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が用いられる場合がある。さらには膠着語の特性が伝聞表現にも現れ、いくつかの語尾を重 ねて結合させることにより話し手の心的態度をよりモーダル性強く表現することもできる20。 以下韓国語の文構造とモダリティを分類について確認する。

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①[[[[[[格]態]相]成立]ムード]モダリティ]

↓ ムードがモダリティに組み込まれて現れる ↓

[[[

철수도 오 ]겠 ]지 ]

[[[ 命題 ]時制・ムード ]モダリティ]

英語と日本語の認識のモダリティは助動詞により現れる場合が多いのに比べ、韓国語の モダリティはModal affix、つまり接辞が加えられ、複合語尾、連体修飾形で現れる場合が 多く、伝聞表現の数も多いと言える。そのため、韓国語のモダリティ研究が文法体系を重視 し、限られた範疇の中で研究されているのだと思われる。また、日本語は「命題めあてのモ ダリティ」と「発話・伝達のモダリティ」の境界が明確であるのに比べ、韓国語の場合、ムー ドとモダリティの区別は明確であるが、「命題めあてのモダリティ」と「発話・伝達のモダリ ティ」の間に明確な境界を画すことは難しい。研究者によってはムードを「命題めあてのモダ リティ」、文終結を「発話・伝達のモダリティ」とする意見もあるものの現実性に欠けている ところがある。なぜなら、日本語の「発話・伝達のモダリティ」は「ね、よ」のような終助詞に より表され、「命題めあてのモダリティ」の外に付くため、品詞的にも明確な違いがあり、そ の境界も明確であるが、韓国語の場合は‘-다지(taci)’と‘-다지 뭐야21(taci mweya)’

のような用例から考えると、まずこれらはムード形式が現れないため「命題めあてのモダリ ティ」が欠けていることになり、‘-지(ci)’と‘-지 뭐야(ci mweya)’が共に「発話伝達の モダリティ」を表すことになる。従って、この‘-지(ci)’と‘-지 뭐야(ci mweya)’の違い は文法的に説明し難い。

また、日本語の連体修飾形伝聞表現「とのことだ」、「ということだ」は他から得た情報を 客観的に提示するのに用いられる反面、韓国語の連体修飾形伝聞表現‘-다는 거다(tanun k

21 ‘-다지 뭐야(taci mweya)’を‘-다지(taci)’+‘뭐야(mweya)’に分析し、さらに、‘-다지(taci)’の‘-지(ci)’

を「既知」の意味と分析する研究者もいるが、‘-다지(taci)’は‘내가 지갑을 어디에 뒀다지?(財布、どこに置いたの かしら)’のように 話し手の独り言に用いられると、「既知」の意味を消失してしまう。さらに‘-다지(taci)’の‘-지 (ci)’を「不確か」と見ることもできるが、‘-다지 뭐야(taci mweya)’の場合、「不確か」の意味はなく、情報に対する 話し手の強い信頼をもとに聞き手を話し手の方へ誘導しているため、‘-다지(taci)’+‘뭐야(mweya)’に分離するこ とは難しいと判断する。さらに、‘-다고 하는 거 있지(tako hanun ke issci)’の場合、‘-는(nun)-’+‘-거(ke)’+

‘-있지(issci)’のように‘ムード+依存名詞+文終結’の形で話し手のある程度の確信を表していると言えるが、モ ダリティを表す‘-지(ci)’が文の最後に付いている。

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eta)’などは聞き手を話し手の方へ誘導する表現であるため、情報を主観的に提示すると言 える。

さらに、日本語と韓国語の伝聞は間接引用をもとにしているが、日本語は、直接引用か ら間接引用に文が再構築される過程に話し手の認識が関与していると見做されているのに比 べ、韓国語は、間接引用の文構造が中和されることにより、もとの話し手の心理的態度はも ちろん現発話の場の話し手の心理的態度も現れない(김태엽(2001:201))とする見解もある。

しかし、本稿では文構造の再構築は話し手の認識世界において行われるものであること を理由に、話し手の心的態度が文に反映されていると見做し、日本語と韓国語の伝聞表現の 比較を進める。まず、第3章では日本語伝聞表現の変遷を、第4章では現代日本語の伝聞表現 を考察し、第5章で韓国語伝聞表現を考察する。

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3章 日韓両国語伝聞表現の変遷

日本語と韓国語は共に膠着語(agglutinative language)に属し、統語論的観点からは主 語・目的語・動詞と語順が一致し、主語が現れなくても文が成立するなど言語類型的に共通 点が多いと言える。しかし、日本語伝聞表現は主に助動詞、複合助動詞により現れ、あまり 縮約されない22のに比べ、韓国語伝聞表現は主に複合助動詞23により現れ、複雑に縮約・省 略される。このような日韓両国語伝聞表現における相違はモダリティの現れ方にも影響を及 ぼすと考えられ、この章では両国語伝聞表現がどのように文法化されてきたのかを含め、日 韓両国語伝聞表現の変遷を概観したい。