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一  般

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写真 4. 2.1  酒田塩害橋の事例

4.3  体積変化によるひび割れに対する照査

4.3.1  一  般

(1) 設計段階においては,体積変化に起因する初期ひび割れの検討が必要であるかどうかを判断し,必要 である場合は初期ひび割れの検討を行うこととする. 

(2) 体積変化に起因する初期ひび割れの検討に当たっては,ひび割れの発生確率が基準値以下となること を確認しなければならない. 

(3)沈下ひび割れおよびプラスティック収縮ひび割れについては,一般にその照査を省略してもよい.ま た,既往の施工実績から問題のないことが知られている構造物については,水和発熱および自己収縮 によるひび割れの照査を省略してもよい.設) 

(4) ひび割れの制御を目的としてひび割れ誘発目地を設ける場合には,構造物の機能を損なわないように,

その構造および位置を定めなければならない設).   

【解  説】  (1)および(2)について  コンクリートは,温度変化,乾燥収縮および自己収縮などによって体 積変化が生じる.これらの体積変化に起因にして発生するひび割れとして,温度ひび割れ,乾燥ひび割れお よび自己収縮ひび割れがある.体積変化に起因するひび割れのうち,とりわけ温度ひび割れの照査について は,これまで施工段階においてその検討が行われていた.すなわち,温度ひび割れや乾燥収縮ひび割れの発 生危険度は,コンクリートを打設する季節や施工工程に大きく依存することから,詳細な施工条件が確定し たのちに数値解析による検討を実施するのが一般的であった.しかしながら近年の研究成果により,設計や 使用材料が不適切な場合には,施工段階での対策だけでは温度ひび割れの防止や制御が極めて難しいことが 明らかとなり,それゆえ有害なひび割れを防止するためには設計面,材料面,施工面から総合的に対策を講 じることが必要であるとの認識に至った.以上のような経緯を踏まえ,このガイドラインでは,設計段階に おいては,体積変化に対する初期ひび割れの検討が必要であるかどうかを判断し,必要である場合は初期ひ び割れの検討を行うこととした. 

設計段階において初期ひび割れに対する検討を有限要素法などの数値解析を用いて行う際,コンクリート の打設時期や施工工程は未定である.それゆえ,この段階では温度条件としては安全側の条件,すなわち構 造物に対して最も厳しい条件を仮定するのがよい.具体的には,打設時期は夏場とし,一回の打設量を考慮 した標準的なリフト高さを仮定する.また,解析期間は,施工完了後の 1 年を通じて構造物の温度が最も低 くなるまでとする.検討の結果得られたひび割れ指数を基に,設計段階で最大限講じうる適切な対策を提案 する.この設計段階での検討は,いわゆる予備検討と位置づけられるものである.発注者は,さらに実際の 施工条件や使用する材料特性を基に施工段階における検討の必要性を判断するものとする. 

施工段階に発生するひび割れが設計耐用期間にわたる構造物の種々の性能に及ぼす影響は必ずしも明らか にされてはいないが,耐久性,安全性,使用性,耐震性の照査は,構造物の所要の性能に影響するような初 期ひび割れが施工段階で発生しないことを前提としていることは言うまでもない.施工段階で発生する初期 ひび割れが構造物の所要の性能に影響しないことを確かめておけば,設計耐用期間中の性能を確保するうえ

では十分に安心できることも事実である.施工段階に発生する体積変化に起因するひび割れの制御には様々 な対処が可能であり,配合設計や構造諸元が確定した後でも,施工手順や養生方法などによって制御するこ とも可能である.また,施工段階で発生するひび割れは,供用後に発生するひび割れとは異なり,構造物の 受け取り検査時に,容易に発見できる特徴を有する.なお,セメントの水和に起因するひび割れが構造物の 性能に与える影響の有無を確認する方法を,[資料Ⅰ-2]に示した.(解説 図 4.3.1)設)  

         

                                                   

 

解説 図 4.3.1  初期ひび割れに対する検討フロー

設) 沈下ひび割れ 収縮に伴うひび割れ セメントの水和に

起因するひび割れ

 

プラスティック 収縮ひび割れ 

初期ひび割れ

照査 (4.3.2.1(3)) 

