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5 頭頸部がん手術後

ドキュメント内 口腔ケアマニュアル 済/とびら (ページ 85-88)

2章−5頭頸部がん手術後

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カルテ・看護師・主治医から予め確認しておくべき情報

1)意識レベル

鎮静していれば、その深さと使用薬剤

術後せん妄の発症の有無

2)呼吸管理

気管内挿管・酸素療法の有無

抜管や気管切開孔閉鎖の予定

(気管切開であれば)カニューレ(図1)の種類(カフの有無)や固定法

3)栄養管理

静脈栄養(中心または末梢)・経管栄養

経口摂取を再開する見込み

4)全身状態の安定度

術後の安静を解除する計画

皮弁の採取部位(前腕、大腿、腹直筋 など)も確認

離床(歩行許可)の見込み

COLUMN

気管切開と嚥下障害

気管切開は、次の理由で嚥下機能 に悪影響を及ぼすと考えられてい る。①カニューレが皮膚から喉頭を 貫き、喉頭挙上が妨げられる、②声 門下圧を陽圧に維持できない、③呼 気が声帯方向へ流れない、④異物で あるカニューレが留置されること で、喉頭・気管の咳反射の閾値が上 昇する、⑤カニューレ(特にカフ付 き)が食道を圧迫し、通過障害を起 こす。

図1 気管カニューレの例(カフ有、吸引ライン付)

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5)手術関連

術式(原発の切除域や頸部郭清術の有無、保存可能であった神経や筋肉など)

欠損・再建組織の確認(筋皮弁の donor 部位、頸部における血管吻合部の位置な ど)

神経障害や機能障害の程度(特に嚥下機能を維持するための知覚や運動の障害)

頭頸部の可動範囲(制限)、頸部回旋・固定の指示。ギャッチアップの可否

ドレーンの留置位置の確認

皮弁部の汚染、皮弁および手術部位のリーク、唾液や痰、浸出液などの咽頭貯留など

6)感染防御能/臨床検査値の把握

局所感染/肺炎合併の有無

口腔ケアのポイント

① 感染予防という点では、他の場面に比較して治療的意義が大きい。

② 残存機能を賦活化し、廃用症候群の発症を予防する(ただし、リハビリの開始時期 については見きわめが難しい)。

大きな目標として

口腔細菌由来の「創部(局所)」および「創外感染(特に誤嚥性肺炎)」の予防

口腔機能(摂食、嚥下、会話)の早期回復

① 術後の絶食期間が長くなることが多いので、術前にプラークフリーにしておくこ とが望ましい。

② 術前に口腔環境を整えることが効果的な感染予防につながる。

感染根管治療および残根の抜歯(術後の易感染状態における急性転化の予防)

義歯の修理やリベース・歯冠修復(顎位の安定と術後の褥瘡性潰瘍を予防)

歯周初期治療・PMTC(細菌数の可及的減少とケアしやすい環境作り)

口腔ケア時の注意点

① 感染予防において創部のケアは重要だが、過度の刺激は出血や創部の縫合不全、ひ いては感染の原因となるため注意する。

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② 手術後は知覚・運動域の低下、腫脹や疼痛などさまざまな要因が複合して誤嚥しや すい状況となっているため注意を要する。

③ 気管切開カニューレが抜けるのは非常に危険!

④ 呼吸状態が不安定な患者では SpOをモニターする。血圧などもモニターされてい れば、訪床時の数値を確認しておく。

⑤ 座位が可能で、上体を前傾した姿勢にできる場合には、洗浄時に誤嚥するリスクが 低い。

ドキュメント内 口腔ケアマニュアル 済/とびら (ページ 85-88)