YESNO
写真 4. 2.1 酒田塩害橋の事例
5.2 配 合
5.2.7.3 練混ぜ水
(1) 練混ぜ水は,上水道水,JSCE-B 101 または JIS A 5308 附属書 3 に適合したものを標準とする施). (2) 回収水は,JIS A 5308 附属書 3 に適合したものでなければならない施).
(3) 海水は一般に練混ぜ水として使用してはならない施).
【解 説】 (1)について 練混ぜ水は,コンクリートの凝結硬化,強度の発現,体積変化,ワーカビリテ
ィー等の品質に悪影響を及ぼしたり,鋼材を腐食させるような物質を有害量含んでいてはならない.一般に は特別な味,におい,色および濁りがなく飲用に適する水は,コンクリートの練混ぜ水として使用できる場 合が多い.施)練混ぜ水としては上水道水,河川水,湖沼水,地下水,工業用水等が使用される.ただし,工場排水およ び都市下水等によって汚染された河川水や湖沼水等には,硫酸塩,よう化物,りん酸塩,ほう酸塩,炭酸塩 や鉛,亜鉛,銅,すず,マンガン等の化合物,アルカリ等の無機物ならびに糖類,パルプ廃液,腐食物質等 の有機不純物が含まれている場合がある.これらの物質がたとえ微量でも含まれている水を練混ぜ水として 使用すると,コンクリートの凝結硬化,強度の発現,体積変化,ワーカビリティー等に悪影響を及ぼすこと がある.また,練混ぜ水に塩化物や硝酸塩,硫酸塩等を含む水を用いると,鋼材の腐食を促進するおそれが あり,特にプレストレストコンクリートで常時高応力下にあるような緊張材では,応力腐食を起こしやすく なる.また,迷走電流のあるところでは,電食による鋼材の腐食が促進される.したがって,上水道水以外 の水の場合には,JSCE-B 1Ol「コンクリート用練混ぜ水の品質規格(案)」,または,JIS A 5308 附属書 3(規 定)「レディーミクストコンクリートの練混ぜに用いる水」の規定に適合したものを用いるのを標準とした.
施)
ただし,上水道水以外の水の場合には,解説 表 5.2.11 に示す JSCE-B101「コンクリート用練混ぜ水の品 質規格(案)」,または,解説 表 5.2.12に示す JIS A 5308 附属書 3(規定)「レディーミクストコンクリート の練混ぜに用いる水」の規定に適合したものを用いるのを標準とした.なお,東北地方においては,特に低 温期には適切なコンクリート温度を確保するために,練混ぜ水の加温が必要となる.
解説 表 5.2.11 上水道水以外の水の品質規定(JSCE-B101「コンクリート用練混ぜ水の品質規格(案) 」 )
項 目 品 質
懸濁物質の量 2g/L 以下
溶解性蒸発残留物の量 1g/L 以下
塩化物イオン(Cl-)量 200ppm 以下
水素イオン濃度(pH) 5.8〜8.6
モルタルの圧縮強度比 材齢 1,7 日および材齢 28 日で 90%以上
空気量の増分 ±1%
解説 表 5.2.12 上水道水以外の水の品質規定
(JIS A 5308 附属書 3(規定)「レディーミクストコンクリートの練混ぜに用いる水」 )
項 目 品 質
懸濁物質の量 2g/L 以下
溶解性蒸発残留物の量 1g/L 以下
塩化物イオン(Cl-)量 200ppm 以下
セメントの凝結時間の差 始発は 30 分以内,終結は 60 分以内
モルタルの圧縮強度比 材齢 7 日および材齢 28 日で 90%以上
(2)について レディーミクストコンクリート工場やプレキャストコンクリート工場において,ミキサある いはトラックアジテータ車等の洗浄水の上澄水は,コンクリートの強度,ワーカビリティー等に悪い影響が ないことを確かめれば,これを練混ぜ水として使用してよい.また,余剰のコンクリートやモルタルから骨 材を回収する際に発生するセメント等の微粉末が懸濁しているスラッジ水は,その懸濁濃度や懸濁物質の単 位セメント量に対する割合等を十分に管理できるものであれば,コンクリートの品質に悪影響のないことを 確かめたうえで練混ぜ水として使用してもよい.ただし,回収水には塩化物イオンやアルカリが含まれてい るので,使用にあたってはこれらの濃度についても考慮することが必要であり,回収水については,JIS A 5308 附属書 3 に適合したものを用いなければならないとした.施)
ただし,建設事業に伴い生コン工場から発生する廃棄物を削減するために,スラッジ水については,その 懸濁濃度や懸濁物質の単位セメント量に対する割合等を十分に管理できるものであれば,呼び強度 36N/mm2 までのコンクリートの練混ぜ水として用いてよいものとする.また,スラッジ水に含まれるスラッジ固形分 率は 3%を超えてはならない.また,回収水については,解説 表 5.2.13に示す JIS A 5308 附属書 3 に適合し たものを用いなければならない.
