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サービス・ポートフォリオ、およびサービス・カタログ とサービス・パイプラインとの関係

ユニット2:サービス・ポートフォリオ管理

2.1  サービス・ポートフォリオ、およびサービス・カタログ とサービス・パイプラインとの関係

サービス・ポートフォリオ

サービス・ポートフォリオは、顧客とターゲット市場に対してサービス・

プロバイダが行う約束事項と投資を表します。これには次のものを含 みます。

現在の契約上の約束事項

y

新規サービスの開発

y

継続的サービス改善(CSI)によって実施される継続的なサー

y

ビス改善計画(SIP)

サービス・プロバイダのサービス提供内容の中心となるサー

y

ドパーティのサービス

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顧客1 顧客2

顧客3

サービス 改善計画

サービス・

ポート フォリオ

サードパーティ のサービス

ターゲット市場3

ターゲット市場2 ターゲット市場1

サービスに よってリンク

サービスの 潜在的な市場

ポートフォリオ管理アプローチは、マネージャが次のことを行う助けになります。

投資の優先度付け

y

リソースの割り当ての最適化

y

顧客とターゲット市場にサービスを提供するための確実な準備

y

無駄な投資を回避するために必要な財務の規律の採用

y

ポートフォリオへの変更は、設定した方針と手順に従って実施します。

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サービス・ポートフォリオ

サービス・カタログ サービス・

パイプライン

継続的サービス改善

ターゲット市場

サービス の概念

顧客

サービス

デザイン サービス トラン ジション

サービス オペレーション

サードパーティ・

カタログ

廃止 される サービス

使用される

リソース サービスオペレーション から得た資産利益率

解放された リソース

共通のリソース群

円の面積は、ライフサイクルの段階で現在使用されているリソースに比例する

(サービス・ポートフォリオおよび財務管理)

サービス・ポートフォリオ

サービス・カタログ サービス・

パイプライン

継続的サービス改善

ターゲット市場

サービス の概念

顧客

サービス

デザイン サービス トラン ジション

サービス オペレーション

サードパーティ・

カタログ

廃止 される サービス

使用される

リソース サービスオペレーション から得た資産利益率

解放された リソース

共通のリソース群

円の面積は、ライフサイクルの段階で現在使用されているリソースに比例する

(サービス・ポートフォリオおよび財務管理)

サービス・ポートフォリオの内容

サービス・ポートフォリオは、顧客とターゲット市場にサービスを提供するための、サービス・プロバイダの 能力と準備状況を表します。サービス・ポートフォリオには次の3つの段階があります。

サービス・パイプライン:準備中のサービスを含む。

y

サービス・カタログ:サービス・ポートフォリオの一部で、顧客に提供されている実行中のサービス

y

を含む。

廃止されるサービス:すでに市場にないサービスを含む。

y

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サービス・ポートフォリオ = サービス・ライフサイクルのさまざまな段階において、現在使用されている、ま たは解放されているすべてのリソース

サービス・ライフサイクルの各段階では、サービス・プロバイダはプロジェクト、取り組み、および契約の遂行 のためにリソースを必要とします。ここでSPMのガバナンスの側面が重要になってきます。

適切なポートフォリオでは、サービス・パイプラインとサービス・カタログのサービスを適切に組み合わせる 必要があります。

そうすることで、サービス・カタログによってサービス・プロバイダの財務的な存続可能性を確実にできま す。コストを回収したり利益を生み出したりするのは、サービス・ポートフォリオの中でサービス・カタログだ けであることに注意してください。

つまり、SPMはコストとリスクを最小限に維持しながら、サービス提供と顧客経験の改善によって価値を最 大限にすることを目的とします。SPMによって、マネージャは品質要件と提供コストをより良く理解でき、ひい ては、サービス品質を落とさずにコストを削減できるようになります。SPMプロセスは、標準化されたサービ スを文書化することが始まります。またこのプロセスは、サービスレベル管理(SLM)、特にサービス・カタロ グと密接に関係しています。

サービス・ポートフォリオ

説明 価値提案 ビジネス・ケース 優先度

リスク

提供内容とパッケージ コストと価格設定

サービス・カタログ

サービス

サポートされる製品 方針

順序付けと要求手順 サポート条件

エントリ・ポイントと エスカレーション 価格設定と課金 サービス・ポートフォリオ

説明 価値提案 ビジネス・ケース 優先度

リスク

提供内容とパッケージ コストと価格設定

サービス・カタログ

サービス

サポートされる製品 方針

順序付けと要求手順 サポート条件

エントリ・ポイントと エスカレーション 価格設定と課金

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サービス・カタログ

サービス・カタログは、サービス・ポートフォリオのうち顧客に見える部 分で、現在顧客に提供されているサービスで構成されています。サー ビス・カタログには、サービスオペレーション段階のサービスと、顧客 に提供することを承認されたサービスが含まれています。つまり、サー ビス・カタログに記載されるアイテムは、コストとリスクに関する精査 を終えたもののみです。実行中のサービスをあらゆる方法でサポート するために、すべてのリソースが活用されます。

