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ら5つの学習内容は,知識ベースを構成する要素からも多くの事実的知 識を必要とし,学習者がそれらを自由に関連づけて考えることに学習と

しての意味が見いだせる。よって,教材の中に知識ベースに基づく問い は一切位置づけず,グラフや地図,図表などをセンターノードとしてハ イパーテキスト構造で構成する。「自動車の開発」はチュートリアル構 造に基づき構成する。この学習内容は,知識ベースを構成する要素に非 常に強い順序性があり,それほど多くの事実的知識を必要としない。よ って,教材の中に知識ベースに基づく問いを位置づけ,チュートリアル 構造で構成する。 「自動車と貿易」「自動車と環境」はマルチシステム 構造に基づく。この2つの学習内容は,知識ベースを構成する要素が問 題意識の把握とその解決の方策の2つに分かれており,それぞれに多様 な事実的知識を必要とする。そこでマルチシステム構造により,教材を 事実的知識の獲得によって問題意識を高める内容とその解答となる内容 の2つに構成する。

 第2節では,教材研究の内容とデザインに基づき具体的な教材開発の 事例について述べる。

第2節 データベース構造に基づくハイパーメディア教材の開発事例

 データベース構造は,学習者が資料を自由に活用できる並列的・独立 的なメディア構成とし,なお種々の資料をある程度関連づけて思考可能 な設計理論である。本節ではこのデータベース構造に基づいた教材の開 発事例について示す。

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1. 「自動車工業資料集」の開発

 「自動車工業資料集」は,データベース構造に基づき開発を行った。

「自動車工業資料集」は本教材においては,多様なメディアの社会科資 料集として位置づけている。ハイパーメディア教材に資料集的性格を有 する教材を加えることで,実際の授業における活用の幅が広がるからで ある。同時に,多様なメディアによる資料を双方向的に活用することが できるというハイパーメディアの特長を生かし,これまでと違った形態 の資料集として活用できるのである。

1−1 「自動車工業資料集」の知識モジュール

 「自動車工業資料集」は知識ベースに基づき8っのサブメニューに分 割した。しかし,分割したサブメニューだけでは内容が抽象的であるた め,多様な知識と多様なメディアを位置づけるための分類項目である知 識モジュールが必要となる。よって「自動車工業資料集」における知識 モジュールを次のように分類した(表4)。

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表4 自動車工業資料集の知識モジュール

謡ベース サブメニュー 茎モジュール

と たちの  と  、の い

グラフ 自動車 輸出

自動車産業の発達と私たちのくらし 都市の様子 道路の様子 生活の様子 今の豊田市 自動車のまち豊田市 昔の豊田市

豊田市の工場 地図

自動車組み立て工場

自動車の生産 自動車の生産

自動車関連工場 昔の生産

1 第1次関連工場

自動車関連工場 第2次関連工場

第3次関連工場 その他

デザイン

自動車の開発 設計

テスト 研究・開発 貿易摩擦

自動車と貿易 輸出自主規制

海外生産

自動車と環境 環境問題と自動車

解決に向けて

これらの知識モジュールをそのままサブメニューの中に資料の分類項目 として位置づけることで,学習者は資料内容を瞬時に理解できるように なる。同時に分類項目に位置つく種々の資料を比較・検討することが可 能になってくるのである。

1−2 「自動車工業資料集」のノードとリンク

 サブメニューに,知識モジュールを資料の分類項目として位置づけ,

取材した資料をノードにまとめプロットしていく。ノードのリンクはデ

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一タベース構造であるため,選択されたノードから常にサブメニューに 戻るようになっている。実際の教材から具体例を図3に示しておく(図

3)o

劇 . 塀 蓬 魏魏

i髭

轡ぐ

「自動車のまち豊  田市」のサブメ ーユー。

豊田市に関する2 5の資料が分類さ れている。

藻 滋 藤 論 義

摩 羅

二二網野聯聯

騨頬と鯉朧十寸

0 5 10 15 20 匹 30 箔  {万人)

欄こ本社工場がでさる。

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1935年