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高流動コンクリート

ドキュメント内 Taro-前書.jtd (ページ 166-171)

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解説表 5. 2.14 バッチミキサの練混ぜ性能 施)

5.8  高流動コンクリート

5.8  高流動コンクリート   

(1) 高流動コンクリートの施工にあたっては,所定の自己充てん性が得られるように,高流動コンクリー トに関する十分な知識と経験を有する専門技術者の指導のもと,材料,配合,製造方法,品質管理の 方法を定めなければならない施). 

(2) 高流動コンクリートは,所要の強度,耐久性,ひび割れ抵抗性,自己充てん性等をもち,品質のばら つきの少ないものでなければならない施). 

(3)高流動コンクリートでは,打込み対象となる構造物の形状,寸法,配筋状態を考慮して,自己充てん 性のレベルを定めるものとする施). 

(4) 自己充てん性のレベルは,型枠に打ち込まれる直前のコンクリートに対して,適切に設定しなければ ならない施). 

(5) 自己充てん性のレベルとして,次の 3 ランクを設定する施). 

ランク 1:鋼材の最小あきが 35〜60mm 程度で,複雑な断面形状,断面寸法の小さい部材または箇所 に打ち込まれる高流動コンクリートに必要な自己充てん性施) 

ランク 2:鋼材の最小あきが 60〜200mm 程度の鉄筋コンクリート構造物または部材に打ち込まれる高 流動コンクリートに必要な自己充てん性施) 

ランク 3:鋼材の最小あきが 200mm 程度以うえで断面寸法が大きく配筋量の少ない部材または箇所,

無筋の構造物に打ち込まれる高流動コンクリートに必要な自己充てん性施) 

(6) 通常の鉄筋コンクリート構造物または部材に対しては,自己充てん性レベルのランク 2 を標準とする のがよい施). 

(7) 高流動コンクリートに用いる材料は,JIS ならびにあるいは土木学会規準に適合するものであること を標準とする施). 

(8) JIS あるいは土木学会規準に品質規格の定められていない材料を用いる場合には,それらが所要の自 己充てん性および硬化コンクリートの品質を満足するものであることを,信頼できる資料や試験によ って確認しなければならない施). 

(9) 高流動コンクリートの配合は,構造物の構造条件,施工条件および凍結融解などの環境条件に応じて 所要の流動性,材料分離抵抗性および自己充てん性を有し,強度,耐久性およびその他の必要な性能 が得られるように定める. 

(10) 高流動コンクリートの配合設計にあたっては,構造物の種類,構造条件,施工条件,入手可能な材料 の種類,コンクリート製造工場の制約条件などを考慮して,粉体系,増粘剤系,併用系の高流動コン クリートの中から適切な種類を選定するのがよい施). 

(11) 高流動コンクリートの練混ぜには,原則としてバッチ式の強制練りミキサを用いるものとする施).  (12) 高流動コンクリートの練混ぜ方法は,既往の実績あるいは試験によって適切に定める施). 

(13) 高流動コンクリートの 1 回バッチあたりの練混ぜ量は,高流動コンクリートの種類,ミキサの練混ぜ 性能,運搬量,出荷速度などを考慮して定めるが,ミキサ最大容量の 80〜90%を標準とする施). 

(14) 高流動コンクリートの1バッチあたりの練混ぜ時間は,高流動コンクリートの種類,ミキサの練混ぜ 性能などを考慮して定め,強制練りミキサの場合には 90 秒以上を標準とする施). 

(15) 高流動コンクリートが,設定したフレッシュコンクリートの性能を満足していることを,工場での実 機練りにより確認しなければならない.また,満足していない場合には,配合の修正を行わなければ ならない.施) 

(16) 骨材の表面水率の補正が迅速に行えるように,必要に応じて,表面水率の測定頻度を多くする施).  (17) 製造開始当初は,フレッシュコンクリートの品質が変動しやすいため,品質が安定するまでは品質管

理試験の頻度を多くする施). 

