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ユニット7:財務管理

7.5  基本概念 ― 資金調達、会計、課金

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信頼度

信頼度とは、サービスの需要と供給の財務的インプットとモデルは正 確で統計的に重要なデータを提供するという概念を指します。

データの信頼度は、財務管理が次のことを行うのに役立ちます。

達成目標を実現する。

y

データ計算中に起こりうるエラーを防止する。

y

意思決定能力を改善する。

y

財務管理は、固有の財務的変換と必要条件設定の機能を実行するた め、計画立案のデータと情報の信頼度を高いレベルで維持する必要 があります。計画立案の信頼度には、測定可能な財務要件として表し たサービス指向の需要モデル化と、高い統計的精度が必要です。

次に、財務管理がサービス投資分析をどのように行うかを理解しまし ょう。

サービス投資分析

財務管理は、IT組織のためにサービス投資分析を行います。サービス 投資分析には次の活動があります。

共有分析モデルとナレッジを提供する。

y

規模、適用範囲、リソース、コスト、および関連パラメータに基

y

づいて、さまざまなプロジェクトにおいて必要とされるレベル の分析上の精巧さを組織が判断する手引きとなる、しきい値 を設定します。

財務管理が提供する分析モデルとナレッジは、IT組織が、与えられた取 り組み、ソリューション、プログラム、プロジェクトの想定価値や利益を

評価するのを助けます。このしきい値は、プロジェクトに必要な分析レ ベルをIT組織が決定するのに役立ちます。

サービス投資分析の最終目標は、ライフサイクル全体の価値指標を導 き出すことです。サービスの価値指標を導き出すために必要なインプ ットは、得られる価値と、サービスの提供にかかるコストです。

財務管理は、IT投資分析を行うための手法、モデル、活動、および技法 を使用します。

財務管理のモデル

財務管理は次のモデルを使用します。

サービス査定

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マネージド・サービス供給モデル

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シェアード・サービス・モデル

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資金調達モデルの選択肢

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ビジネス・インパクト分析(BIA)

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投資分析に対する想定事項のインパクト

サービスに関する想定事項は、投資分析の鍵です。こうした想定事項 は、分析の成果に大きなインパクトを持ちます。

財務管理の会計

財務管理の会計は、従来の会計とは異なります。サービス指向の費用 や資本アイテムを追跡するための追加的なカテゴリが必要です。財務 管理は企業の財務システムとサービスマネジメントとの間の橋渡しと して機能します。サービス指向の会計は、サービスの供給と使用につ

いての深い理解をもたらし、計画立案プロセスのためのデータのイン プットを与えます。

必要な機能と会計の種類は、次のとおりです。

サービスの記録 ― 適切なサービスと下位サービス・コンポ

y

ーネントにコスト項目を割り当てる。

原価費目 ― ハードウェアや労務などの上位レベルの費用を

y

分離する。サービスの需要と利用を財務用語で報告し分析す ることに役に立つ。

コストの分類 ― サービス内のコストの最終目的を分類する。

y

考えられる分類には、資本/運用(事業や規制によって必要と される会計方法論に対応)、直接/間接、固定/変動、および 原価単位などがある。

サービス指向の会計によって、より上位レベルのサービス戦略の開発 と実行が可能になります。

次に、課金モデルについて理解しましょう。

課金モデル

IT組織の中には独自に資金調達をする組織もあり、その場合は財務の 仕組みが複雑で成熟しています。課金モデルはより大きな説明責任と 可視性を与えるので、こうした組織に最適です。しかし、現在のモデル でより単純な年次の資金補充を行っている場合、説明責任や透明性は 不要になることもあります。この場合、透明性は、計画立案、需要モデ ル化、およびサービス査定の活動とアウトプットから生まれます。

組織は、次のようにして可視性をもたらします。

サービス・ポートフォリオおよびサービス・カタログを識別す

y

る。

ITサービスを価値査定する。

y

需要モデルや消費モデルに価値を適用する。

y

組織は、次のようにして説明責任を果たします。

合意されたレベルでサービスを提供する。

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サービスに資金を提供する。

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しかし、サービスとは何か、そして、それが事業にどんな価値を提供す

るかについての理解が一致しないことが原因で、認識される価値が資 金から乖離していると、説明責任を果たすのは難しくなります。従って、

運用の仕組みも考慮されて初めて、課金の説明責任を果たすことがで きます。

課金モデルの達成目標

課金モデルの達成目標は次のとおりです。

行動の変化を促して、ITサービスに対する需要に影響を与え

y

る。

事業に価値を加える。

y

予測可能性を与える。

y

課金モデルは、計算の単純さと、事業がそれらを理解できるかどうか によって異なります。

課金モデルとコンポーネントの例

課金モデルとコンポーネントの例を幾つか挙げます。

概念上の課金

y

階層別支払い

y

従量制

y

ダイレクト・プラス

y

固定制またはユーザ・コスト

y

概念上の課金

概念上の課金モデルは企業の財務システムに仕訳記入を行うかどう かに対応します。課金のプラクティスを、ある方法論から別の方法論に 移行している場合には適切な暫定的モデルです。

概念上の課金モデルは、企業の財務システムに仕訳記入を行うにあた って、2つの選択肢を組織に与えます。概念上の課金の種類の1つに「2

帳簿」方式と呼ばれるものがあります。2つの帳簿のうちの1つでは、必 要とされる方法で企業財務システムにコストを記録し、2つ目の帳簿は 付けますが記録はしません。この2つ目の帳簿は、同じ情報を、採用さ れていたかもしれない別の記録システムによって表します。このモデ ルは、課金のプラクティスを、ある方法論から別の方法論に移行してい る組織に適しています。

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階層別支払い

階層別支払いの課金モデルでは、サービスの保証や有用性のレベル に基づいて、サービスをゴールド、シルバー、ブロンズ・レベルのサー ビスと呼び、サービスの各セットを適切な課金モデルで価格設定しま す。このモデルの短所は、利用に関して多様な行動を促進しないこと と、受領拒否できないことです。

従量制

従量制の課金モデルでは、需要モデル化とコンピューティング能力を 利用し、時間数、日数、週数などの単位で顧客に課金します。このモデ ルには、成熟した財務環境と運用能力が必要です。

ダイレクト・プラス

ダイレクト・プラス課金モデルでは、あるサービスのコストが、その直 接費と、そのサービスを作成するために事業の全部門で共有する間 接費の一部を使用して計算されます。

固定制またはユーザ・コスト

最も単純化された課金モデルで、コストを算出し、ユーザ数などの合 意された分母で割ります。このモデルは顧客の行動に影響を与えず、

実際のサービス需要を明確にすることもありませんが、簡単な方法で コストを複数の事業に配賦できます。

適切な課金モデルとは、事業に対して最大の価値をもたらすもので す。

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