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打込み

ドキュメント内 Taro-前書.jtd (ページ 188-191)

6 章  施  工

6.4  施  工

6.4.1  現場での受入れ・打込み・締固めおよび仕上げ  6.4.1.1  一  般

6.4.1.5  打込み

コンクリートの打込みは,コンクリートに材料分離やワーカビリティーの低下が生じて,打込み作業が 中断しないように打込み区画,打込み方法,打込み速度,打込み順序,打重ね時間間隔,打込み箇所等を 考慮して行なわなければならない. 

 

【解  説】  コンクリートの打込みは,コンクリートの供給能力,コンクリートの打込み工程,構造物の形

状,打込み能力,型枠,打継目の位置等を考慮し,コンクリートの打込み区画,打込み方法,打込み速度(時 間もしくは日あたりの打込み量),打込み順序,打重ね時間間隔,打込み箇所などについて定めて実施する 必要がある.設計で定められた部材の断面形状や鋼材の配置状況は,必ずしも施工の容易さを考慮していな いため,通常の方法では打込みが困難な場合がある.例えば,過密配筋の場合には,ポンプの筒先を所定の 位置に挿入できるように鉄筋を若干移動させる必要がある.ただし,このような場合には必要に応じて補強 筋を配置して欠陥が生じないようにしなければならない. 

また,鉄筋によってコンクリートは流動しにくくなるとともに,流動の過程でモルタルと粗骨材が分離し やすくなるので,打込み箇所の間隔を狭くすることも必要になる.コンクリートの打込み高さが高い構造物 の場合では,型枠に振動機の挿入口を兼ねたコンクリートの投入口を設けて,打込み状況を目視できるよう にする方法もある. 

打込み面積が広い場合には,打重ね時間間隔が確保できるように,打上げ高さ,打込み速度を考慮して,

コールドジョイントの防止に留意する必要がある.

解説 図 6.4.1

にコールドジョイントの発生を抑える一例 を示した。 

   

 

①コンクリートの打込み区画について:コンクリート打設は,一区画内の打込みが終了するまで連続して 打ち込まなければならない.また,均等質なコンクリートを得るためには,一区画内で一体化できるよ うにコンクリートを打ち込み,一様に振動締固めをすることが必要である.したがって,コンクリート の打込み区画は,打込み速度や締固め能力を考慮して定める必要がある.部材寸法が大きい構造物にお けるコンクリートの打込み区画に関しては,温度ひび割れの抑制にも留意しなければならない. 

②コンクリートの打込み速度について:コンクリートの打込み速度は,コンクリートの供給能力およびポ ンプ圧送能力によって支配されるが,締固めが十分にでき,かつ型枠に作用する圧力が過大とならない 範囲に定める必要がある.時間当たりの打設量の目安は,橋台・橋脚やボックスカルバートのような構 造を有する構造物では,ポンプ車 1 台につき 30m3程度が,縦横の梁などを有する高架橋や水処理施設な どのようなやや複雑な構造を有する構造物では,ポンプ車 1 台につき 10m3が目安となる.したがって,

打設時間を 6 時間程度とし,ポンプ車 1 台で1日の打設量の上限は 60〜180m3程度とするのがよい.ま た,1 回の打設高さは 3m 以内とし,沈下収縮によるひび割れ防止の観点からは 1〜1.5m/30 分程度,型 枠の荷重計算からは 1〜1.5m/60 分程度以内で打上げていくのがよい. 

なお,コンクリート打設における人員配置計画については,資料Ⅱ-3 を参考にされたい. 

③コンクリートの打重ね時間間隔について:コンクリートを 2 層以上に分けて打ち込む場合,下層のコン クリートが固まり始めているときに,そのまま上層コンクリートを打ち込むとコールドジョイントがで きるおそれがある.したがって,コンクリートの打重ね時間間隔は,コンクリートの種類および品質,

練混ぜ開始から打込み終了までの経過時間,コンクリートの温度,締固め方法等の影響を考慮して設定 し,できる限り短い打重ね時間間隔となるように管理することが大切である.なお,打重ね時間間隔の 上限を解説 表 6.4.1に示すのでこれを参考にするとよい.解説 表 6.4.1に示された値は,土木学会コ ンクリート標準示方書では「標準」の値として載っているものであるが,コールドジョイントを防ぐこ との重要性からこのガイドラインではこれを「上限」として厳しく守ることとした.しかし,コンクリ

解説 図 6.4.1  コールドジョイントの発生を抑える方法の一例

d)

 

ートの凝結時間はセメントの種類や温度によって大きく影響を受けるため,早強ポルトランドセメント を用いる場合やコンクリート温度が 30℃を越えるような場合には,より短い打重ね時間間隔で施工する ことが必要である. 

