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橋梁構造物  4.5.2.1  排水対策 4.5.2.1  排水対策

ドキュメント内 Taro-前書.jtd (ページ 77-82)

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写真 4. 2.1  酒田塩害橋の事例

4.5  構造細目

4.5.2  橋梁構造物  4.5.2.1  排水対策 4.5.2.1  排水対策

コンクリート構造物の耐久性を確保するために,コンクリート構造物の上面に排水勾配を設け,流末ま で適切に導くものとする. 

 

【解  説】  橋梁は,鉄筋コンクリート床版や下部構造の支承部が雨水や凍結防止剤の影響を受ける構造物 であり,コンクリート構造物の耐久性を確保するために排水および防水対策を十分に行うものとする. 

橋梁上部工の地覆や壁高欄,下部構造頂部の支承部まわりなどのコンクリート構造物の上面には 2%程度の 排水勾配を設けて,滞水しないよう排水するものとする.下部構造頂部は,伸縮装置からの漏水の他,支承 部まわりは一般に風通しが悪く,塵芥や結露水が溜まるなどコンクリートの凍結融解,鋼材の腐食など劣化 しやすい環境にある.下部構造頂部の排水処理として,橋台,橋脚の桁座面は,解説 図 4.5.1のように橋軸 直角方向または橋軸方向に排水勾配を付けるものとする. 

           

解説 図 4.5.1  下部構造頂部の縦断方向の勾配 

 

排水勾配を付与する場合,鋼材の最小かぶりは確保するよう留意するものとする. 

2%

橋 台

橋 脚 桁

 

また,路面の排水は途中で滞水や飛散することにより,コンクリートに影響を与えている例が多いことか ら,流末まで導くことを基本とする.なお,流水管は凍結により破損しないよう一般構造用炭素鋼鋼管

(STK400)を使用し,耐久性を確保するものとする. 

 

 

4.5.2.2  防 水 対 策  

(1) コンクリート床版の上面には防水工を設けるものとする. 

(2) 防水工は,防水性能,施工性,床版や舗装との密着性,耐久性および経済性などを考慮して選定する ものとする. 

(3)床版上面の滞水を防止するため,導水パイプと水抜き孔を設置するものとする. 

 

【解  説】  (1)について  自動車荷重の影響を模擬した輪荷重走行試験によって,コンクリート床版の疲労 損傷過程の研究が進み,コンクリート床版のひび割れに水などが流入すると,床版コンクリートの劣化が著 しく進展し,乾燥状態に比べて早期に床版コンクリートの抜け落ちにまで至るなど,床版の寿命が大幅に短 くなることが明らかにされた.したがって,路面から床版への水や塩化物イオンの浸透を防ぎ,床版の耐久 性を保持するため,コンクリート床版上面のすべてに防水層を設けるものとした. 

床版上面に水を張った状態と乾燥状態とした場合の輪荷重走行試験の結果を比較すると,湿潤状態では乾 燥状態に比べて 50〜300 倍もの速さで床版が破壊に至ることが報告されている.また,凍結防止剤の散布地 域や,海岸付近で波しぶきがかかる場所においては,舗装から,コンクリート床版上面にまで水や塩化物イ オンが到達し,床版へ浸透すると,床版内部の鋼材の腐食が促進される.この点からも,コンクリート床版 の耐久性能確保のために,床版上面に達した水や塩化物イオンが床版に浸透しないよう床版防水を設けるこ とが重要となる.このとき,床版防水層によって,床版上面に到達した水が床版コンクリートに直接触れる ことがないようにするだけでなく,到達した水が床版防水層うえで滞水することがないよう,速やかに排水 することも重要である. 

また,床版防水層を施しても,床版への水分の浸透を完全には防ぐことはできない.したがって,浸透し た水分が床版内へ蓄積されないよう,床版は浸透した水分が床版下面から蒸発できるような状態にしておく のがよい.このことから,下面全体を鋼板や塗装で覆ったりしないのがよい. 

(2)について  コンクリート床版の防水工法として,シート系防水と塗膜系防水の 2 工法がある.一般に防 水層の施工が良好であれば,耐久性はシート系防水が優れているが,塗膜系防水においても反応樹脂型に分 類されるウレタン樹脂系の防水材は,防水性やひび割れ追従性に優れている. 

コンクリート床版に水が浸透しやすいのは,地覆コンクリート内側や排水ますおよび伸縮装置と舗装との 境界部である.したがって,シート系防水層を用いる場合には,境界部付近ではコンクリートあるいは鋼材 とシート系防水層とが良く接着するよう,エポキシ樹脂系の接着剤を用いて接着するものとする. 

