる。これは前回の 68.5%よりも低下した。前回報皆書ではこれと同じものは第24e表である。一 方の問で父親の「言う」について尊敬語を選択しながら他方ではそうでないと
いう二つの反応が矛盾している人は55人でこれは9。4%にあたる。前園の
!6.7%に比べれば,この点でも敬語常識は向上したといえるであろう。
7.は「傘貸し」の場面で,これ一つだけ「あなたならこう言ってもらいた い」という質問形式である。話し手は40〜50代の女性である。したがって,今 圓の場合は被調査者よりも目上であり,表6−80で見るように,前回よりも,
乱暴な形の「持っていきなよ」を認める入がわずかながら多くなり,rお持ち になってください」や「持っていらっしゃいませんか」のような尊敬語形,
「お持ちください」という謙譲的表現が減って,「お持ちなさい」というそれほ ど丁寧でない形が選択されたのもこのためであろう。
前回もrお持ちなさい」は年齢の低い方が多くなっているが,これは,この あともこの傾向がっつくというものではなくて,常に若い人がそう言われて,
それを認める入が多くなるということであろう。もっと拡げて前例の結果であ る第217表を見ると,丁寧な順に「持っていらっしゃいませんか」「お持ちにな ってください」「お持ちください1「お持ちなさい」「持っていきなよ」である とするならば,乱暴な「持ってVきなよ」を除けば,この順に年長者に支持さ れていることがわかる。全体として今回の結果は,前回の10代の結果とよく似 ているといえよう。
22.も問じ「傘貸し」の場面である。この22.は話し手が違って,男の50代の 入が,同じく男の20〜30代の人に傘を貸すときのことばである。ここでは選択 肢が三つであるから単純に比較できないが,話し手が男であるということもあ って£お持ちなさい」の形の支持率が高くなっている。前回は「お持ちになっ てくださいYと「お持ちください」の支持が前者女,後者男でそれぞれ10%前 後の違いがあったが,今圏は三つの選択肢とも性差はあまりなくなっている。
7.の方は性差はややみられる。
7.と22.との相関表を表6−87に示す。この表によれば同じ語形を選択した人 の率,すなわち一貫率は45.5%である。22.の方は選択肢が三つなので,その
三つに限っていえば一貫率
は52.6%となる。
8.から!!.までは,一つ
の発書を聞いて,それがそ の場爾で適当かどうかを答えるものである。
8.は40代のマダムが2
入,客間で話している揚面 である。蓑6−80によれば,この会話を適当とした人は
6.4.スライド調査 167 表6−87「傘貸し」の反応絹関表
22「傘貸し」
お お お
I霜な な くつ さ だ占い§ま
計
7﹁傘貸し﹂ お持ちになってください 揩チていきなよ ィ持ちなさい
揩チていらっしゃいませんか ィ持ちください
19 34 22
R ユ1 1 R6 197 38 Q4 25 15
R8 72 5075
?5
Q71 U4
?60
計 120 339 126 585
前園に比べて激減している。前回は10代でも4分の1は適当としていたのであ る。この点からいうと,ことばについて批判的な見方をする入が増えた,とい うことができよう。前團の結果では,学歴・階層とも高い方に適当とする人が
少なかった。
このような丁寧な会話は11.にもあらわれている。これは八百屋の店先での 30代の奥さんどうしの会話である。了寧さの度合いは8.の方が上であるので,
これが結果にあらわれている。しかし,&では今回の場合,性別では男の方が 女より適当とする人が多いことはおもしろい。流れるような女性の会話を認め てしまうのは男の方が多いのであろう。この傾向は前回も同様であった。これ に対して!!.は逆に女の方が男より適当とするものが多く,これは前回も同様 であった。ただし,11,の方は性差は前回・今回とも差は大きくない。11,で は,前回は,若いほど適当とする人が少なくなっていたが,それでも10代も,
3分目!以上が前回は適当としていたので,批判的にみる人が8.と同様増えた
といえる。
この8。と11.との相関表を表6−88に見ることにする。二つで慢じ答えをした 人の率は72.10/oである。一一方を適当としながら,他方を不適当とした人は合計 6!人で10.4%であって,これは少し多い感じである。
9.と10.とはともに「席ゆずられ」で,刺激文もまた「いいよ,いいよ,次 でおりるから」である。ただし,9.はこのことばは10代男から20〜30代男へ,