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ユニット4:サービスレベル管理

4.8  主要な測定基準、課題、CSF、リスク

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サービス提供をアウトソーシングする場合、必ず、最初からサービス

改善の課題について議論しておきます。議論では、サービス改善の取 り組みの手順や、それらの取り組みの資金調達についても取り上げま す。これらすべてをサプライヤとの契約の中に記述しておくべきです。

サプライヤは、契約で要求されていないかぎり、追加の費用を負担し てサービスを改善することはしません。

KPI

全体的なITサービス品質を管理するためのKPIは次のとおりです。

達成できなかったSLAの目標値の削減率

y

達成が危ぶまれたSLAの目標値の削減率

y

サービス・レビューおよび顧客満足度調査の回答を通じ

y

た、SLA達成に関する顧客の認識と満足度の増加率

サードパーティとのサポート契約(外部委託契約)に起因す

y

る、SLA違反の削減率

内部のオペレーショナルレベル・アグリーメント(OLA)に起因

y

する、SLA違反の削減率

(出典:『サービスデザイン』)

合意されたサービスを妥当なコストで提供するためのKPIは次のとお りです。

適切に文書化されたSLAが実施されている総数および増加

y

すでに実行されている運用中のサービスに対して合意され

y

たSLAの増加率

サービス供給に関連するコストの削減率

y

SLAのモニタリングおよび報告のコストの削減率

y

適切なSLAの策定と合意の速度の向上率

y

サービス・レビュー・ミーティングの頻度

y

(出典:『サービスデザイン』)

事業インタフェースを管理するためのKPIは次のとおりです。

SLAの対象となるサービスの増加率

y

SLMのプロセスおよび手順の文書化と合意

y

SLA要求に対する応答時間と対応時間の短縮

y

予定どおりに完了したSLAレビューの増加率

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年次再交渉を行っていないSLAの削減率

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達成不可能な目標値など、変更が必要なSLAの削減率

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複数の契約を統合することで整備したOLAおよびサードパー

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ティ契約の範囲の増加率

サービス・レビューおよびSLAレビューで提起された問題が

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追跡され解決されていることの書面による証拠の増加 SLA違反の数および重大度の減少

y

あらゆるSLA、OLA、および外部委託契約(UC)の違反に関す

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る適切なレビューとフォローアップの増加

SLMは、サービスの目標値、達成度、違反など、既存のすべてのサービ スに関する重要な情報を提供します。SLMは、サービス・カタログ管理 がサービス・カタログを管理するのを支援します。顧客からの苦情や 賛辞など、顧客満足度に関する情報と傾向を提供します。

SLMはサービス品質に関する重要な情報と、顧客の期待および視点 を提供します。この情報は、組織の誰もが入手できるようにしておく必 要があります。

SLMの課題

SLMの主な課題は、適切な顧客の代表者を識別することです。適切な 顧客の代表者がわかれば、1人のサービス・マネージャが合意に署名 できます。しかし、場合によっては、誰がサービスを「所有」するのかが はっきりしないことがあります。その場合、「有志」の代表者を苦労して 見つけなければばらない場合があります。その「有志」の代表者は、常 に総意を代表するとはかぎらず、時には個人的見解を表明する場合が あることに注意してください。ほかに誰も見付からなければ、その顧客 に署名させます。

顧客の代表者に最適なのは、広範な領域の顧客と定期的に交わり、顧 客コミュニティの視点を正確に表すことができる人です。本社にいる 代表者が必ずしもこの条件を満たしているとはかぎりません。最後の 選択肢としては、SLMが独自に顧客と議論し、顧客の真のニーズをつ かみます。

SLMのCSF

SLMの主なCSFは次のとおりです。

全体的なサービス品質の管理

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合意されたサービスの妥当なコストでの提供

y

事業およびユーザとのインタフェースの管理

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SLMのリスク

主なリスクには次が含まれます。

事業および顧客からのインプット、参加、およびコミットメント

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の不足

合意およびサービスレベルの合意、文書化、モニタ、報告、レ

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ビューに必要なツールとリソースに関する問題

プロセスがプロアクティブではなく、官僚的なものになった場

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合の、SLMから得られる測定可能な利益の不足

適切なCMSおよびサービス・ナレッジ管理システム(SKMS)へ

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のアクセスとサポートの不足 定義済みSLMプロセスの欠如

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事業と顧客の測定値がその複雑さのために記録できないこ

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事業と顧客との間に不適切な窓口および関係が生まれること

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顧客の期待が理不尽なほど高く、低い認識を招くこと

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事業と顧客とのコミュニケーション不足

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SLMのヒントと助言

初めてサービスレベルに関する議論を開始する際には、「現在の課題」

(前日に発生した障害)や、長年にわたる不満(何年も前から交換を訴 えている旧式のプリンタ)について最初に並べ立てられる傾向がある ため、注意するべきである。そのような課題も重要かもしれないが、そ のようなことが、長期的な要件の設定の妨げになってはならない。しか しながら、先に進むためのあらゆる信用を得るには、最初に挙げられ

