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ユニット4:サービスレベル管理

4.10  他のプロセスおよび機能とのインタフェース

顧客満足度の照合、測定、改善

サービスデザインの適用範囲の図は、ビジネス・プロセスと、ビジネス・ニーズを満たすのに必要なサービ ス、技術、支援サービス、グループ、およびサプライヤとの関係を示しています。

SLA自体はサービス品質を改善するものではなく、単なる文書です。ただし、早期に利益をもたらすサービ ス・カルチャを育成する可能性があります。長期的な視点に立ち、期待しすぎないようにしましょう。

顧客の管理

顧客の感情など、多くの事柄は客観的または体系的な手段で測定することができません。複数のサービス 障害があった場合でも、顧客はサービス・プロバイダが改善に必要な手順を行っているだろうと考えて、な おもサービスに満足しているかもしれません。その逆も同様です。顧客は、例えばSLA目標値の違反があった りすると、サービスデスクの一部のスタッフに対して不満を感じることもあります。

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顧客の期待に対処する方法

顧客の期待には最初から対応することがベストです。そのためには、

サービス・プロバイダは最初に適切な期待と目標値を設定し、将来の 期待を管理するための体系的なプロセスを整備しなければなりませ ん。

「満足=認識-期待」です。これが、ゼロまたは正の数の場合、顧客が 満足していることを意味します。

サービスに対して課金している場合、顧客は変更を要求します。顧客 は承認された予算の中で、合意された企業戦略に沿って必要なサー ビスを調達しているからです。直接的な課金が発生しない場合は、IT プロバイダが特定の顧客グループからの非現実的な要求に対処しな くてもよいように、上級事業マネージャの関与を求めるべきです。

顧客の認識のような「ソフト」面の課題をモニタするには、次のような 方法があります。

定期的なアンケートと顧客調査

y

サービス・レビュー・ミーティングによる顧客からのフィードバ

y

ック

変更管理プロセスの一環として行われる、重大な変更、リリー

y

ス、新規または変更されたサービスなどに対する実施後のレ ビュー(PIR)からのフィードバック

サービスデスクでの無作為抽出、または顧客代表者による電

y

話での認識調査

インストール、サービス訪問などの後に顧客に渡す満足度調

y

査書

顧客からの苦情と賛辞の分析

y

これらの方法に対して目標値を設定し、SLAの一部としてモニタしま す。例えば、サービス・パフォーマンスを1から5の範囲で評価します。ユ ーザからフィードバックをもらった場合は、ユーザのコメントが何らか の処置計画(たいていの場合はSIP)に含まれていることを示すものを ユーザに提供するようにします。顧客満足度のすべての測定値は定期 的にレビューするべきです。何らかのばらつきが識別された場合はそ れらを分析し、今後そのようなばらつきを失くすために処置を講じる べきです。

窓口と関係の構築

SLMプロセスでは、事業、特に事業上の重要な窓口と信頼関係を築 き、互いに尊重する必要があります。サービス・カタログ、特にビジネ ス・サービス・カタログを使用することにより、SLMはよりプロアクティ ブになることができます。サービス・カタログは、サービスと事業部門 の関係、およびビジネス・プロセスがサービスにどのように依存する かをSLMが理解する助けとなります。サービス・カタログはまた、サー ビスに関連する事業およびITのすべての重要な窓口についての情報 も提供します。

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これを一貫した方法で確実に行うために、SLMは次のことを行うべき です。

利害関係者、顧客、事業マネージャ、およびサービスのユーザ

y

を定義する。

サービス・ポートフォリオおよびサービス・カタログを正確に

y

維持するよう支援する。

事業、顧客、およびユーザのニーズに対応できるようにす

y

る。SLMは、既存および提案されたビジネス・プロセスと、新 規または変更されるサービスのためのそれらの要件を理解 する必要がある。そして、それらの要件を文書化して他のプロ セスに伝達し、有益で、革新的な変更を促進しなければなら ない。