サービス・カタログの有用性

サービス・カタログは、1つまたは複数のサービスの顧客向けにカスタ マイズした解決策を作成するのに役立ちます。顧客の特定の要件を満 たすために、さまざまなサービスを組み合わせて価格設定したものを カタログに提示できます。

実際のところ、サービス・カタログにはサービス・プロバイダの現在の 実運用能力に関する情報があるため、サービスストラテジの重要なリ ソースになっています。多くの顧客は、現在利用できるサービスにの み興味を示します。サービス・カタログを見ることで、顧客は必要なサ ービスを選択できます。

つまりサービス・カタログは、サービスを受注し、顧客または市場の需 要を管理するうえで重要な役割を担っています。サービス・カタログに は、ほかにも次のような有用性があります。

SPMに必要な方針、指針、および説明責任を明示している。

y

SPMで管理するサービスの基準を設定している。

y

SPMで管理する各サービスの達成目標を定義している。

y

各サービスの価格、サービスレベルの約束事項、および諸条

y

件を示している。

各サービスがコンポーネントに分解されていて、エントリ・ポ

y

イントおよび使用と供給の条件とともに、資産、プロセス、お

よび仕組みが紹介されている。

サービス・プロバイダが複数の顧客や事業にサービスを提供している 場合、1つのサービス・ポートフォリオを基にしてさまざまなサービス・

カタログを提示することもあります。

マネージャは、意思決定のための視覚化ツールとしてサービス・カタ ログを利用できます。サービス・カタログは、顧客の需要とその需要を 満たすプロバイダの能力を結び付けます。この2つが一致すると、サー ビス契約またはサービス合意が結ばれます。

サービス・カタログ内のアイテムは、事業活動パターン(PBA)に基づ いてサービス・ライン(LOS)ごとにグループ化されます。十分な業績を

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上げているLOSには、その業績を維持し、またそれらのサービスへの 需要の増加に対処するために、追加リソースが割り当てられます。業 績不振のLOSは廃止と記され、移行計画を通して段階的に停止されま す。ただし、他のサービスにとって戦略的価値がある、初期の顧客との 契約上の義務があるなど、正当化できる理由がある場合は維持される ことがあります。これには上級リーダの承認が必要となります。

サービス・パイプライン

サービス・パイプラインには、開発中のサービスが記載されます。これ らのサービスは、サービストランジションが設計、開発、およびテスト を終了した後に運用可能になります。パイプラインはサービス・プロ バイダの成長の見通しを表すので、十分な資金を投じる必要がありま す。また、新しいサービスと改善のアイデアの提案におけるサービスス トラテジ、サービスデザイン、およびCSIの生産性も表します。

アウトソーシングされたサービス

コアサービス・パッケージ(CSP)とサービスレベル・パッケージ(SLP)

から成る、サードパーティによるサービスやアウトソーシングされたサ ービスもサービス・カタログに含むことができます。サードパーティ・

カタログは、事業がサービス対象の顧客とターゲット市場の範囲を拡 大するのに役立ちます。また、十分に対応されていない需要に対処す るために、サービス・パイプライン内のアイテムが移行されるまでの代 替サービスとしたり、廃止されるサービスに代わるものとして使用した りできます。ソーシングは戦略的選択肢であるだけでなく、時には、運

用上の必需品にもなります。サードパーティ・サプライヤは、カーネギ ーメロン大学が開発したサービス・プロバイダ向けeソーシング能力 モデル(eSCM-SPTM)によって評価できます。

廃止されるサービス

定期的に、幾つかのサービスをカタログから削除する場合がありま す。段階的にサービスを停止する間、顧客に対する約束事項が果たさ れ、サービス資産が契約から解放され、関連情報が将来に備えて記録 されることを、サービストランジションによって確実にする必要があり ます。廃止されるサービスは顧客には提供されません。特別なビジネ ス・ケースを作成する場合、段階的に廃止されたサービスを特別な条 件に基づいて復活させ、そのサービスレベル・アグリーメント(SLA)を 上級リーダが承認する場合があります。廃止されたサービスを復活さ せる決定は慎重に検討する必要があります。なぜなら、そのようなサ ービスにはより多くのサポートが必要となり、規模の経済と範囲の経 済への障害となる場合があるからです。