たあらゆる課題に対処することも必要かもしれないということに留意 すること。大きな問題を抱えている領域を最初のSLAとして取り上げて はならない。何らかの利点を迅速に示し、かつSLMプロセスを発展さ せそうな領域を取り上げるようにすること。成功ほど、新しいアイデア の迅速な受け入れを奨励するものはほかにない。

企業レベルで安易な目標値を採用してはならない。そのような目標値 は簡単に達成できるかもしれないが、サービスの品質または信用の 改善には何ら価値がない。また、目標値が十分に高いレベルに設定さ れている場合、すべての新規サービスが達成するべき標準として企業 SLAを利用できる。

(出典:『サービスデザイン』)

SLMを導入する際は、SLA草案から開始します。その草案に対してどの 顧客またはサービスを使用するかを決定します。選ばれた顧客が参加 に興味を示している場合は有益です。その顧客がサービス品質の改 善に熱心であると考えられるからです。初期段階で顧客の認識調査を すると、最初のSLA草案の起草に非常に役立ちます。

最初のSLAでは、迅速に結果が出る領域を選び、そこからSLMプロセ スを構築していくとよいでしょう。初期の成功によって、SLMの導入に 対する抵抗に先手を打てます。

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SLMプロセスで直面する別の問題は、顧客コミュニティのさまざまな 階層の従業員が、それぞれ異なる視点や達成目標を持っていることで す。例えば、下位のスタッフは自分たちが毎日使用するサービスの応 答性、ユーザビリティ、信頼性により興味を持っています。一方、上級マ ネージャはサービスのコストや価値をより考慮します。すべての階層 での重要な顧客要求をすべて識別し、SLAに織り込む必要があります。

ある組織では、すべての課題に対処するために、顧客コミュニティ内 のさまざまな階層から成るフォーカス・グループを組織しています。こ れにはより多くのリソースを必要としますが、非常に有益です。

内部か外部かにかかわらずプロバイダの代表者にも、このプロセスの 間に意見を求めるべきです。彼らが、目標値が達成可能であり、またコ ストが妥当であることに合意する必要があります。合意しない場合、す べての当事者が受け入れ可能な妥協案に達するまで、さらに交渉しま す。また、交渉の間に、契約上の義務を考慮するためにサプライヤの 視点も確認します。

過去のモニタリング・データを利用できない場合、目標値が達成可能 であることをモニタリングで確認できるまで、最初の期間は合意を草 案の形式のままにしておきます。場合によっては、目標値を再交渉する 必要があるかもしれません。多くの組織では、ITがサービス目標値を 最終決定するまでの時間枠を交渉します。目標値と時間枠が合意に達 したら、SLAに署名しなければなりません。

SLA草案での初期の問題を解決したら、他のサービス/顧客に対し て段階的にSLAを導入していきます。マルチレベル体系を採用した場 合、最初のSLAにおいて、すべてのサービスを対象として企業レベル の課題に対処しなければなりません。この段階で企業の課題をテスト します。

安易な企業目標値を設定するという誘惑に屈しないようにしてくださ い。そのような目標値はたとえ達成できたとしても、サービス品質や信 用を改善するものではありません。高い企業目標値は新規サービスの 標準を高める効果もあります。

交渉と起草のプロセスが終了したら、顧客とプロバイダ両方の関連 するすべてのマネージャがSLAにサインするよう徹底します。これに より、合意を満たすための両者のコミットメントが強固なものとなり ます。一般的には、署名者の職位がその組織の中でより高位であるほ ど、SLA内のコミットメントのメッセージはより強固になります。SLAが 合意されたら、顧客、ユーザ、およびITスタッフの間に公表し、SLAの存 在と決められた目標値を全員に確実に認識させます。

サービスデスクと他のサポート・グループに、新しいSLAとOLAの存在 について、特にそれらの運用開始時期について公示するための措置 を取ります。これらの合意から重要な目標値を抽出して表を作成し、サ ポート領域で掲示するとよいでしょう。それによって、業務において目 指す目標値をスタッフが常に意識することになります。可能な場合、こ れらの目標値をサービス・カタログやCMSなどのサポート・ツールに 含めて、全員が参照できるようにします。また、目標値をしきい値とし て設定し、目標値が違反されそうな場合や実際に違反された場合に 自動的に警告を出すべきです。SLA、OLA、およびそれらの目標値もユ