事業、顧客、およびユーザの計画と事業達成目標に従って、IT

y

が事業、顧客、およびユーザと長期的な関係を築いていける ようにする。

IT顧客とITサービスを使用する外部の事業顧客の両方の顧客

y

経験を定期的に体験して、顧客の課題についてITにフィード バックを行う。

適切な関係プロセスが整備され、それらが達成目標の実現

y

と、継続的な改善を目指していることを確認する。

顧客調査を実施し、それらの分析を支援し、結果に対して処

y

置が講じられることを確実にする。

ユーザ・グループの編成と参加において、ITの代表者としての

y

役割を果たす。

サービス・ポートフォリオとサービス・カタログを売り込み、事

y

業の全領域でそれらが使用されることを確実にする。

事業、顧客、およびユーザと連携することによって、現在およ

y

び将来のビジネス・ニーズを満たす最適なレベルのサービス をITが提供できるようにする。

サービスに対する認識と理解を促進する。

y

新しい技術を使うことの事業上の利点を周知させる。

y

事業とITとの間で達成可能なSLRおよびSLAについて交渉し、

y

設定する。

事業、顧客、およびユーザに、ITに対するそれぞれのコミット

y

メントについて認識させる。

保留中の改善および強化の記録を維持するのを支援する。

y

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SLMのトリガ

SLM活動を発動するトリガには次のものがあります。

新規または変更されたサービスまたは事業要件などのサー

y

ビス・ポートフォリオの変更

新規または変更されたSLA、SLR、OLA、またはその他の合意

y

と契約

サービス・レビュー・ミーティングと実施された処置

y

実際のサービス違反またはサービス違反のおそれ

y

苦情と賛辞

y

定期的なレビュー、レポート、および顧客満足度調査

y

戦略的または方針的な変更

y

SLMプロセスのインプット

SLMプロセスでは、次のような情報源から情報を入手します。

事業情報:事業の戦略、計画、および財務計画からの現在と将

y

来の事業要件に関する情報

ビジネス・インパクト分析:すべてのサービスのインパクト、優

y

先度、リスク、およびユーザ数に関する情報

事業要件:新規または変更された事業要件に関する情報

y

サービスストラテジからの戦略、方針、および制約

y

サービス・ポートフォリオおよびサービス・カタログ

y

変更情報:すべての変更がすべてのサービスに及ぼすインパ

y

クトをアセスメントする必要性と、変更管理プロセスからの将 来的な変更スケジュールに関する情報

CMS:ビジネス・サービス、支援サービス、および技術の関係

y

に関する情報

顧客とユーザからのフィードバック、苦情、および賛辞

y

その他のインプット:SLA、SLR、OLA、およびサービス品質に

y

関する過去のサービス・レポートと、他のプロセスからの助 言、インプット、および情報

SLMプロセスのアウトプット

SLMのアウトプットには次のようなものがあります。

サービス・レポート:SLAの目標値に照らしたサービスレベル

y

の達成度の詳細を提供。これには、現在と過去のパフォーマ ンス、違反、弱点、重大なイベント、提案された変更、現在の作 業負荷と予想される作業負荷、顧客のフィードバック、および 改善計画と改善活動が含まれる。

SIP:優先度付けされた改善処置のすべてを網羅した計画を

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提供。これには、すべてのサービスとプロセス、および関連す るインパクトとリスクも含まれる。

サービス品質計画:全体的なサービス品質の改善の計画を

y

提供。

文書テンプレート:企業標準と整合したSLA、SLR、およびOLA

y

の標準的な文書形式を提供。

SLA:すべての運用サービスの合意された目標値と責任を文

y

書化。

SLR:すべての計画されたサービスまたは変更されたサービ

y

スの合意された目標値と責任を文書化。

OLA:すべての内部サポート・チームの合意された目標値と

y

責任を文書化。

OLAとUCを評価したレポート。

y

サービス・レビュー・ミーティングの議事録と処置:議題、協

y

議、および処置の詳細の記録および推進。

SLAのレビュー・ミーティングおよびサービス適用範囲のレビ

y

ュー・ミーティングの議事録:合意された処置、SLA、およびサ ービス適用範囲の改定の詳細を提供

契約の改定:UCを変更する必要性に関する情報の提供、また

y

は変更されたSLAまたは新規SLRのための新規契約の交渉。