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図9:ハイパーテキスト構造 複合型

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 以上のようなハイパーテキスト構造による設計理論のもとでは,次の ような利点が考えられる。第1は,地図やグラフなど抽象化した基本資 料を,より具体的な他の資料と関連づけて思考することが可能であるこ

と。第2は,調査・探索を経験的,仮想的に行えるような構成が可能で あること。第3は,テキストを介して資料をリンクさせているため,抽 象的文字資料をより具体化して考えることが可能である点である。

 また,ハイパーテキスト構造は,知識ベースと知識モジュールに基づ きながらも非線形的,非並列的な緩やかな構造を有する。そのため,学 習者は自由に課題を設定し探究できるが,教材を開発するには非常に多 様な知識内容と多様なメディアを必要とする。よって,この設計理論の もとでは学習課題を教材の中に位置づけることは不可能になり,必然的 に誰もがどのようにでも活用可能な汎用性の高い教材になるのである。

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5.マルチシステム構造の設計理論

 マルチシステム構造は,ハイパーテキスト構造やデータベース構造,

チュートリアル構造を教材の知識内容によって組み合わせ,学習者自ら が自由に思考した課題を設定し,その解答を導き出すことが可能な設計 理論である。

 社会科における単元の終末段階では,一般的に概念的知識や価値的知 識など質の高い知識の獲得を目標としていることが多い。このような場 合,概念的,価値的な知識の前提となる事実的知識の獲得が必要条件と なる。つまり,単元の終末段階における社会科の授業においては,事実 的知識の獲得によって問題を把握させ学習課題を設定し,設定した学習 課題に基づいて,より質の高い知識の獲得を目指すという二層構造の学 習展開になっているのである。このような授業展開をメディア活用の観 点から考察する。問題把握の過程において,資料の線形的・系統的な提 示を行えば,学習課題を明確に把握させることができるが,学習者のメ ディアに対する相互作用は期待できなくなってくる。逆に,資料の並列 的・独立的な活用を行い学習者が自由にメディアに対して働きかける宇 習活動を保障すれば,学習課題を明確に把握させることが困難になって

くる。また,設定した課題の解決による質の高い知識の獲得にも同様の ことが言える。資料の線形的・系統的な提示や並列的・独立的な活用で は,学習者が自由にメディアに働きかけ,その相互作用で思考し知識の 質を高めていくことが期待できなくなってしまう。

 そこで,単元の終末段階における授業の二層構造に視点をあて,2っ の構造をシステムとしてとらえ,ハイパーテキスト,データベース,チ

ュー gリアルの3っの設計理論を組み合わせるのである。前提となる事 実的知識を,多様なメディアによって自由に探索し課題を把握していく。

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さらに把握した課題を,自由に探索し解決していく。つまり,学習者に とって非常に幅の広い思考が可能になるのである。その具体的な組み合 わせば単純に考えると,9つの構成のパターンが存在する(図10)。

  〈前提となる事実的知識〉   〈獲得すべき高度な知識〉

      チュートリアル構造

チュートリアル構造 ハイパーテキスト構造 データベース構造 チュートリアル構造 ハイパーテキスト構造 ハイパーテキスト構造

データベース構造 チュートリアル構造 データベース構造 ハイパーテキスト構造

データベース 付 図10:マルチシステム構造のパターン

 マルチシステム構造のパターンからどれを選択するかは,基本となる 3つの設計理論の特色と教材に位置づける知識内容との関連から考えな ければならないだろう。

 チュートリアル構造は,学習課題を教材に位置づけ知識を確実に伝達 できる単線的・系統的なメディアの構成とし,なお子どもがある程度自 由に活用でき,能力や興味・関心に応じた双方向的活用が可能であると いう特色を持っている。データベース構造は,子どもが自由に活用でき る並列的・独立的なメディアの構成とし,なお種々の資料をある程度関 連づけて思考でき,映像資料等の双方向的活用が可能であるという特色 を持っている。しかし,両者の設計理論には,自由な課題設定の面と各 資料の関連性をふまえた思考の側面からそれぞれ問題性が残る。ハイパ

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一テキスト構造は,両者の構造の問題性を埋める観点から,多様な知識 が緩やかに構成されている。よって,学習者が自由に課題を設定し探求 を進めることが可能で,しかも,種々の資料を関連づけて思考し,双方 向的活用が可能であるという特色を持っている。

 以上のような各設計理論の特色を教材の知識内容と関連させて考えれ ば,9つの構成パターンのうちどれを選択すればよいかが見えてくる。

例えば,前提となる事実的知識の内容が系統的である場合は,チュート リアル構造によって構成すればよい。前提となる事実的知識の内容が広 範囲にわたり,前提となる知識が学習者にとって理解しやすく,なおか つ多様な知識を必要とする場合はデータベース構造を基本とすればよい。

前提となる知識を相互関連的にとらえ,多様な認識を必要とする場合は ハイパーテキスト構造を基本とすればよい。質の高い知識の獲得を目指 す授業展開における設計理論の選択も同様に考えればよいのである。な お,黒田章におけるマルチシステム構造による開発事例では,ハイパー テキスト構造とチュートリアル構造,及びハイパーテキスト構造とハイ パーテキスト構造の2つのパターンで教材を構成した。

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 マルチシステム構造の設計理論のもとでは,単元の終末段階の展開に おいて,学習者が多様な構成形態によるメディアを双方向的に活用しな がら課題を把握し,解決を図ることが可能になるのである。また,学習 者が自由に課題を引き出せるために,「なぜ」「どのように」といった 具体的な問いは教材に明確に位置づけず,事実のみで構成することが重 要である。しかし,教材の知識内容で,どれが前提となる事実的知識で どれが獲得すべき高度な知識なのかは開発者の教材観が影響してくる。

よって,誰もがどのようにでも使えるという教材という観点から,その 汎用性が低くなる可能性が生じるという問題性も残る。教材の知識べ一

       一49一

スを作成する段階でその知識内容を十分に吟味し,誰もが納得できる形 で教材を分割し汎用性を高めておくことが重要であろう。

 以上,データベース構造,チュートリアル構造,ハイパーテキスト構 造,マルチシステム構造の4つの設計理論について述べた。その設計理 論の視点となった学習形態と資料の関連性から,4つの設計理論を考察

してみる。

 まず,学習形態の側面から考察する。データベース構造は,子ども主 体型の学習形態におけるメディア活用に視点をおいている。よって,学 習者は興味・関心に応じてメディアを双方向的に活用可能で,複数の資 料を比較・検討し思考することができる。チュートリアル構造は,教師 主導型の学習形態におけるメディア活用に視点をおく。よって,単線的

・系統的に資料が提示されるが,関連する資料をリンクしておくことで 学習者の興味・関心に適応することができる。そして,子ども主体型と 教師主導型の両者のメディア活用のギャップを埋める視点からハイパー テキスト構造が存在する。ハイパーテキスト構造はデータベースとチュ ートリアルの設計理論の両者の特性を備えているため,興味・関心のお もむくままに自由に教材を探索し,複数の資料を比較・検討し思考する ことができるのである。さらに,マルチシステム構造は,事実的知識を 手がかりにより質の高い知識の獲得をねらう授業展開に視点をおく。3 っの設計理論を教材の知識内容によって組み合わせることで,学習者自

らが自由に思考し課題を設定し,その解答を導き出すことができる。そ して,これらの設計理論では従来のメディア活用の限界を越え,多様な メディアの双方向的活用が可能になっている。

 次に,メディアを媒介として教材に位置つく資料の関連性から,4つ       一50一