解説 表 6.4.1  打重ね時間間隔の上限 

 

   

※2007 年制定コンクリート標準示方書[施工編](土木学会)より  注1) 打重ね時間間隔とは,下層のコンクリートの打込み・締固めが完

了した後,静置時間をはさんで上層のコンクリートが打ち込まれ るまでの時間である. 

注2) 練り混ぜから打ち込みまでの時間が 1 時間としたときの標準的な 値である. 

 

④コンクリートの打込み順序について:広い平面へのコンクリートの打込み順序は,コンクリートの供給 源より遠い端から手前に向かって打ち込み,一度打ち込んだコンクリートうえで運搬や打込み作業が行 われないようにする必要がある.壁や梁のコンクリートを打ち込む際には,分離した粗骨材が隅角部に 集中しないような配慮が必要である. 

橋梁の桁や床版のコンクリートを打ち込む場合には,支保工の沈下や変形の影響を考慮して打込み順 序を定める必要がある. 

⑤コンクリートの打込み箇所について:コンクリートを横移動させると,骨材とモルタルが分離する可能 性があるので,打ち込みの間隔は 3m 程度以下を目安とするのがよい.1 層の打込み厚は,厚いと下の部 分は振動機で十分に締め固められず,ジャンカなどが発生する危険性が増す.したがって,締め固めに 内部振動機を用いる場合は,1 層の厚さを 40〜50cm 以下にする.どこから打ち込み始めるかも重要な事 項である.できるだけ型枠の端部から中央に向かって打込むとともに(解説 図 6.4.2 参照),既に打ち 込んだコンクリートに支障を与えないように,打ち込み区画のなかで運搬距離の遠い場所から打ち込み を始め,近い場所で終了することが基本となる.また,打込み作業によって鉄筋の配置や型枠を乱すお それがあるので,これらも考慮して打込み箇所を定める必要がある. 

   

外気温  打重ね時間間隔 

25℃以下  2.5 時間 

25℃を超える  2.0 時間 

解説 図 6.4.2  コンクリートの打込み方向

d)

 

⑥コンクリートの打込み高さについて:コンクリートの打込みにおいて,高い位置からコンクリートを自 由落下させると,粗骨材が分離し,コンクリートの充てん不良が発生しやすくなる.したがって,コン クリートの打込みの際は,できるだけ低い位置からコンクリートを落下させることが基本である.土木 学会コンクリート標準示方書では,コンクリートの自由落下高さを 1.5m 以下と規定しているが,構造物 の種類や形状によってはこの値でも十分でない場合がある.したがって,打込み作業にあたっては,粗 骨材が分離しない適切な落下高さを設定する必要がある. 

   

 

また,鉄筋の間隔が狭く,鉄筋の間にフレキシブルホースが入らない場合もある.その場合は解説 図

6.4.4

のように,簡易なホッパーとビニールホースなどとを組み合わせたり,フレキシブルホースの先 端にビニールホースを緊結して打ち込んだりする方法がある.このように,できるだけ低い位置からコ ンクリートを打ち込み,鉄筋や型枠に当てないように工夫することが大切である. 

⑦コンクリートの打設中に,まだ打込みを予定していない箇所の鉄筋や型枠に誤ってコンクリートが付着 することがある.これらは見栄えの悪さ以外に,鉄筋とコンクリートの付着に支障が出ることが予想さ れるため,打設前に取り除き洗浄しなければならない. 

                   

解説 図 6.4.3  コンクリート打込み高さ

d)

  解説 図 6.4.4  筒先が入らない場合の打設例

d)

 

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