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写真 4. 2.1 酒田塩害橋の事例
4.5 構造細目
4.5.3 ボックスカルバート 4.5.3.1 防水対策 4.5.3.1 防水対策
ボックスカルバートに防水工を施す場合には,水圧を直接受ける面に設けるのを原則とする.
【解 説】 共同溝などボックスカルバートの内部には,照明,換気設備,排水設備,ケーブルおよび電線 管の保持装置等が配置される場合がある.これらの設備を地下水の浸透から保護することとボックスカルバ ート本体の劣化防止や排水経費の節減等を図り,本体の機能を保持することを目的として防水工を施すもの とする.
防水工法には次のようなものがある.
アスファルト防水 被膜防水 シート防水
防水工法 マット防水
塗膜防水 モルタル防水
目地防水
防水工法は,効果の確実性,施工の難易,工事費および沿道に与える影響等を考慮して決めるが,一般的 にはシート防水とするのが良い.
シートによる全面防水の参考として,防水工標準図を解説 図 4.5.6に示す.ボックスカルバートのシート 防水は,コンクリートの施工継手位置,立ち上がり部の作業性や固定方法を配慮してシートの形状・寸法を 決定する必要がある.シート接合部と施工継手部は,地下水が浸透した時の弱点となるため,原則として同 一箇所に設けてはならない.さらに,接合部と継手部は,シーリングや増貼防水シートで保護するとよい.
シートの接合は,水上側のシートが水下側のシートの上になるように重ね,接合幅は 100mm 以上とするのが 望ましい.水平面に施工する防水は,防水層が完了した後,モルタルやコンクリートを打設してシートを保 護するとよい.鉛直面に施工する防水は,コンクリート打設用のセパレーターがシートを貫通して取り付け られるため,貫通箇所の適切な防水処理が重要である.また,地下水位が高く土留壁からの湧水が予測され る場合は,ドレーン等により排水処理を行う.このように,防水層の保護は,シートに加わる種々の外力の 影響を遮断あるいは緩和して,防水層の耐用年限を伸ばし,地下水の浸透を防止してコンクリートの耐久性 の向上に重量な役割を負っている.
アスファルト防水を計画する場合には,煙,臭気,火災等沿道住民への影響および作業員の安全衛生を考 慮しておかなければならない.なお,水圧を受けない面に防水工を施すと,防水工とコンクリート面との間 に,コンンクリート中に侵入した水がたまって,防水工を破壊する場合があるので,水圧を直接受ける面に 防水工を施すことを原則とする.
防水工標準図
施工継手部 一 般 部
(先防水) (先防水)
(後防水) (後防水)
(先防水)
(先防水)
C 部 D 部
A 部 B 部
保護モルタル t=30
防水シート 均しコンクリート t=100 防水シート 増貼防水シート 幅700 保護コンクリート t=100
防水シート 防水シート
増貼防水シート 幅700
余堀部コンクリート
土留壁
防水シート 余堀部コンクリート
土留壁
防水シート
増貼防水シート 幅700
(
余 堀 部)
(
土 留 壁)
100以上
(上 床)
(
余 堀 部)
(
土 留 壁)
(下 床)
A部詳細図
C部詳細図
(
余 堀 部) (
土 留 壁) 100以上
(上 床)
100以上
(
土 留 壁)
(
余 堀 部)
(下 床)
B部詳細図
D部詳細図
一般部側壁施工打継部詳細図
(
余 堀 部)
(
土 留 壁) (
側 壁)
(
余 堀 部)
(
土 留 壁) (
側 壁)
▽施工継手
▽施工継手
350
350350
350
350
100以上
350100以上 400
700 100以上
防水シート
防水シート 保護コンクリート t=100 防水シート
均しコンクリート t=100 防水シート 保護モルタル t=30 防水シート
シーリング材 幅100 t=2
シーリング材 幅100 t=2
シーリング材 幅100 t=2
防水シート 防水シート
保護コンクリート t=100
防水シート 均しコンクリート t=100 防水シート
保護モルタル t=30 シーリング材 巾100 t=2
防水シート
増貼防水シート 幅700 増貼防水シート 幅700
増貼防水シート 幅700 シーリング材 幅100 t=2
シーリング材 幅100 t=2 増貼防水シート 幅700
防水シート
固定用養生板(釘止め)
防水シート
シール材 増貼防水シート 幅700
解説 図 4.5.6 防水工標準図
** 仙台市高速鉄道防水工標準図引用
4.5.3.2 ひび割れ対策
(1) ひび割れの制御を目的として,ひび割れ誘発目地を設ける場合は,構造物の強度および機能を害さな いように,その構造および位置を定めなければならない設).
