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30 HIV 感染症の臨床経過AIDS 関連症候群（ARC）の診断と治療 ～症候による診断手順～
多発造影病変あり
その他 トキソプラズマ
非典型病変 異常所見なし
トキソプラズマ脳炎の empiric treatment
２週間以内の 臨床症状 or MRI 所見の改善なし
脳室周囲病変 急性発症
PML の場合 ART 開始
髄液検査
病理組織PML の場合 JCV の蛍光抗体染色 ウイルス培養（CMV、HSV）
など
髄液一般、細胞診 神経梅毒、結核 クリプトコッカス抗原 PCR（トキソプラズマ、
HSV、VZV、CMV、
JCV、EBV）
髄液検査で CMV の所見 があれば CMV 治療
造影 CT or MRI
トキソプラズマ抗体，STD 検査 血清クリプトコッカス抗原
脳生検
⑵ HIV 感染進行期、精神症状（性格変化）、痙攣、頭痛または局所徴候
HIV 感染症の臨床経過 31 AIDS 関連症候群（ARC）の診断と治療 ～症候による診断手順～
正常Ｘ線所見 異常Ｘ線所見
正常 異常
治療
次ページへ Chest tube
PCP 治療 (empiric)
治療 Ganciclovir
間質性陰影
喀痰採取
気管支鏡 反応無し
PCP
CMV アンチゲネミア陽性 No PCP TBLB CT
気胸 その他
CO 拡散能＜80%
PaO2 ＜80mmHg LDH 上昇
Ga シンチ集積
PCP 陽性 TB 陽性 Cryptococcus 陽性
陰性 or 採取不能
PCP 治療
（empiric）
鑑別診断 副鼻腔炎気管支炎 結核M. AVium Cryptococcus
⑶ 咳嗽、発熱、呼吸困難
32 HIV 感染症の臨床経過
胸水 局所浸潤影 結節影/空洞病変
喀痰 TB 塗末×3 胸水採取塗末培養
（細菌＋抗酸菌）
肺実質病変の確認 血液培養 喀痰塗末培養
（細菌±レジオネラ）
喀痰塗末培養
（細菌＋抗酸菌
＋ノカルジア＋真菌
急性 慢性
血液培養 陰性
陰性
診断不定 診断不定
診断不定
胸膜生検
画像評価
気管支鏡±TBLB 確定診断
確定診断
確定診断 陽性
陽性
治療 治療
治療 治療
治療
No Yes 静注薬物使用
抗菌剤投与 PCP 治療
（empiric）
異常Ｘ線所見（続き）
AIDS 関連症候群（ARC）の診断と治療 ～症候による診断手順～
HIV 感染症の臨床経過 33 AIDS 関連症候群（ARC）の診断と治療 ～症候による診断手順～
⑷ 急性下痢
CD4＞300/㎜3 CD4＜300/㎜3
抗生物質使用歴
（3 週以内）あり CD チェック
陽性
陰性 なし
軽症下痢
軽症下痢
経過観察
（±止痢剤）経過観察
下痢持続
下痢の持続 大腸内視鏡 腹部 CT Fecal leukocytes
大腸内視鏡 腹部 CT
便培養：Salmonella Shigella,C.jejuni, Aeromonas,Vibrio 下痢持続
便鏡検
治療 治療
治療
経過観察 経過観察
診断確定
診断確定 重症下痢
重症下痢
下痢の持続 発熱・血便 体重減少脱水
便培養便鏡検 抗酸菌検査 血液培養CD チェック 下痢の持続
発熱・血便 体重減少脱水
脱水なし発熱なし 体重減少なし 水様便なし
vancomycin metronidazole
No No
No
Yes
Yes
陽性 陰性
薬剤・食事・精神面の評価
34 HIV 感染症の臨床経過AIDS 関連症候群（ARC）の診断と治療 ～症候による診断手順～
⑸ 慢性下痢（CD4<300/mm3）
原因薬剤の除外、血液培養（一般細菌、抗酸菌）
便検査（培養、鏡検、抗酸菌検査、CD チェック、Microsporidiaassay）
便培養 抗生剤投与
抗生剤投与 治療
metronidazole or vancomycin M. avium 陽性
Microsporidia Fumagillin，Albendazole paromomycin
metronidazole Cryptosporidium
Blastocystis hominis
便検査陰性
あり なし
下部消化管内視鏡 上部消化管内視鏡
診断がつかないとき 内視鏡検査
症状持続・悪化 CD チェック陽性
Isospora Cyclosporia E.histolytica Giardia
CD4＜100 であればART Salmonella
Shigella C.jejuni
痙攣性症状、発熱、膿性便、血便
生検：HE 染色、Giemsa 染色
CMV 染色 生検：HE 染色、Giemsa 染色
CMV 染色
EM：Microsporidia の確認 小腸液吸引・定量培養
HIV 感染症の臨床経過 35 AIDS 関連症候群（ARC）の診断と治療 ～症候による診断手順～
１．血球減少 骨髄穿刺・生検 ２．胸部 XP 異常 or 低酸素血症
本稿⑶
３．クリプトコッカス抗原陽性 腰椎穿刺 ４．肝機能異常 CT、echo、ERCP
肝炎ウイルス検査、肝生検 ５．非抗酸菌検出 治療
１．尿・喀痰の TB 培養 ２．胸部、頭部、腹部 CT ３．尿・血液ヒストプラスマ抗原 ４．脳脊髄液検査
５．副鼻腔・歯科領域の検索 ６．ガリウムシンチ
７．骨髄穿刺・生検
⑹ 不明熱（FUO）
顆粒球減少（＜500/mm3）
初期検査
初期検査異常 2 次検査
局所所見あり
あり なし
なし 熱型の確認と原因薬の除外
下痢
呼吸器症状
抗生剤+G-CSF 投与
本稿⑷、⑸
本稿⑶ 本稿⑴、⑵
組織検査、CT
リンパ節生検
肝機能検査、CT 血液培養、ルート抜去 抗生剤投与
IV ルート
軟部組織の炎症
リンパ節腫脹
腹痛
頭痛±神経症状 or 髄膜刺激症状
CBC、生化学 尿検査、血液培養 結核・抗酸菌検査
血清クリプトコッカス抗原 胸部Ｘ線
血液ガス分析
36 HIV 感染症の臨床経過AIDS 関連症候群（ARC）の診断と治療 ～症候による診断手順～
■参考文献■
1 Bartlett JG et al．Medical Management of HIV Infection 2001-2002 Edition．Published by Johns Hopkins Medicine Health Publishing Business Group，2001
2 Bartlett JG et al．Medical Management of HIV Infection 2009-2010，15th Edition．
Published by Johns Hopkins University School of Medicine，2009
（血液内科 遠藤 知之 2013．07）
HIV 感染症の臨床経過 37