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更に,生徒が授業を評価する潜在的基準の有無および尺度について,ケース・スタデ ィを用いて分析した.その結果,生徒が抱く良い授業に基づく相対的基準を潜在的基準 としていることが明らかになった.
また,教師は,次の4つの視点により授業を評価していることが明らかになった.
(1) 授業技術
(2) 生徒に求める姿勢 (3) 作問の妥当性 (4) 指導の原点
授業技術に関しては,生徒と教師の視点は近いものであった.一方,他の視点は,互 いに異なるものであった.しかし,どちらも良い授業への志向が背景として存在してい た.生徒にとっては,授業に対する自身の主体的な学び,教師にとっては理想とする授 業や生徒像が反映されていたのである.
生徒による授業評価の信頼性は,徐々に高まっている.例えば,先行研究では自由記 述欄への「誹謗・中傷」に近いコメントが徐々に収斂していったことが述べられている.
本研究では,その効果をより,高めるための,いくつかの知見が得られた.
第1に,評価の視点,基準の考察において,「良い授業」についての共通理解が必要 とされることである.この共通理解は,生徒と教師,教師と他の教師の関係にのみ求め られるものではない.教師に対し,指導・助言を行なう立場である管理職との関係にお いても求められる.
第2に,生徒による授業評価の結果を活用することである.この活用は,自己評価と しての活用に留まらない.生徒と改善に取り組もうとする教師が共に,授業を振り返り,
授業を築き上げる姿勢が求められる.こうした姿勢を受けて,生徒の授業への参加や,
評価に対する責任感が高まることに繋がる.
第3に,生徒による授業評価の制度そのものの進化が挙げられる.共通理解に基づく 良い授業は,生徒,教師によって「より良い授業」として位置付けられる.結果,評価 の視点や基準は,両者の成長によって変容していくことが考えられる.実際に,そうい った傾向が存在していることが見出されている.
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また,学科,学年,教科といった属性によっても視点や潜在的基準が異なっている.
そのため,共通の評価項目に加え,教科・科目独自の評価項目,学年が上がるにつれ 評価能力の高まることに対応できる評価項目を設定することにより,実状を反映した自 己評価に繋がると考えられる.
以上のことを,生徒による授業評価に取り入れ,信頼性や妥当性を高めることによっ て授業の改善が促される.このことにより,生徒のより良い変容に寄与することを期待 している.
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謝辞
本研究を行なうに際し,多くの皆様にご支援いただきました.
指導教員である,東北大学大学院教育情報学研究部北村勝朗先生には,5 年にわたりお 世話になりました.現職の教諭として,時間的に制約がある私に対し,温かくかつ厳しくご指導 いただいたことに深く感謝いたします.北村先生からは,個人,ゼミでの指導のみならず,他大 学や他の研究室との合同ゼミ合宿,学会運営や様々な研究プロジェクトなどへの参加の機会 も与えていただき,非常に貴重な経験を重ねることができました.
また,本論文の審査にあたり,多くの貴重なご助言をいただきました,東北大学大学院教育 情報学研究部熊井正之教授,中島平准教授に心から感謝いたします.
更に,住田正樹放送大学教授・九州大学名誉教授には,放送大学大学院のゼミへの参加 や紀要の執筆,教員免許更新講習の収録への参加といった数多くの機会をいただきました.
宮城教育大学教職大学院の本間明信教授,吉村敏之教授には現職教育講座において 2 年にわたり数学教育に置ける課題などをカリキュラムの視点から数多くご教授いただきました.
北陸先端科学技術大学院大学の前園涼准教授には,スーパーコンピュータを用いたデータ の解析を通して数学の教材研究を深める視野をご教授いただきました.
こうした学びや研修の機会を通し,授業研究に対し,新しい視点を得ることができました.
大学院博士課程に進学するにあたり,勤務先の理解をいただけたことはとても有り難いこと でした.常盤木学園高等学校の松良千廣校長をはじめとし,多くの先生方に感謝いたします.
また,宮城県多賀城高等学校の久野千枝教諭にもご自身のご経験を踏まえた上での,多くの ご協力をいただきました.
学生生活においては,先輩方,同輩,後輩と多くの素晴らしい出会いがありました.
仕事以外で得られたこの出会いは,とても貴重なものとなりました.心より感謝いたし ます.
在籍した5年間は,学生生活以外にも多くの出来事がありました.東日本大震災直後 には,研究活動もままならず中々進まないこともありました.仕事が忙しく,手に付か ないことも多くありました.こうした中,温かく見守ってくれた父と母にも感謝いたし ます.また,困難な時期に,常に友人としても先輩・同僚としても研究者や教師として の姿を示し続けてくれた佐藤克美・美奈子ご夫妻にも深く感謝いたします.
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最後に,論文執筆を理解し,大切な時期に時間を設けてくれた妻に感謝し,ここに記 すこととします.
皆様,本当にありがとうございました.
平成26年2月7日
髙谷 将宏
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第1章
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