(2) 誘発目地の間隔は,適切に定めるものとする.
(3) 誘発目地の断面欠損率は,30〜50%程度とするのがよい設).
(4) 水密構造物にひび割れ誘発目地を設ける場合は,その位置にあらかじめ止水板を設置しておくなどの 止水対策を施しておくのがよい施).
(5) ひび割れ誘発目地からの漏水,鉄筋の腐食等が想定される場合には,適切な処置を行うこととする.
また,ひび割れ誘発目地以外でひび割れが生じた場合には,必要に応じて補修を行う必要がある.
【解 説】 (1)について コンクリート構造物は,セメント水和熱や外気温などによる温度変化,乾燥収縮 などにより変形するが,このような変形が拘束されるとひび割れが発生する可能性がある.ひび割れ防止対 策を検討するにあたり,施工段階での対策だけではひび割れを解決することは極めて難しく,設計面,材料 面を含め総合的に対策を検討する必要がある.設計段階におけるひび割れ防止対策としては,ひび割れ誘発 目地の設置が効果的である.ひび割れ誘発目地は,構造物の長手方向に所定の間隔で断面欠損部を設けてお き,その部分にひび割れを誘発することでその他の部分でのひび割れの発生を防止するとともに,ひび割れ 箇所での補修を容易にするものである.誘発目地に使用する部材(目地板や止水板等)の固定方法は,鉄筋 や市販されている材料を利用するとよい.
側壁の誘発目地は,ひび割れを人為的に所定の位置に生じさせるものであるから,構造物の強度および機 能を害さないように断面欠損部の構造および誘発目地の位置,間隔を慎重に検討しなければならない.特に ボックスカルバート端部がウイング構造となっている場合は,ウイングの鉄筋がボックスカルバート側壁に 定着されるため,誘発目地の位置は鉄筋の定着位置より十分な離隔を確保して設置しなければならない.ま た,側壁に誘発目地を設置した場合は,壁部分に誘発されたひび割れがそのままハンチ部および上床版へと 進展する場合がある.そのような場合には,ひび割れの進展を抑制し,ひび割れ幅を制限するために,頂版 ハンチ付近にひび割れ用心筋を配置することが望ましい.ひび割れ用心鉄筋の方向はひび割れ直角方向,す なわち配力方向とし,その長さはひび割れから左右に 25cm 程度の区間(ひび割れの付着損失長さを考慮)と する.この区間の配力筋の鉄筋量を鉄筋比で約2倍とすることを目安とする.ひび割れ用心鉄筋配置例を解
説 図 4.5.7
に紹介する.(2)について 誘発目地の間隔は,構造物の寸法(壁厚),鉄筋量,コンクリートの打設時期・温度等に大 きく影響されるため,温度応力解析をして求めるとよい.一般的な間隔としては,コンクリート部材高さの 1〜2 倍程度と定められている.資料Ⅰ-3の図-(11)および図-(12)を参考にして定めるとよい.
(3)について ひび割れを誘発目地部で確実に発生させるために,引張応力に対して直角方向の断面を欠損 させる必要がある.欠損率が低いと誘発目地部以外にひび割れが発生した事例も多数報告されており,欠損 率は 30〜50%程度以上とするのが望ましい.また,共同溝などで側壁に配管用の箱抜き穴を設ける場合は,
箱抜き穴により断面が欠損してひび割れが発生しやすいため,その位置にひび割れ誘発目地を設置すると効 果的である.
(4)について 水密性を要するコンクリート構造物において,構造物の強度および機能を損なわないように,
適切な処置を行う必要がある.あらかじめ止水板を設置しておくなどの止水対策を施すとともに,ひび割れ 誘発後は断面を減少させた部分に,必要に応じて注入などを行い補修することが重要である.ひび割れ誘発 後の補修例を解説 図 4.5.8に紹介する.
(5)について ひび割れ誘発目地からの漏水,鉄筋の腐食が想定される場合には,(4)で示した止水対策を 施すとともに,構造物下部に排水を処理する暗渠等を配置すると効果的である.ひび割れ誘発目地以外でひ び割れが生じた場合には,6.4.11.2にしたがって補修を行わなければならない.
【参考文献】
設) 土木学会 2007 年制定 コンクリート標準示方書 設計編 施) 土木学会 2007 年制定 コンクリート標準示方書 施工編
主 筋
配力筋
ひび割れ用心鉄筋
(側壁配力筋の鉄筋量の 約2倍を目安に増し筋)
拡 大 50cm程度
誘発目地 ひび割れ用心鉄筋
(側壁配力筋の鉄筋量 の 約 2 倍 を 目 安 に 増 し 配力筋
50cm程度 50cm程度
断 面 側 面