ウレタン樹脂系の防水材は,主剤にウレタンプレポリマー,硬化剤にポリオール,ポリアミンなどが用い られる.硬化反応が速いため専用の二液混合式の吹付け機などで施工するが,床版面から地覆部の立上がり 面,排水ますや伸縮装置まわりにも連続して吹付けられ,シームレスな防水膜を構成できる.防水膜は耐熱 性に優れ,伸び率も 300%以上あり,ひび割れ追従性に優れるが,アスファルトとの接着性に留意するものと

する. 

防水工は,「道路橋床版防水便覧 (社)日本道路協会 平成 19 年 3 月」に示される,防水性,遮塩性,接 着性,耐変形性,耐熱性,耐薬品性,耐荷性,耐久性,排水性,環境安全性,維持管理性,施工性などの防 水層としての要求性能に着目し,対象とする床版および舗装材料の特性や対象路線の重要度による耐久性を 総合的に判断し,適切なものを選定するものとする. 

(3)について  床版上面の舗装からの浸透水を滞水させることなく,確実に排水させるための床版防水とし て,防水層のほかに導水パイプと水抜き孔を設置するものとする. 

導水パイプの種類には,有孔管,スパイラル管,メッシュ管などがあり,材料にはステンレス鋼製や,舗 装材料のリサイクルに配慮した樹脂製のものがある.導水パイプは,基層舗装時に路側端部の地覆内側など に設置し,舗装内部に浸透した水を確実に排水ますや床版の水抜き孔に導くものとする.表層にポーラスア スファルト混合物などを用いる場合は,排水量が多いため導水帯と導水パイプを用いる場合がある.導水帯 は透水機能を有する混合物を充てんする場合が多い. 

床版の水抜き孔は,床版上や床版防水層上の滞留水,導水パイプや導水帯によって集水された水を床版下 面に排水するための,床版を貫通する鉛直方向の排水設備である.その流末は,けたや支承,橋脚,橋台な どに排水がかからないよう排水管に接続するものとする. 

導水パイプと排水ますの接続例を解説 図 4.5.2に,床版の水抜き孔の設置例を解説 図 4.5.3に示す. 

       

   

           

解説 図 4.5.2  導水パイプと排水ますの接続例 

 

           

 

 

解説 図 4.5.3  床版の水抜き孔の設置例

 

 

 

4.5.2.3  ひび割れ対策 

(1) 橋梁下部構造のフーチングおよび壁,上部構造の PC 桁柱頭部において,セメント水和熱に起因した 温度応力によるひび割れが問題となると判断された場合,本節に示すひび割れ対策を行うことが望ま しい. 

(2) 外部拘束が小さい地盤上に施工されるフーチングでは,原則的に打継目を設けず,1 回で打設できる ように計画することが望ましい. 

(3) 壁については,温度応力解析を行い,適切な間隔でひび割れ誘発目地を設置することが望ましい. 

(4) ひび割れ誘発目地を設けた場合は,その位置にあらかじめ止水対策を施し,ひび割れ発生後はエポキ シ樹脂等を注入して,構造体としての一体性を確保しなければならない.また,ひび割れ誘発目地以 外でひび割れが生じた場合には,6.4.11に従って補修を行う必要がある. 

(5) PC 桁柱頭部において,温度ひび割れが懸念される場合には,発熱量の低いセメントの使用やひび割 れに対する用心鉄筋を配置することが望ましい. 

 

【解  説】  (1)について  セメントの水和に起因するひび割れが懸念され,マスコンクリートとして取り扱 うべき構造物の部材寸法は,構造形式,使用材料,施工条件によりそれぞれ異なるため一概には決めにくい が,おおよその目安として,広がりのあるスラブについては厚さ 80〜100cm 以上,下端が拘束された壁では 厚さ 50cm 以上と考えられている.橋梁構造物においては,フーチング,壁,プレストレストコンクリート橋 における柱頭部等にひび割れ発生の懸念があり,これらに対してひび割れ対策を行う必要がある.解説 図

4.5.4

に橋梁におけるひび割れ対策を示す. 

                           

(2)について  べた基礎や杭基礎のように比較的外部拘束の小さい地盤上に打設されるフーチングの場合 であっても,2 層以上に分割してコンクリートを打設した場合,対策をとらずして許容されるひび割れ幅に まで制御することは極めて困難である.地盤の外部拘束が小さい場合でもあっても層打ち施工を行うと,先

橋梁におけるひび割れ対策

フーチング  壁  PC柱頭部 

①コンクリートを 1 回で打設  ①ひび割れ誘発目地の設置  ①ひび割れ用心鉄筋の配置 

②低発熱セメントの使用 

③プレクーリング・ 

パイプクーリングの検討

②低発熱セメントの使用 

③その他の対策 

④その他の対策 

②低発熱セメントの使用 

③プレクーリング・ 

パイプクーリングの検討 

④その他の対策 

解説 図 4.5.4  橋梁におけるひび割れ対策

 

ドキュメント内 Taro-前書.jtd (ページ 77-82)