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解説表 5. 2.14 バッチミキサの練混ぜ性能 施)
5.2.10.7 現場までの運搬
(1) 現場までの運搬は,所要の品質を有するコンクリート構造物が得られるよう,それぞれ適切な方法を 具体的に定めて適切に実施しなければならない.
(2) 現場までの運搬は,所要のコンクリートの品質が得られる方法とする.
(3) 現場までの運搬は,荷卸しが容易で,運搬中に材料分離を生じにくく,スランプや空気量等の変化が 小さい方法であることを確かめなければならない施).
(4) 現場までの運搬は,JIS A 5308 の運搬に関する規定に従わなければならない.
(5) 練り混ぜてから打ち終わるまでの時間は,一般の場合には,外気温が 25℃以下のときで 2 時間以内,
25℃を超えるときで 1.5 時間以内を標準とする施).
【解 説】
(1)について コンクリート工事の計画段階で作成した施工計画書は,類似した過去の工事を参 考に,施工に関わる各作業の主な内容を記載したものであることが多い.したがって,型枠および支保工の 組立ならびに鋼材の配置を行った後,型枠内にコンクリートを打ち込むまでには,施工計画書を見直し,現 場の状況と見比べ,運搬,打込み,締固めおよび仕上げの具体的な方法を決定し,円滑に実施できるように しなければならない.また,人員の計画に当たっては,それぞれの作業に対して知識と経験が豊富で,技能に 優れた作業者を配置することが大切であり,工事の経歴や公的資格の保有状況を確認して選定するとよい.施)運搬,打込み,締固めおよび仕上げを行うに当たり,検討すべき主な事項をまとめると,以下のようにな る施).
①コンクリート工事の工程
コンクリート工事の工程は,施工する構造物の種類と形状,全体工程における他工種との関係,コンク リートの全数量,コンクリートの入手方法,一度に入手できる量,施工上の難易,すでに打込みを終え た部分への影響,季節,天候等を総合的に考慮して決める施).
②運搬,打込み,締固めおよび仕上げの設備および人員配置
運搬,打込み等に必要な設備の種類,形式,能力,台数および人員配置は,施工場所の立地条件,構造 物の種類と形状,運搬距離,打込み区画の大きさ,打込み量,打込み順序,打込み速度,コンクリート の供給状態,締固め能力,使用材料と配合等を考慮して決める.コンクリートの運搬方法は,コンクリ ートの材料分離,空気量の変化やスランプの低下などによるワーカビリティー等の性状変化ができるだ け少ない方法で,迅速かつ遅滞なく経済的に運搬できる方法を選定することが必要である.施)
コンクリートポンプによる現場内での運搬では,コンクリートの品質が硬化後のみならず圧送性にも 多大な影響を与え,また他の方法に比較して打込み速度が大きくなるために,一連の作業をバランスよ く計画することが重要であり,事前に,コンクリートの配合,コンクリートポンプの機種,台数,設置 場所,配管計画,圧送条件等について検討しておかなければならない施).
コンクリートの打上り面の表面仕上げは,外気温,湿度,日射,通風等の施工環境,コンクリートの ブリ一ディング量や凝結時間,打込み区画内の打込みからの経過時間等のバラツキを総合的に判断し,
適切な時期に実施できるように計画する必要がある.打込み区画が広い場合には,仕上げ機械を利用す ることで作業効率を高めることが可能であるが,機械仕上げは左官仕上げに比べて打上り面の違いに対 する仕上げ程度の調整が難しいこともあるので注意を要する.施)
③運搬路
運搬路は,コンクリートの運搬作業が容易で,迅速かつ円滑に行えるように,また,運搬時間,運搬 距離ができるだけ短くなるように決める施).
