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第 6 章 係留施設の断面変化箇所での水平変位の法線方向分布の

6.4 床掘置換とSCP改良地盤の施設境界の水平変位の推定

6.4.1 計算メッシュ

本研究において障害が発生するとすれば,3次元の弾性有限要素法解析の計算の安定性お よび計算時間であった.このことから,先に 3 次元の計算メッシュを作成し,試計算を行 った上で,研究を開始することとした.図6.10に,PC13とPC14の境界付近の3次元の計 算メッシュを示す.メッシュ数および境界条件は,表6.1に示すとおりである.また,FLIP

ROSE 2Dにおいては,解析を行う構造物の前方と後方に各々100m程度を解析範囲とするこ

とが多いが,計算時間があまり長くなると実務では適用し難くなることから,構造物法線 から後方(陸側に73.8m,前方(海側)に55mの範囲としてみた.PC13およびPC14の未 施工部分もメッシュに組み込み,解析時に考慮しない物性とすることで再現することとし た.なお,ケーソンの目地を再現するため,Y軸方向の5列に1列の割合でケーソンが存在 しないものとし,ケーソンの単位体積重量は1.25倍とした.通常のFLIP ROSEの解析では,

ケーソン底面とケーソン背面にはジョイント要素を入れるのが常であるが,試計算におい て,ジョイント要素を入れた場合は解が得られなかったためジョイント要素は入れていな い.

FLIPコンソーシアムが推奨しているFLIP ROSE 3Dの計算環境と本研究での計算環境と の比較を表6.2に示す.本研究では,FLIPコンソーシアム推奨のものと近い環境で計算を 行ったことがわかる.本研究の計算環境での図6.10の3次元メッシュの計算時間は,約30 時間であった.このことから,実務を実施する観点からは,使用に耐える計算時間である と判断し,以後の検討で不都合が見当たらない限りは,このメッシュを基本として研究を 行うこととした.

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図6.10 PC13とPC14の境界付近の3次元計算メッシュ

表6.1 3次元メッシュ

項目 内容 備考

節点総数 95,120

要素総数 86,135 間隙水要素を含む 境界条件

XY平面 Z=0.0 ならばZ座標固定 YZ平面 X=0.0およびX=128.8ならばX座標固定 ZX平面 Y=0.0およびY=287.5ならばY座標固定

表6.2 FLIP ROSE 3Dの動作環境12)および本研究での計算環境 FLIPコンソーシアム推奨環境 本研究での計算環境 OS Microsoft® Winbdows® 7

以降 Windows 7 professional

CPU Intel 第2世代 Core i シリーズ (Sandy Bridge) 以降

Intel(R)Core(TM)i7-3770CPU

@3.4GHz システムの

種類 64ビット オペレーションシステム 64ビット オペレーションシステム

(推奨) メモリ 8 GB 以上 8GB

144 (2) 2次元メッシュ

図6.11にPC13とPC14の2次元の計算メッシュを示す.2次元の計算メッシュは,3次 元の計算メッシュをZX平面で切り出したものとなっている.

(a) PC13の計算メッシュ

(b) PC14の計算メッシュ

図6.11 2次元計算メッシュ

SCP 改良地盤 70%

SCP 改良地盤

50% SD 改良地盤 SCP 改良地盤 基礎捨石

ケーソン 裏込石

粘性土 粘性土

粘性土 粘性土

裏埋土 裏埋土

置換砂

置砂 置砂

ケーソン 水中

裏込石 基礎捨石

ケーソン 気中

ケーソン 気中 上部工

気中 上部工 気中

上部工 気中

(未施工) 裏埋土

気中 裏埋土

気中

(未施工)

裏埋土 気中

(未施工)

裏埋土 気中 裏込石

気中

裏込石 気中

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