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基本的事項

ドキュメント内 Taro-前書.jtd (ページ 86-90)

YESNO

写真 4. 2.1  酒田塩害橋の事例

5.1  基本的事項

2)東北地方は他の地方と異なり,凍害,飛来塩分および凍結防止剤散布による塩害などの特に考慮すべき環 境要因があり,また,アルカリシリカ反応なども他の地方と同様に認められる.建設事業を行うに当たっ ては,コンクリート構造物を設置する地域の劣化・損傷の状況を把握し,それに対応する対策をとること が必要である.各地の凍害危険度については「実構造物群の調査結果に基づく凍害損傷リスクマップの作 成に関する研究」(コンクリート工学論文集,Vo.19, No.1, pp29-38, 2008)を参考にすると良い.なお,

発注者は,それぞれの地域における構造物の劣化状況について,継続して情報を集積し,それらの知見を 総合して,新たに設置する構造物の具備すべき耐久性能を設定することが望ましい. 

3)製造するコンクリートについては,このガイドラインの

4 章をもとに,構造物と構造部材の種類や重要度

に合わせて,

解説 表 4.1.1 レディーミクストコンクリート標準仕様基準, 解説 表 4.1.2 構造物の種類お

よび供用環境から導かれるレディーミクストコンクリート標準仕様基準から選定するのがよい.これらは,

標準的時期において標準的配筋の設計で,標準的耐久性が要求される場合の標準仕様であり,これらを基 に実施工の条件(構造物の種類や供用環境)を吟味して配合を選定する必要がある.  

スランプ値については,最初に部材の種類,鉄筋量や鉄筋間隔に基づいて打込みに必要な最小スランプを 設定し,このスランプを基準として,荷卸し箇所から打込みまでの現場内運搬によるスランプの低下およ び荷卸し箇所におけるスランプ管理幅等を加えた荷卸しの目標スランプを定め,さらにレディーミクスト コンクリート工場から工事現場までの場外運搬により低下するスランプ分を加えた練り上がり目標スラン プとして決定することを基本とする.従って,実施工の条件によっては必ずしも標準仕様基準に示したス ランプ値になるとは限らず,適宜変更して運用することを基本とする. 

4)冬期における厳しい寒冷条件は,コンクリートの配合や製造時の品質管理,施工時のコンクリート養生な どにおいて特段の配慮を要する.これらの配慮を怠ると,供用開始前にひび割れ等の不具合を生じさせ,

供用開始後のコンクリート構造物の性能を大きく低下させてしまう可能性がある.また,供用開始後の構 造物にあっては,凍結防止剤の散布など,利用者の安全確保の観点からコンクリート構造物に劣化外力を 作用させざるを得ない場合が生じるので,これを予め配慮してコンクリートの品質を定める必要がある. 

5)コンクリート製造における環境負荷低減(資源の有効利用と CO2低減に向けた対応)に努めなければなら ない. 

6)凍害の影響を受ける環境においては,連行される空気泡が内部水の凍結に伴って増大する水圧を緩和させ る働きを持つことから,AE コンクリートとすることによる耐凍害性の改善効果は非常に大きい.さらに,

AE コンクリートとすれば,所要のワーカビリティーを得るために必要な単位水量を相当に減らすことがで き,密実なコンクリートが比較的容易に得られるので,耐凍害性以外の耐久性も向上する. 

7)東北地方では寒冷な気候の地域が多く,厳しい気象条件に暴露されたコンクリート構造物では凍結融解の 繰り返し,さらに,凍結防止剤の散布による外部塩化物に起因するスケーリング等の凍結融解の劣化,鉄 筋等の腐食促進など,コンクリートが劣化し,その耐久性低下を招く事例が少なくない.東北地方のこれ らの環境を鑑み,コンクリート材料の選定は,コンクリートの性能・耐久性に重きをおいて実施すること が必要である. 

 

5.1.2  コンクリートの品質に関する施工者との協議すべき事項 

(1) JIS 認証品のレディーミクストコンクリートを製造する際には,所要の品質のコンクリートが得られ るように,以下の施工者との協議事項および施工者からの指定事項を協議し,JIS A 5308 に示され ているレディーミクストコンクリートの種類より選定するものとする.  

