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9 要介護高齢者および認知症高齢者

ドキュメント内 口腔ケアマニュアル 済/とびら (ページ 115-118)

2章−9要介護高齢者および認知症高齢者

リフトを使っての生活

嚥下障害を有する状態

コミュニケーション障害を有する状態

図1 さまざまに違う生活の場での認知症や要介護高齢者の状態

―115―

→キーパーソンを把握し、口腔ケアの重要性を説明し、同意を得る

どのような口腔ケアが必要か

よくある問題点

① 歯科的な治療がされないまま放置されている(図2)。

1)欠損や残根(C)のまま→孤立歯が多い 2)重度の歯周病→動揺歯が多い

3)歯髄感染(C)をしているう蝕

→「口を使える」環境づくりを行う

② 口腔清掃をはじめとする口腔管理が十分できてない(図3)。

口臭が強い

歯垢がべっとり付着し、歯肉が腫脹している

(背景要因)

1)セルフケアが困難 2)口腔ケアへの拒否や抵抗 3)開口制限がある

図2 自立的な対応がうまくいかず口の崩壊が進行していく 認知症や要介護高齢者の口腔の実態

―116―

4)口腔周囲の筋(口輪筋など)の萎縮により義歯の着脱が困難 5)口腔乾燥が強く、口角が切れやすい

→時間をかけても確実に「口腔を清潔にできる」環境づくりを支援する

③ 「食べる」という口腔機能が低下している。

むせのある誤嚥を起こしやすい。

→機能的口腔ケアが必要

夜間就眠中に生じる「むせのない誤嚥(不顕性誤嚥)」も誤嚥性肺炎対策と して非常に重要

④ 身体的問題で、コミュニケーションが取りづらい場合がある。

失認・失行などに加えて、意味不明の会話、言語喪失、難聴、構音・発声障害など により意思疎通が困難。

著しい筋力低下ため動作が緩慢で指示に対する対応に時間がかかる。

→対象者が発する細かな身体反応に注意し、本人の意思の把握に努める

ピットフォール

① 口腔に見られる問題(う蝕・歯周病など)をすべて解決してしまおうとする。

② 疾病や障害により見られる身体的特徴を、ケアを拒否していると見誤まること。

③ 食事を普通に摂っているという情報で、口腔機能が正常と思ってしまいやすい。

2章−9要介護高齢者および認知症高齢者

外されない触れない義歯の実態

図3 清掃などができていない義歯の実態

―117―

カルテ・看護師・主治医から予め確認しておくべき情報

歯科的な介入に際して重要な患者情報の把握。

1)身体情報について

① 基礎疾患に関する情報

② バイタルサイン(意識レベル、体温、血圧など)の確認

③ 薬剤情報(麻薬・鎮痛剤、降圧剤・利尿剤、抗うつ剤、その他)

④ 感染性疾患合併の有無

⑤ 易出血性の有無

⑥ 気切部や胃ロウなどの管理

⑦ 要介護度(運動能力や活動性)など

→口腔ケア実施に際しての基本的な注意点を把握する

2)生活情報について

食事に関する情報

① 食種:ミキサー食・とろみ食・キザミ食・軟食・普通食など

② 食事の状況:食事にかかる時間・食べこぼし・むせの有無など

③ 摂取カロリーや水分摂取等の状況

→家族や介護スタッフが苦労している問題を把握する

情報は、処置やケアに関わる内容とリンクさせて「整理・確認」することが大切であ る。

ドキュメント内 口腔ケアマニュアル 済/とびら (ページ 115-118)