既往の施工実績から 問題の無いこと が知られている

一般に照査を省略してよい

照査を省略してよい YES

NO 照査

(資料Ⅰ-2)

START

環境条件,構造物の寸法形状,施工 方法,コンクリート配合の設定

限界値の設定

温度解析 

(資料Ⅰ-2「2章 温度解析」) 

予測値の算定

ひび割れ発生確率の限界値 (4.3.2.2)

予測値は限界値の範 囲に収まっているか

END YES

NO 応力解析 

(資料Ⅰ-2「3章 応力解析」)

コンクリートの力学特性の設計値

(資料Ⅰ-2「4章 物性値」) 

材料の熱物性の設計値 

(資料Ⅰ-2「4章 物性値」)

                   

解説 図 4.3.2  マスコンクリートとして扱う断面寸法の目安

   

(3)について  施工段階に発生する主なひび割れとして,硬化前に発生する材料分離や急速な乾燥が主たる 要因となるひび割れ,および水和や乾燥に伴うコンクリートの体積変化に起因するひび割れを取り上げた.

しかし,沈下ひび割れは,骨材の沈下や材料分離によって鉄筋上面や変断面部に発生することがあるが,適 切な時期にタンピングを施すと一般に防ぐことができる.また,プラスティック収縮ひび割れは,ブリーデ ィング水の上昇速度に比べ,表面からの水分の蒸発量が大きい場合に生じるおそれがあるが,コンクリート を打ち込んだ後に表面からの急速な乾燥を防止すれば,一般に防ぐことができる.すなわち,6 章にしたが って施工すれば,問題となるような沈下ひび割れやプラスティック収縮ひび割れの発生を防ぐことができる のでこれらのひび割れの照査を省略してもよい.セメントの水和に起因するひび割れにおいても,安全性,

使用性,耐久性,美観などの観点を十分に考慮しても問題ないと判断されるような極めて微細なひび割れは,

照査を省略してもよい.設)  

また,鉄筋コンクリート高架橋等のように,同種の構造物が数多く施工される場合,施工段階で発生する 初期ひび割れが構造物の所要の性能に影響しないことが既往の施工実績から明らかにされていれば,本章の 照査を省くことができる設). 

セメントの水和に起因するひび割れが懸念され,マスコンクリートとして取り扱うべき構造物の部材寸法 は,構造形式,使用材料,施工条件によりそれぞれ異なるため一概には決めにくいが,おおよその目安とし て,

解説 図 4.3.2

に示すように広がりのあるスラブについては厚さ 80〜100 ㎝以上,下端が拘束された壁で は厚さ 50 ㎝以上と考えてよい.しかしながら,プレストレストコンクリート構造物などのように,富配合の コンクリートが用いられる場合には,より薄い部材でも拘束条件によってはマスコンクリートに準じた扱い が必要になる.設)  

(4)について  一般にマッシブな壁状の構造物などに発生する温度ひび割れを材料,配合上の対策により制 御することは難しい場合が多い.また,水密性を要するコンクリートにおいては,ひび割れの発生によって 初期の目的が達成できなくなる.このような場合,構造物の長手方向に一定間隔で断面減少部分を設け,そ の部分にひび割れを誘発し,その他の部分でのひび割れ発生を防止するとともに,ひび割れ箇所での事後処 理を容易にする方法がある.予定箇所にひび割れを確実に入れるためには,誘発目地の断面減少率を 30〜50%

程度以上とする必要がある.ひび割れ誘発目地の間隔は,構造物の寸法,鉄筋量,打込み温度,打込み方法

等に大きく影響されるので,これらを考慮して決める必要がある.また,目地部の鉄筋の腐食を防止する方 法,所定のかぶりを保持する方法,目地に用いる充てん材の選定等についても十分な配慮が必要である.ひ び割れ誘発目地を設けることにより,壁状の構造物などでは,比較的容易にひび割れ制御を行うことができ る.しかし,ひび割れ誘発目地は,構造上の弱点部にもなり得ることから,その構造および位置等は過去の 実績なども参考にしながら適切に定める必要がある.設)

 4.5.2.3

には橋梁下部工の場合,および

4.5.3.2

に はボックスカルバートなどの場合の一例を示す. 

 

 

4.3.2  温度および収縮ひび割れ 

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