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日本語において、文は命題とモダリティに 2 大別される。モダリティは命題を包み込む 形で現れるというのが今日の日本語モダリティ研究の定説である。日本語モダリティ研究に おいてのモダリティの領域、つまり、どこまでが命題の領域でどこからがモダリティの領域 に入るのか、またモダリティの範疇や分類に関してはいまだ議論が続いているが、大よそ態、

相、時制のようなものはすべて命題の領域に入るとされている(仁田 1991、益岡 1997)ため、

以下のように図式化することができる。仁田(2000)においては、日本語のモダリティは命題 めあてのモダリティ18(言表事態に対する把握のあり方・捉え方)と発話・伝達のモダリティ

19(発話・伝達の機能類型、話し手の発話・伝達的態度のあり方)に分けられている。

18 益岡(1991)の判断系モダリティにあたる。

19 益岡(1991)の表現系モダリティにあたる。

29 ①[[[[[[格]態]相]成立]時制]モダリティ]

↓ モダリティはさらに 2 大別される ↓

[[[ 彼も来る ] だろう ] ね ] [[[ 命題 ] 命題めあてのモダリティ] 発話・伝達のモダリティ]

加えて、日本語学及び日英対照言語学におけるモダリティ分類は以下の<表 2>の通りで ある。

<表 2. 日本語学・日英対照言語学におけるモダリティの分類>

モダリティの分類 仁田

(1991)

言表事態めあてのモダリティ 発話・伝達のモダリティ 副次的 モ ダ リ テ 情意系の待ち望み、認識系の判断 働 きか け、 表出 、述 べ立 ィ

て、問いかけ

益岡 (1991)

判断系のモダリティ 表現系のモダリティ 取り立てのモダリティ、みとめ方

のモダリティ、テンスのモダリテ ィ、価値判断のモダリティ、真偽 判断のモダリティ

表現類型のモダリティ、ていねいさの モダリティ、伝達態度のモダリティ

中右 (1994)

S モダリティ(命題態度) D モダリティ(発話・伝達態度) 真偽判断のモダリティ、判断保留

のモダリティ、是非判断のモダリ ティ、価値判断のモダリティ、拘 束判断のモダリティ

談話(テクスト)形成のモダリティ、発 話態度のモダリティ、情報取り立ての モダリティ、対人関係のモダリティ、

感嘆表出・慣行儀礼のモダリティ 仁田

(2000)

命題めあてのモダリティ 発話・伝達のモダリティ 認識のモダリティ、当為評価のモ

ダリティ 日本語

記述文 法研究

表現類型のモダリ ティ

先行文脈と文 との関係づけ を表すモダリ

事態に対する捉え方を表す モダリティ

聞 き 手 に 対 す る 伝 え 方 を 表 す モ ダ リ

30 会

(2003)

ティ ティ

情 報系 (叙述 のモ ダリティ、疑問の モダリティ) 行 為系 (意志 のモ ダリティ、勧誘の モダリティ、行為 要 求 の モ ダ リ テ ィ)

説明のモダリ ティ

評価のモダリティ、認識の モダリティ

丁 寧 さ の モ ダ リ テ ィ 、 伝 達 態 度 の モ ダリティ

湯本 (2004)

命題内容モダリティ 発話態度モダリティ 命題内容実現、命題内容真偽(断定

判断、不確実判断)

命題内容評価判断、対人関係判断

澤田 (2006)

命題的 事象的

言語行為的、態度的 力動的、存在的、束縛的

益岡 (2007)

判断のモダリティ 発話のモダリティ 特殊なモダリティ 真偽判断のモダリティ、価値判断

のモダリティ

発話類型のモダリ ティ、対話のモダ リティ

説 明 の モ ダ リ テ ィ、評価のモダリ ティ

ところで前にも触れているが、本稿では日本語伝聞表現が属する証拠モダリティを認識 のモダリティの下位分類に属させている(1.4.1 参照)。その理由は、伝聞とは過去のある時 点で入手した情報を新たなコミュニケーションの場における話し手の表現意図により再構築 したものであり、情報の出所を明らかにすることは話し手の表現意図に間接的に影響を与え るため話し手の情報再構築と関わる。そして、このような一連の再構築は人間の認識領域内 の働きに他ならないからである。

日本記述文法研究会(2003:133)においても認識のモダリティとは、その事態に対する話 し手の認識的なとらえ方を表すものとし、現実に対する基本的な認識的態度である判断・推 量、その事態の成立の蓋然性を表す可能性・必然性、また何らかの証拠によって事態をとら えていることを表す推定・伝聞表現を認識のモダリティに属させている。

一方で韓国語の推論・伝聞表現も認識のモダリティに属するが、韓国語はムードとモダ リティの対立がある上に、伝聞表現においてもムードがモダリティに組み込まれた複合語尾

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が用いられる場合がある。さらには膠着語の特性が伝聞表現にも現れ、いくつかの語尾を重 ねて結合させることにより話し手の心的態度をよりモーダル性強く表現することもできる20。 以下韓国語の文構造とモダリティを分類について確認する。