解説 表 5.2.13 スラッジ水についての規定
項 目 品 質
塩化物イオン(Cl-)量 200ppm 以下
セメントの凝結時間の差 始発は 30 分以内,終結は 60 分以内
モルタルの圧縮強さの比 材齢 7 日および材齢 28 日で 90%以上
(3)について 海水を使用すると,長期材齢におけるコンクリートの強度増進が小さくなること,エフロレ ッセンスが生じやすいこと,耐久性が小さくなる傾向にあること等から,一般に使用してはならない.また,
海岸近くの井戸水には塩化物イオンが含まれている場合が多いため,塩化物イオンの含有量を確かめたうえ で用いる必要がある.なお,用心鉄筋を配置していない無筋コンクリートの場合には,海水を用いることで コンクリートに品質に悪影響がないことを確認したうえで,練混ぜ水として使用してよい.施)
5.2.7.4 骨 材 5.2.7.4.1 一 般
(1) 骨材は,コンクリートを製造する地域で製造されたものを用いることが望ましいが,良質なコンクリ ートとするためには,品質の優れた良質なものを用いなければならない.
(2) 再生骨材,人工骨材,低品質骨材の活用を行う場合には,予め,それらの骨材を用いたコンクリート が,所定の品質が得られることを試験により確認しなければならない.
(3) 外部からの塩化物の作用を受ける地域(海洋環境下あるいは寒冷地で凍結防止剤の散布量の多い地 域)では,外部塩類のコンクリート内への浸透によるアルカリシリカ反応の促進が懸念されるので,
化学法で「無害」と判定された骨材を使用することを原則とする.化学法で「無害でない」と判断さ れた骨材を使用する場合には,外部から浸透する塩化物の影響を取り入れた試験によって,使用骨材 あるいは使用配合の安全性を確かめなければならない.
【解 説】 (1)について 骨材はコンクリートを製造する上で量的に大きなウェイトを占める材料であり,
運搬に伴うCO2排出による環境負荷の低減や資源の有効利用の観点から,コンクリートの製造地付近の骨材を 使用することが望ましい.コンクリートの収縮(乾燥収縮)は,強度・耐久性とならぶ重要な性能である.
乾燥収縮は,これまでコンクリートの形状・寸法,コンクリートの配合が関係するとされていたが,骨材の 性質に負うところも大きい.骨材の性質には地域特性が認められることもあり,使用する骨材のコンクリー トに及ぼす収縮特性を予め把握しておく必要がある.
(2)について 資源の有効利用,省資源の観点から,再生骨材,人工骨材,骨材中の不純物量,物理的性質,
アルカリシリカ反応性および粒度等が JIS 規格や土木学会規準に適合していない等の低品質骨材の活用に積 極的に努める必要がある.ただし,使用に当たっては,事前に,発注者,施工者,コンクリート製造者の間 で協議し,コンクリート性能が所定の品質が得られることを試験により確認しなければならない.