(18) 高流動コンクリートの受入れ検査は,受入れ側の責任のもとに実施することとし,自己充てん性の検 査によって打込み前に行うことを標準とする施). 

 

【解  説】

  (1)について  高流動コンクリートに使用される材料の種類は多岐にわたり,配合の自由度も高 い.その反面,通常のコンクリートと比較して,高流動コンクリートの品質は骨材の表面水率の変動の影響 を受けやすいなど,高流動コンクリート特有の性質も有する.そのため,このコンクリートの特性を理解し,

その利用技術を習得して,さらに経験を有する専門技術者の指導のもと,安定した所定の自己充てん性が確 保できるよう,高流動コンクリートに使用する材料,配合,製造方法,品質管理の方法を定め,高流動コン クリートの性能を十分に把握したうえで製造と施工を行わなければならない.施)  

(2)について  高流動コンクリートは自己充てん性を有することに大きな特徴があるため,フレッシュコ ンクリートの品質のばらつきにより自己充てん性が低下すると,ポンプ圧送時の閉そく,高所からの落下 や長距離流動を行ったときの材料分離,過密配筋箇所の未充てん,型枠表面の豆板などの不具合発生に直 結する.そのため,通常のコンクリートと比較して特にフレッシュコンクリートの品質に留意しなければ ならない.施)  

(3)および(4)について  自己充てん性のレベルは,型枠内に打ち込まれる直前のコンクリートに対して,

打込み対象となる構造物の形状,寸法,配筋状態を考慮して,適切に設定しなければならない.設定した コンクリートの自己充てん性のレベルに応じて,落下高さ,流動距離,リフト高さなどの施工条件を適切 に設定し,施工計画に反映させる必要がある.施)  

(5)および(6)について  高流動コンクリートの自己充てん性のレベルをランク 1〜3 の 3 つに設定するこ ととした.それぞれのランクは,構造物または部材の寸法や配筋条件に基づいて設定することとし,ラン ク 2 の場合に,鋼材の最小あきが 60〜200mm 程度の条件で自己充てん性を有するコンクリートとした.こ れは鋼材量の目安で,一般に,100〜350kg/㎥程度に相当する.ランク 1 は,これより厳しい条件でかつ[設 計編:本編]13.3に示されるかぶりやあきの下限条件を満足する場合に相当し,ランク 3 は,ランク 2 に比 べて緩い条件であり,鋼材の最小あきが 200 ㎜程度以上あるいは鋼材量が 100kg/㎥程度未満の条件で自己 充てん性を有するコンクリートとした.一般の鉄筋コンクリート構造物や部材では,鋼材の最小あきが 60

〜200mm 程度,鋼材量の目安が 100〜350kg/㎥程度であり,通常の鉄筋コンクリート構造物または部材に対 しては,自己充てん性レベルのランク 2 を標準とするのがよい.また,逆打ちコンクリートなどの狭い空 間への充てんコンクリートや鋼コンクリート合成構造の鋼殻内充てんコンクリートとして適用する場合に は,配筋条件に因らず,ランク 2 あるいはランク 1 の自己充てん性を有する高流動コンクリートとするの

がよい.なお,各ランクの高流動コンクリートは,JSCE-F511「高流動コンクリートの充てん装置を用いた 間げき通過試験方法(案)」で規定する充てん装置(解説 図 5.8.1)を用いて試験を行った場合の U 形または ボックス形充てん高さがそれぞれ,障害 R1 を用いて 300mm 以上,障害 R2 を用いて 300mm 以上,障害なし で 300mm 以上の性能を有する高流動コンクリートに相当する(解説 表 5.8.1) . 施)  

                                 

解説 図 5.8.1  充てん装置を用いた間げき通過試験装置

施)

 

 

解説 表 5.8.1  高流動コンクリートの自己充てん性のランク

施)

 

