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ユニット5:需要管理

5.3  活動を基準にした需要管理とPBA

事業活動 パターン

ビジネス・

プロセス

需要パターン

サービス・

プロセス

サービス・ベルト

提供スケジュール

キャパシティ 管理計画

消費に影響を与える

ための報奨と罰則 需要管理

サービスの需要は、主にビジネス・プロセスから発生します。そのため、PBAは需要のパターンに影響しま す。

顧客の事業を調査して、需要のパターンを識別、分析、および文書化する必要があります。これは、キャパシ ティ管理の基盤となります。支援サービスに対する需要との関係から、顧客の事業活動と事業計画を検討す る必要があります。

事業活動パターン

事業活動はサービスの需要を促進します。PBAは、次の3つの顧客資産から生まれます。

人材

y

プロセス

y

アプリケーション

y

PBAは事業活動を定義し、次の4つのグループとのやり取りを含みます。

顧客

y

サプライヤ

y

パートナ

y

利害関係者

y

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My N otes

PBAは収益、収入、コストを発生させるものであるため、事業成果の大

きな部分を占めています。組織は、詳細が明確で完全になるように、プ ロセスを通してPBAを識別、体系化、および共有します。

次の属性は事業活動を説明するものです。

頻度

y

数量

y

場所

y

期間

y

これらの属性は次の要件と関連しています。

セキュリティ

y

プライバシー

y

待ち時間または遅延許容度

y

ビジネス・プロセス、人材、組織、アプリケーション、およびインフラスト ラクチャにおける変更および改善は、事業活動のプロファイルに影響 を与えます。そのため、PBAを変更のコントロール下に置かなければ なりません。

各PBAは一意の基準で体系化されています。このパターンの体系化 は、類似性や近似性の基準を使って多次元的な視点でPBAを分析する のに役立ちます。これにより、次のようなシンプルで標準的なパターン のカタログを作成する効率性と堅牢性が高まります。

パターンの数を減らす。

y

分析を容易にする。

y

複雑な解決策を回避する。

y

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事業活動パターンに一致するユーザ・プロファイル(例)

ユーザ・プロファイル 該当する事業活動パターン(

PBA

PBA

コード 上級役員(UP1) 中短期の国内海外出張、取り扱い要注意の情報、サービ

ス要求の待ち時間なし、技術支援に高いニーズ、事業へ 即応できる必要性

45F 45A 35D

移動の多い役員(UP2) 長期の国内海外出張、取り扱い要注意の情報、サービス

要求の待ち時間が短い、技術支援に中程度のニーズ、顧 客との高い接触度、顧客に即応できる必要性

45A 35D 22A

オフィス・スタッフ(UP3)

オフィスに常駐する総務スタッフ、低頻度の国内出張、サ ービス要求の待ち時間が中程度、技術支援のニーズ低、

フル装備のデスクトップの必要性、顧客との中程度の接 触、大量の事務作業、勤務時間中は高い生産性が必要

22A 14B 3A

支払処理システム(UP4)

業務システム、大量、トランザクション・ベース、セキュリ ティへの高いニーズ、サービス要求の待ち時間が短い、

季節変動小、郵便による文書送付、自動顧客通知、規制 上のコンプライアンスが基本、低単位コストの必要性、

高セキュリティと透明性の必要性(監査コントロール)

12F

顧客支援プロセス(UP5)

ビジネス・プロセス、中程度の分量、トランザクション・ベ ース、中程度のセキュリティの必要性、サービス要求の 待ち時間が非常に短い、季節変動中程度、宅配便による 交換部品の配送、自動顧客通知、顧客への即応が必要

24G 10G

(出典:『サービスストラテジ』)

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115 5.4 サービス・ポートフォリオとのインタフェース

サービス・ポートフォリオ、サービス・カタログ、およびSLMとのインタフェース

サービス・ポートフォリオが提供する価格設定情報は、顧客の購買行動に影響を与えます。そのため、サービ ス・プロバイダはサービス・ポートフォリオを使って、価格を変更し、顧客の購買の意思決定に影響を与える ことができます。サービス・カタログでサービスレベル・オプションに関する情報を提供することによって、顧 客が最も費用対効果の優れたサービスを選択できるよう手助けできます。

さらに、ビジネス・サービス・カタログは、顧客がITコストと事業運営との関連をより良く理解するのに役立ち ます。それによって、顧客は需要の予測をより正確に計算できるため、ITは財務的、技術的、および人的なリ ソースをもっとうまく割り当てられるようになります。

需要管理は、機会を追求するべきかどうかの理解の一環として、サービスストラテジ・プロセスのかなり早い 時期に関与します。その情報はサービスストラテジ・プロセスの初期に取得され、サービス・ポートフォリオ に含まれます。需要を理解することは、機会の有用性および保証の要件(サービスレベル・パッケージ(SLP)

)を決定する構成要素であるため、SLMと関連付けられます。

組織内でサービスマネジメントの成熟度が増すと、相当のコストの増加なしで、より高いレベルの有用性と 保証を提供することが可能になります。従って、サービス・プロバイダにとっての価値の獲得は、顧客にとって の価値の創出を伴います。

サービスの需要が適切に管理されない場合、コストとリスクが大幅に増大します。サービス・カタログは、モ デル化、意思決定、およびコントロールのための需要の重要な情報を提供するため、サービス需要の管理 において有用なツールです。サービス・カタログからの情報は、事業において予想される用途とITの供給要 件を見積もるための支援となる財務要件に変換されます。

サービス査定を使用して、サービス・カタログ内に各サービス、サービス・コンポーネント、およびSLPの価値 を決定できます。これにより、想定サービス消費の見積もりが正確にでき、正確な需要の計画が可能になり ます。さらに、財務管理の適用を通じて、サービス・カタログは顧客が需要を調整するのを支援します。

サービス・カタログはまた、SLPおよびコアサービス・パッケージ(CSP)とでセグメント化し、顧客のニーズに 応じた有用性と保証を顧客に提供できます。これによって、顧客への対応が不十分であったり過剰であった りすることがなくなり、サービス合意やサービス契約がより効率の高いものとなります。

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