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第 2 章 授業評価の回答意識に関する計量テキスト分析

2.2 調査概要

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ど調査の概要説明を行なう.続く第3節では,計量テキスト分析を用いた分析方法につ いて説明を行なう.また,第4節では,得られたデータから階層化カテゴリーを作成し,

結果を述べる.そして最後に,第5節で本章のまとめを行う.

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更に,生徒が評価を行なう授業担当者が,この時間の監督者として割り当てられない 様に配慮が行われている.回答の集計は,導入して数年は外部委託により行われていた が,現在は法人の人事担当部門が行っている.

集計結果は,学校長,副校長,教頭,教科主任がチェックし授業担当者に戻される.

授業担当者は,その結果から授業を振り返り,必要に応じて改善に向けた取り組みを行 なう.結果をどの様に分析し,どの様な改善方法が考えられるのかといったことを組織 的に扱う場面は設けられていない.評価があまりにも低い場合にのみ,教科毎に授業参 観を行いその評価の妥当性や改善点を探る取り組みがなされるが,それ以外は授業担当 者の自己評価に任せられている.

質問項目は,共通項目として7項目設定され,実習が主な内容で板書を伴わない実技 教科はそのうちの6項目が回答項目となっている.質問紙の詳細は,表2.1の通りである.

Q1

A 1.とても分かりに

くい 2.分かりにくい 3.分かりやすい 4.非常にわかりや

すい Q2

A 1.全く実感がない 2.あまり実感がな

3.実感がある 4.とても実感があ

Q3

A 1.全く保たれてい ない

2.あまり保たれて いない

3.保たれている 4.とても保たれて

いる Q4

A 1.全く確認してく れる

2.確認してくれな

3.確認してくれる 4.十分に確認して

くれる Q5

A 1.全く意欲的にな

れない内容である

2.あまり意欲的に なれない内容であ

3.ある程度意欲的 になる内容である

4.とても意欲的に なる内容である

Q6

A 1.かなり聞き取り にくい

2.聞き取りにくい 3.聞き取りやすい 4.とても聞き取り

やすい Q7

A 1.かなり見にくい 2.見にくい 3.見やすい 4.とても見やすい

表2.1:対象校における授業アンケートの評価項目(実技教科はQ6まで)

先生の授業において,黒板への板書は見やすいですか?

先生の授業は分かりやすいですか?

実力(知識や技術など)が見に付いている実感はありますか?

先生の授業において,授業秩序は保たれていますか?

先生は,生徒がどのぐらい理解しているかを確認しながら授業を進めていま すか?

先生の授業は意欲的に取り組める内容ですか?

先生の声は聞き易いですか?

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2.2.2 対象者

調査の実施については,対象校の学校長に調査依頼状により承諾を得ている.

調査対象者は,3年次生徒9名である.この9名は大学などの上級学校への進学を目的 としたコースに所属している.また,成績の違いにより成績上位・中位・下位に分かれ た3クラスにそれぞれ3名ずつ所属している.更に学校設定科目34である「数学演習」を 選択し,履修している.なお,この科目は筆者が授業担当者である.

この教科・科目を対象とした理由は下記の通りである.

(1) 志望大学や入試方法により授業を受ける目的は多様である.

(2) 成績の違いにより編成された3クラスからなる授業であり,成績面での到達目標 が異なっている.

(3) 授業担当者(被評価者)が同一人物であるため,授業担当者の違いに起因する評価 の違いが除外できる.

対象者の選出は次の手順により行われた.所属クラスでのこの科目の選択者は,1組7 名,2組10名,3組8名の計25名である.その中から,授業の目的に即しており,成績が 平均点以上の生徒を調査対象候補者とした.更に,コミュニケーション能力,日常行動 において支障の無いことを考慮し,学級担任から推薦者を受け,調査の目的,内容,方 法,協力については自由意思であることを説明し,了解を得た生徒を対象者とした.

結果,成績の下位クラス1組からA・B・C,中位クラスからD・E・F,上位クラス からG・H・Iの9名となった.

なお,調査は2009年12月から2010年2月の間に実施している.この調査時期は,3年 次の授業が終了しており,成績も確定し調査対象者もその成績を確認していた.

また,2010年3月の時点で,成績上位クラス所属の3名は国立大学1名・公立大学2名,

中位クラスは公立大学1名・私立大学2名,下位クラス所属の3名は全員私立大学に進学 が決定していた.

34 学習指導要領で定められている科目以外に,教育上の必要から学校独自で設定できる科 目.

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2.2.3 データ収集方法

半構造的,深層的,自由回答的インタビューによりデータを収集している.このイン タビューを行う前に,予備調査を行い,インタビュー項目,方法についての検討を行っ ている.インタビューは次の様に構造化した質問項目に沿って進められた.

(1) 何について誰にどの様な目的を持ってどの様に尋ねるかを決定するリサーチ・ク エスチョン.

(2) より正確で詳しい情報を得るために欠かせない質問である追求質問.

(3) 対象者の回答内容を見直し,聞き足りなかった部分や不完全な回答しか得られな かった部分を補うための質問であるフォローアップ質問.

実際のインタビューは,対象校内の面談室において,調査者1名対調査対象者3名のグ ループ・インタビューで行った.インタビューの平均時間は約60分であり,調査対象者の 了解を得た上で全て録音されている.対象者自身に「数学演習」を選択した目的,受験 に必要な科目であったかどうか,今後の進路について質問し,それぞれ語ってもらい,

次に,下記の項目および「生徒による授業評価」の評価項目について,どの様な視点で 回答しているのかについてインタビューを行った.

(1) 「どの様なことを授業に求めているのか.」

(2) 「もっとも良い授業はどの様な授業だと考えるか.」

(3) 「どの様に授業の評価を決めているのか.」

(4) (1)をより具体的にし,「授業にはどの様なことが大事だと思うのか」

(5) (2)をより具体的にし,「良くない授業はどの様な授業だと思うか」

実際のインタビュー内容は,次の様に行われている.

評価項目である「先生の授業は分かりやすいですか.」に対し,リサーチ・クエスチ ョンとして「どの様なことを授業に求めますか.」という質問を対象者全員に行ってい る.そこで得られた回答に対し,追求質問としてより具体的な質問を引き出すために,

「分かり易い授業のためにはどの様なことを求めますか.」といった質問を行っている.

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その中から,特徴的な回答や,対象者独自の視点による回答があった場合は,更に深 い視点を引き出すために,フォローアップ質問を行っている.例えば,良くない授業の 例がいくつか挙げられた場合,その視点が同列のものなのか否か,強く改善を必要とす る事柄はどの様な事なのであるかを引き出すために,「もっとも分かり難い授業はどの ような授業でしょうか.」といった質問を行っている.なお,インタビューの中で,イ メージする授業は「数学演習」の授業であることをその都度確認している.

得られたデータは,全てテキスト化しされている.その後,「えっ」,「うーん」とい った感動詞を削除している.同時に語句の間違いなどの訂正を加えている.その後,テ キスト化した文章は,誤りが無いかどうか,意図したことが正しく反映される表現にな っているかどうかが調査対象者によって確認されている.その際,個人が特定される表 現を特定されない表現に変更する,同音異義語の意味について確認を行うといったこと がなされている.その後,対象者からデータとしての使用についての了解を得ている.

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