※土木学会規準 JSCE-F511「高流動コンクリートの充てん装置を用いた間げき通過試験方法(案)」で規定  する充てん高さ 

 

(8)について  このガイドラインに規定されていない材料あるいは今後新規に開発される材料は,コンク リートの自己充てん性を確認することにより使用することができる.ただし,この場合にもこのガイドラ インに規定されている硬化コンクリートの品質を満足することを,信頼できる資料や試験によってあらか じめ確認しなければならない.JIS あるいは土木学会規準に品質規格の定められていない材料のうち,す でに高流動コンクリートの材料として実績がある材料の例としては,石灰石微粉末,砕石粉,増粘剤があ

自己充てん性のランク  1  2  3 

鋼材の最小あき        (mm) 35〜60 程度  60〜200 程度  200 程度以上  構 造 

条 件  鋼材量              (kg/m3) 350 程度以上  100〜350 程度以上 100 程度以下 

U 形またはボックス形充てん高さ (mm) 300 以上 

(障害 R1) 

300 以上 

(障害 R2) 

300 以上 

(障害なし) 

る.粉体量の増加によって材料分離抵抗性を高めるとき,粉体として結合材を増加させると,発熱を高め たり,収縮が増加しやすくなる.そのため,反応性の低いあるいは反応性のない粉体として,石灰石微粉 末や砕石粉が利用されている.増粘剤は,主に材料分離抵抗性をコンクリートに付与するために用いられ るものと,材料分離抵抗性の付与と材料の品質変動による影響を低減する効果を併せ持つものがある.な お,増粘剤のなかには,化学混和剤との相互作用で,それぞれの効果に悪影響をおよぼすものもあるので,

これらの組合せに十分注意し,品質を確認してから使用することが重要である.施)  

(9)について  東北地方は凍結融解リスクが高いため,高流動コンクリートも AE コンクリートとし,空 気量を 6%とする. 

配合の表し方は,一般に解説 表 5.8.2によるものとする. 

 

解説 表 5.8.2  配合の表し方

施)

 

単位量(kg/m3)  粗骨材 混和剤 

の最大 寸法  (mm) 

自己充 てん性 の  ランク 

水結合 材比  (%) 

水粉体 容積比 

(%) 

空気量  (%) 

単位粗骨 材絶対容

積  (m3/m3

水  W 

セメント C 

混和材 F 

細骨材 S 

粗骨材 

G  高性能

AE 減 水剤 

増粘剤

その他 の混和 剤 

       

注 1)同類の材料を複数種類用いる場合は,それぞれの欄を分けて表す. 

注 2)自己充てん性のランクの欄には,充てん装置を用いた間げき通過試験における障害の種類を記述する. 

注 3)高性能 AE 減水剤の使用量は,kg/m3で表し,単位水量の一部となる. 

注 4)その他の混和剤の使用量は,ml/m3または g/m3で表し,薄めたり溶かしたりしないものを示すものとする. 

注 5)増粘剤は kg/m3で表すものとする. 

(11)について  高流動コンクリートは,通常のコンクリートと比較して降伏値が小さく塑性粘度が大きい という特徴があるため,原則として練混ぜ性能の高いバッチ式の強制練りミキサを用いて製造を行うものと した.一般的には,練混ぜ時間を短くでき,かつ,排出時間も短い水平二軸型の強制練りミキサを用いるの がよい.施)  

(12)について  ミキサヘの材料の投入順序は,通常のコンクリートの場合と同様な方法で行っている例が 多い.しかし,通常のコンクリートと比べて練混ぜ負荷が大きいことから,特に粗骨材の投入時に過大な負 荷がかかり,ミキサが動かなくなったり強制的に停止する場合があるので,留意する必要がある.また,高 性能 AE 減水剤あるいは高性能減水剤の分散効果は,使用する粉体の種類や骨材の品質,材料の投入順序やミ キサの練混ぜ性能などの影響を受ける.したがって,練混ぜ性能の優れたミキサを使用したうえで,練り混 ぜたコンクリートが所定の性能を得られるように,材料の投入順序,練混ぜ量,練混ぜ時間などの練混ぜ方 法を,既往の実績を参考にするか,試験によって適切に定める必要がある.施)  