④打込み区画,打継目の位置,打継目の処置方法
打込み区画は,コンクリートの供給能力,工程,構造物の形状,打込み能力,許容打重ね時間間隔,
型枠,打継目などを検討し,無理のない 1 目の打込み量から決めるが,コンクリートの水和発熱,自己 収縮および乾燥収縮に起因するひび割れに対する配慮も必要である.また,設計図に示されていない打 継目を設ける場合には,構造物の構造性能や耐久性等をよく考え,打継目の位置および処置方法を決め る必要がある.このように,打込み区画,打継目の位置および処置方法は,施工性のみで決定せず,構 造物として要求される構造性能,耐久性およびひび割れにも考慮することが重要である.施)
⑤コンクリートの打込み順序および打込み速度
打込み区画内での打込み順序および打込み速度については,構造物の形状,コンクリートの供給状態,
打込み能力,許容打重ね時間間隔,打込み体制,型枠・支保工の変形等を考慮して決めなければならな い.打込み区画が広い場合には一般にコンクリートの供給源から遠い方から始め,近い方で終わるよう にする.施)
連続桁,アーチのような構造物ではコンクリートの打込みによって生ずる型枠・支保工の変形によっ てすでに打ち込まれたコンクリートに悪影響を及ぼしたり,完成した構造物の形状寸法が所定のものと 異なったりすることがあるので,それらを考慮してコンクリートの打込み順序および打込み速度を決め なければならない.不用意なコンクリートの打込み方をしたために,支保工が倒壊した事例もある.支 保工などには,できるだけ均等な荷重がかかるような打込み順序とすることが必要である.施)
(2)について 運搬,打込み,締固めおよび仕上げの方法が適切でないと,コンクリートの品質が低下し,
所要の品質を満足するコンクリート構造物が得られない可能性がある.フレッシュコンクリートの品質は,
(1)で述べた時間の経過による変化以外に,運搬方法の影響を受けやすい.プラントから現場までの運搬には,
所定のスランプを保持し,材料分離を抑制するため,一般にかくはん機能を持つトラックアジテータを使用 するのがよいが,積載量が少ない場合や運搬中に日射の影響を受ける場合等ではスランプの低下量が大きい ことがある.現場内での運搬方法には,コンクリートポンプ,バケット,シュート等がある.たとえば,コ ンクリートポンプを使用する場合には,4 章で述べたとおり,ポンプ圧送性を考慮したスランプ,単位粉体 量の設定や,ポンプ圧送に伴うスランプの低下を考慮する必要がある.施)
打込み,締固めおよび仕上げにおいても,打込み速度が速すぎる場合,締固めが過剰である場合,コンク リートが軟らかい状態でこて均しを頻繁に行った場合等,不適切な方法で作業を行うと,材料分離を生じて 沈下ひび割れ等を招くおそれがある.また,屋外で行われるそれらの作業では,日射,風雨等で乾燥の影響 を受けやすく,打ち重ねた箇所がコールドジョイントになったり,打上り面にプラスティック収縮ひび割れ を生じたりすることもある.その一方で,かくはん機能がないバケットの運搬では(1)で想定したスランプの 経時変化よりも大きい場合や,振動によって材料分離を生じる場合もあるので,それらの影響を考慮して,
所定のコンクリートの品質が得られるように運搬方法を定める必要がある.施)
(3)について 運搬距離が長い場合や,スランプの大きいコンクリートの場合には,アジテータなどのかく はん機能があるトラツクミキサやトラックアジテータを用いて運搬しなければならない.スランプ 5cm 以下 の硬練りコンクリートを,10km 以下の距離を運搬する場合や 1 時間以内に運搬可能な場合には,材料分離を 生じず,スランプや空気量等の変化が小さいことを確認したうえで,ダンプトラックやダンパによる運搬,
あるいはバケットを自動車に積んで運搬してもよい.コンクリートの品質と運搬方法の組合せに実績がない 場合には,実際の工事を想定した試験を実施し,コンクリートの品質の変化に及ぼす影響を確認しなければ ならない.施)
(4)について JIS A 5308「レディーミクストコンクリート」では,運搬車の性能を規定するとともに,練 混ぜを開始してから荷卸しまでの時間の限度を,原則として 1.5 時間以内と規定している.しかし,示方書 では,外気温が 25℃を超えるときは,練り混ぜてから打ち終わるまでの時間の標準を 1.5 時間以内としてい るため,工場から現場までの運搬時間は 1 時間以内を目安にするのがよい.施)
(5)について フレッシュコンクリートの品質は,練上りからの時間の経過とともに変化するため,運搬,
打込みおよび締固めは,なるべく早期に終えることが望ましい.しかし、コンクリート工事では,使用でき るプラント,運搬が可能な経路,構造物の位置等による運搬上の制約や,構造物の形状,配筋あるいは確保 できる人員・機械等による打込み・締固め作業上の制約があり,コンクリートを練上りから短時間で打ち終 わることができないことが多い.そこで,それらの制約条件を考慮し,各作業の時間を想定して円滑に作業 が進められるように計画および管理を行うとともに,フレッシュコンクリートの品質の経時変化を事前に確 認しておくことが重要である.練り混ぜてから打ち終わるまでの限度は,コンクリートの配合,使用材料,
温度,湿度,運搬方法等によって変わるため,これらの条件を考慮した上で,個々の工事に即した限度を設 定するのがよいが,一般の場合には,外気温が 25℃以下のときで 2 時間以内,25℃を超えるときで 1.5 時間 以内が目安となるので,これを標準とした.施)
打込みを終えるまで設定した打込みの最小スランプを確保できない場合には,示方書で定めた標準的な時 間よりも短い時間で作業を終える施工方法を検討すること,スランプの経時変化が小さい配合に修正するこ と,練上りのスランプを大きくすること等の対策を講じる必要がある.スランプの経時変化を小さくする方