(3)について 寒冷地の道路構造物などでは,車両や人物等の走行・歩行安全性を確保するために凍結防止 剤が散布される.これらは,アルカリ金属イオンを含んでおり溶液となってコンクリート中に浸透する.凍
結防止剤が頻繁に散布されるところでは,コンクリート中のアルカリ金属イオン量が上昇し,たとえ混合セ メントを用いたコンクリートであっても,「無害でない」骨材を用いた場合にはアルカリシリカ反応を抑制で きない危険性がある.したがって,凍結防止剤が頻繁に散布される場所では,直接散布される箇所に限らず,
溶液の飛沫が飛散する範囲のコンクリートについても,「無害」骨材を用いることが望ましい.このようなこ とから,化学法で「無害でない」と判定された骨材を使用する場合には,外部からの塩化物の影響を取り入 れた試験方法(例えば SSW モルタルバー試験)で骨材の安全性の検討を行うか,外部からの塩化物の影響を取 り入れた試験方法(例えば SSW コンクリート試験など)で配合の安全性の検討を,前述の方法により,行わな ければならない.ここで「SSW モルタルバー試験」とは,骨材のアルカリシリカ反応性試験方法(JIS A 1146)」
において供試体を包む吸取り紙に含ませる真水を 20%NaCl 水溶液に変える点のみが異なる試験方法である.
5.2.7.4.2 細骨材
(1) 細骨材は,清浄,堅硬,耐久的かつ化学的あるいは物理的に安定し,有機不純物,塩化物等を有害量 含まないものとする施).
(2) 細骨材として用いる砂の品質は表 5.2.2のものを標準とする施).
表 5.2.2 砂の品質
施)項 目 品 質 試験方法
絶乾密度 g/cm3 2.5 以上1) JIS A 1109
吸水率 % 3.5 以下2) JIS A 1109
粘土塊 % 1.0 以下3) JIS A 1137
コンクリート表面がすりへり
作用を受ける場合 3.0 以下4)
微粒分量 %
その他の場合 5.0 以下4)
JIS A 1103
有機不純物 標準色液又は色見本の色
より淡い5) JIS A 1105 塩化物(塩化物イオン量) % 0.04 以下6) JSCE-C 502
安定性(耐凍害性) % 10 以下 JIS A 1122
1)購入者の承認を得て,2.4 以上とすることができる 2)購入者の承認を得て,4.0 以下とすることができる.
3)試料は,JISA1103 による骨材の微粒分量試験を行った後にふるいに残存したものを用いる.
4)試験溶液の色合いが標準色より濃い場合でも有機不純物を含む細骨材のモルタルの圧縮強度による試験方法に規 定する圧縮強度百分率が 90%以上であれば,購入者の承諾を得て用いてよい.
5)細骨材の絶乾質量に対する百分率であり,NaCl に換算した値で示す.購入者の承認を得た場合は,0.1 以下として よい.プレテンションプレストレストコンクリート部材に用いる場合は,0.02 以下とし購入者の承認があれば 0.03 以下とすることができる.
(3) 砕砂は,JIS A 5005 に適合したものを標準とする施).
(4) 高炉スラグ細骨材は JIS A 5011-1 に,フェロニッケルスラグ細骨材は JIS A 5011-2 に,銅スラグ細 骨材は JIS A 5011-3 に,電気炉酸化スラグ細骨材は JIS A 5011-4 に適合したものを標準とする施). (5) 再生細骨材は,JIS A 5021 に適合したものを標準とする施).
(6)細骨材は大小粒が適度に混合し,その粒度が表 5.2.3の範囲にあるものを標準とする施).
表 5.2.3 細骨材の粒度の標準
施)
(7) 異種類の細骨材または同一種類でも品質の異なる細骨材を混合使用する場合は,混合する前の品質が それぞれ(2),(3),(4),(5)の規定に適合したものを標準とする.ただし,塩化物量と粒度について は,混合したものの品質が表 5.2.2および表 5.2.3の規定に適合すればよい.施)
【解 説】 (1)について 細骨材の粒度は(6)に,細骨材に含まれる有機不純物,塩化物等の有害物含有量
の限度,細骨材の耐久性に関する事項は(2)の規定に適合した細骨材を用いることを標準とした.また,堅硬ふるいの呼び寸法(㎜) 10 5 2.5 1.2 0.6 0.3 0.15 ふるいを通るものの
質量百分率 (%) 100 90〜100 80〜100 50〜90 25〜65 10〜35 2〜101) 1)砕砂あるいはスラグ細骨材を単独に用いる場合には質量百分率を 2〜15%にしてよい.混合使用する場合で,0.15
㎜通過分の大半が砕砂あるいはスラグ細骨材である場合には 15%としてよい.
2)連続した 2 つのふるいの間の量は 45%を超えないのが望ましい.