(13)について  高流動コンクリートは,練混ぜ時のミキサの負荷が大きくなる傾向にあり,十分な練混ぜ 性能を得るために 1 バッチの量を減少させることが多い.既往の実績での 1 バッチあたりの練混ぜ量は,ミ キサ最大容量に対して 80〜90%としている場合が多い.施)  

(14)について  高流動コンクリートは,材料分離抵抗性を高めるために単位粉体量を多くしたり,増粘剤 を使用することから,通常のコンクリートと比べて粘性が高く,所要の品質を得るために要する練混ぜ時間 は長くなる傾向にある.所要の品質を均一に得るのに必要な練混ぜ時間は,使用するミキサの練混ぜ性能の

違いや 1 バッチあたりの練混ぜ量によって異なるため,試験によって適切な練混ぜ時間を確かめるのがよい.

なお,既往の施工事例における練混ぜ時間は,強制練りミキサを使用する場合で 90〜150 秒としていること が多いことから,強制練りミキサにおける練混ぜ時間は標準として 90 秒以上を目安とするのがよい.施)  

(15)について  実際に使用する工場で製造した高流動コンクリートと,あらかじめ室内実験にて設定した 配合の高流動コンクリートとでは,フレッシュコンクリートの性状が相違する場合が多い.この理由の 1 つ に,ミキサの練混ぜ性能の相違がある.この場合の配合の修正は,一般に高性能 AE 減水剤の添加量の調整で 行われる場合が多い.修正方法の詳細は土木学会「高流動コンクリートの施工指針」の製造・施工マニュア ルに具体的に示されているので参考にするとよい.施)  

(16)について  高流動コンクリートのフレッシュ性状は,骨材の表面水率の変動の影響を受けやすい.屋 根付きの骨材貯蔵設備であっても最初の数バッチは表面水率が大きい場合が多いため,表面水率が安定する までは必要に応じて測定回数を多くし,その結果を速やかに計量値の補正などに反映させることが重要であ る.自動水分計等により連続的に表面水率を測定して,速やかに計量値を補正できるような装置を用いるこ とが望ましい.施)  

(17)について  製造開始直後は骨材の表面水率が変動しやすいため,フレッシュコンクリートの品質も変 動しやすい.そのため,品質が安定するまでは品質管理試験の回数を多くして製造管理に反映させる必要が ある.高流動コンクリートでは,所要の特性が実現できるよう,通常のコンクリートで行われている練混ぜ 時のミキサ消費電力の確認やフレッシュコンクリートの品質試験のほか,流動性,材料分離抵抗性および自 己充てん性の品質管理試験を行うことが重要である.一般的には,流動性はスランプフロー試験,材料分離 抵抗性は 50cm フロー到達時間または漏斗流下時間で管理し,必要に応じて,充てん装置を用いた間げき通過 試験により自己充てん性を管理するのがよい.施)  

(18)について  高流動コンクリートの受入れ検査は,受入れ側の責任のもとに実施することとし,

解説 表 5.8.3

による自己充てん性の検査によって打込み前に行うことを標準とする施). 

 

解説 表 5.8.3  自己充てん性の検査

施)

 

 

                     

【参考文献】 

施) 土木学会 2007 年制定 コンクリート標準示方書 施工編

 

自己充てん性

のレベル  試験・検査方法  時期・回数  判定基準 

ランク1

〜 ランク 3 

JSCE-F511 の方法 50m3につき1回以上  充てん高さが  300mm 以上であること 

解説 図 6.1.1  施工フロー図 

 

 

 

ドキュメント内 Taro-前書.jtd (ページ 166-171)