 

1)協議事項:a)セメントの種類  b)骨材の種類  c)粗骨材の最大寸法 

d)アルカリシリカ反応抑制対策の方法   

2)指定事項:e)骨材のアルカリシリカ反応性による区分  f)呼び強度が 36 を超える場合の水の区分  g)混和材料の種類および使用量 

h)標準とする塩化物含有量の上限値と異なる場合はその上限値  i)呼び強度を保証する材齢 

j)標準とする空気量と異なる場合はその値 

k)軽量コンクリートの場合はコンクリートの単位容積質量  l)コンクリートの最高または最低の温度 

m)水セメント比の目標値の上限値  n)単位水量の目標値の上限値 

o)単位セメント量の目標値の下限値または上限値 

p)流動化コンクリートの場合は流動化する前のレディーミクストコンクリートからの スランプの増大量 

q)その他必要な事項   

(2) JIS 認証品以外のレディーミクストコンクリートを発注する場合には,所要の品質のコンクリートが 得られるように,(1)に準じて呼び強度,荷卸し地点の目標スランプまたは目標スランプフロー,粗 骨材の最大寸法等を協議しなければならない. 

(3) 東北地域での厳寒期のコンクリートの製造・運搬について,コンクリートの品質を確保するために以 下の事項を施工者と協議することが望ましい. 

 

r)コンクリート温度(練上り時〜荷卸し時)の確保およびその方法  s)適切な凝結時間の確保およびその方法 

t)凍結の防止およびその方法  u)適切な空気量の確保の対策 

v)その他,東北地方において特に協議が必要な事項 

 

 

【解  説】

  (1)について  JIS 認証品のレディーミクストコンクリートを製造する際には,所要の品質のコ ンクリートが得られるように,解説 表 5.1.1 に示すレディーミクストコンクリートの種類と指定事項のう ち必要な事項を協議しなければならない. 

フレッシュコンクリートに必要とされる充填性,運搬中および荷卸し地点から打込み時の品質変化等を考 慮して,粗骨材の最大寸法,呼び強度,荷卸し地点での目標スランプまたは目標スランプフローおよびセメ ントの種類をもとに,レディーミクストコンクリートの種類を協議しなければならない.なお,スランプに ついては,土木学会「施工性能にもとづくコンクリートの配合設計・施工指針(案)」(コンクリートライブ ラリー126)に従い,打ち込みの最小スランプを定め,ポンプ圧送等,荷卸し後打ち込みまでに生ずるスラン プの変化および許容差を考慮して,荷卸し地点の目標スランプについて協議する.  

セメントの種類,骨材の種類,粗骨材の最大寸法およびアルカリシリカ反応抑制対策の方法を生産者と協 議のうえ指定しなければならない.また,設計基準強度の基準となる材齢,耐久性,ひび割れ抵抗性等を考 慮して,呼び強度を保証する材齢,水セメント比および単位水量の目標値の上限値,単位セメント量の上限 値または下限値,空気量等を必要に応じて生産者と協議のうえ指定しなければならない.施)  

 

解説 表 5.1.1  JIS A 5308 に示されているレディーミクストコンクリートの種類

施)

 

(普通コンクリート・軽量コンクリート・高強度コンクリート)

 

呼び強度  コンクリート 

の種類 

粗骨材の  最大寸法  (mm) 

スランプ  または  スランプフロー(注)

(cm)  18 21 24 27 30 33 36 40 42  45  50  55 60 8,10,12,15,18 ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○  ○  -  - -20,25 

21  - ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○  ○  -  - -普通 

コンクリート 

40  5,8,10,12,15 ○ ○ ○ ○ ○ - - - -  -  -  - -軽量 

コンクリート  15  8,10,12,15 

18,21  ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ -  -  -  - -10,15,18  - - - -  -  ○  - -高強度 

コンクリート  20,25 

50,60  - - - -  -  ○  ○ ○ 注)荷卸し地点の値であり,50cm,60cm がスランプフローの目標値である. 

 

(2)について  地産地消の推進等を目的として,JIS 認証品以外のレディーミクストコンクリートを製造す る場合には,所要の品質のコンクリートが得られるように,(1)の協議事項および指定事項については,施 工者との十分な協議を行わなければならない.また,製造者は使用材料の受け入れ検査とコンクリートの品 質管理を確実に実施しなければならない. 

(3)について  東北地方での厳寒期の製造と運搬については,上記(1)および(2)に加えて,施工者と協議す ることが望ましい事項として,特にコンクリートの温度や空気量の適切な管理等が重要となり,これらは適 切な使用材料の選定,使用材料の管理,運搬方法などによって対策を講じることとなる.この対策の詳細に ついては,各節に述べる方法が挙げられるが,施工環境によって大きく影響を受ける事項でもあるため,施 工者との十分な協議が望ましい. 

 

【参考文献】 

施) 土木学会 2007 年制定 コンクリート標準示方書 施工編 

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