1)在宅や施設での日常的なケアと組み合わせて口腔ケアを提供し、生活の支援 の一環として家族や介護スタッフとの連携をする(図4、図5)。
◎患者の支援にかかわる家族や介護スタッフとのケアカンファランスの実施 無理なくケア体制が組めるような環境設定をする。
2)患者の身体機能状況および身体能力を考慮する
① パルスオキシメーターなどで対象者の心肺機能をモニターする。
② 無理のない状態の体位を確保する。
③ ケアの手順をきめ順序よく進める。
④ 顔の清拭(目ヤニなどを取り除くなども含む)・肩の運動・首の運動・深呼吸な ど、直接口腔に触れる前に、これらの領域への対応を行う。
⑤ 口腔や口唇が乾燥している場合はケアの開始に当たって湿らせたガーゼなどで拭く。
2章−9◆要介護高齢者および認知症高齢者
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⑥ 状態に応じて短い時間で繰り返し実施する。
⑦ 抵抗がある場合は無理なケアにならないように配慮する:抵抗・拒否の理由を考え る。
3)口腔機能を評価する(ROAG や BDR 指標を参照)
① 食事や水分摂取に際してのむせの有無の確認。
◇食事中にむせる、食後にむせる、水分摂取時にむせる、など。
② 水分摂取後の湿声・嗄声など声の質の確認。
◇水やお茶などを一口飲ませた後発「アー」という発声をさせ声の質の変化の有無を 確認する。
③ うがい(洗口[ブクブク]および含嗽[ガラガラ])などの実施状況の確認。
◇しっかり吐き出せる、だらだらと口角から流れ出る、など。
④ 粘膜、特に舌の汚れの状況の確認。
◇厚い舌苔、薄い舌苔、舌全体の汚れか部分的か、など。
図4 ケアプラン表と訪問時の文書書式の一例
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⑤ 食物残渣や歯垢など口腔の汚染状況の確認。
◇歯肉、口腔底、口腔前庭、舌背、口蓋、など。
⑥ 口腔乾燥や流涎の有無の確認。
◇口角に流涎の跡がある、常に流涎している、乾燥している、など。
⑦ 開口量およびその保持能力の確認。
◇しっかり保持できる、1−2横指程度しか開かない、口がすぐ閉じてしまう、など。
4)患者のセルフケア能力を誘導する(BDR 指標を参照)
① 残存機能などを考慮し、セルフケアが可能な方法・部位をみきわめる。器材の選択 や工夫について指導し、実施させる。
② ケアの実施が長時間になり過ぎないように、最終的には補助し仕上げる。
【B】 1.手指機能に合わせてブラシなどの「柄の太さ・長さ・曲がり」などを工 夫する。
2.可能であれば、歯間ブラシなどの補助清掃用具を導入する。
2章−9◆要介護高齢者および認知症高齢者
図5 依頼票と長崎市における訪問の流れ
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3.状態によっては電動歯ブラシをすすめ、体感させてみる。
【D】義歯の着脱はできるだけ本人に実施させる。
【R】ケア後に含嗽剤などを用いて清涼感等を体感させる。
5)口腔機能向上などにつながる口腔ケアを考慮する(図6)
(器質的な問題にとどまることなく機能面まで)
① 歯周組織への対策
② 口腔粘膜の清掃とマッサージ・口腔周囲筋の伸展運動
③ 舌の清掃と運動
④ 唾液腺の刺激
⑤ 顔面表情筋のマッサージなど
⑥ 頸部の屈伸ならびに回旋運動など
⑦ 肩の上下運動や回旋運動
図6 ケアの種類とその形の一部事例 表情筋へのアイシングと頸部罨法
咽頭部アイスマッサージ
ブローイング
口腔周囲筋の 伸展運動
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