2章−5◆頭頸部がん手術後
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❸ カルテ・看護師・主治医から予め確認しておくべき情報
1)意識レベル
◇鎮静していれば、その深さと使用薬剤
◇術後せん妄の発症の有無
2)呼吸管理
◇気管内挿管・酸素療法の有無
◇抜管や気管切開孔閉鎖の予定
(気管切開であれば)カニューレ(図1)の種類(カフの有無)や固定法
3)栄養管理
◇静脈栄養(中心または末梢)・経管栄養
◇経口摂取を再開する見込み
4)全身状態の安定度
◇術後の安静を解除する計画
皮弁の採取部位(前腕、大腿、腹直筋 など)も確認
◇離床(歩行許可)の見込み
COLUMN
気管切開と嚥下障害
気管切開は、次の理由で嚥下機能 に悪影響を及ぼすと考えられてい る。①カニューレが皮膚から喉頭を 貫き、喉頭挙上が妨げられる、②声 門下圧を陽圧に維持できない、③呼 気が声帯方向へ流れない、④異物で あるカニューレが留置されること で、喉頭・気管の咳反射の閾値が上 昇する、⑤カニューレ(特にカフ付 き)が食道を圧迫し、通過障害を起 こす。
図1 気管カニューレの例(カフ有、吸引ライン付)
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5)手術関連
◇術式(原発の切除域や頸部郭清術の有無、保存可能であった神経や筋肉など)
◇欠損・再建組織の確認(筋皮弁の donor 部位、頸部における血管吻合部の位置な ど)
◇神経障害や機能障害の程度(特に嚥下機能を維持するための知覚や運動の障害)
◇頭頸部の可動範囲(制限)、頸部回旋・固定の指示。ギャッチアップの可否
◇ドレーンの留置位置の確認
◇皮弁部の汚染、皮弁および手術部位のリーク、唾液や痰、浸出液などの咽頭貯留など
6)感染防御能/臨床検査値の把握
◇局所感染/肺炎合併の有無
❹ 口腔ケアのポイント
① 感染予防という点では、他の場面に比較して治療的意義が大きい。
② 残存機能を賦活化し、廃用症候群の発症を予防する(ただし、リハビリの開始時期 については見きわめが難しい)。
大きな目標として
◇口腔細菌由来の「創部(局所)」および「創外感染(特に誤嚥性肺炎)」の予防
◇口腔機能(摂食、嚥下、会話)の早期回復
① 術後の絶食期間が長くなることが多いので、術前にプラークフリーにしておくこ とが望ましい。
② 術前に口腔環境を整えることが効果的な感染予防につながる。
感染根管治療および残根の抜歯(術後の易感染状態における急性転化の予防)
義歯の修理やリベース・歯冠修復(顎位の安定と術後の褥瘡性潰瘍を予防)
歯周初期治療・PMTC(細菌数の可及的減少とケアしやすい環境作り)
❺ 口腔ケア時の注意点
① 感染予防において創部のケアは重要だが、過度の刺激は出血や創部の縫合不全、ひ いては感染の原因となるため注意する。
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② 手術後は知覚・運動域の低下、腫脹や疼痛などさまざまな要因が複合して誤嚥しや すい状況となっているため注意を要する。
③ 気管切開カニューレが抜けるのは非常に危険!
④ 呼吸状態が不安定な患者では SpO2をモニターする。血圧などもモニターされてい れば、訪床時の数値を確認しておく。
⑤ 座位が可能で、上体を前傾した姿勢にできる場合には、洗浄時に誤嚥するリスクが 低い。