第五章 南部経済区――エネルギーと重化学工業基地 5 都市
第五節 楽山市――大仏と峨眉山
楽山市といえば、楽山の大仏と 峨眉山の二ヶ所の世界文化遺産が まず思い出されます(詳しくは付 録をご参照されたい)。2008 年に は楽山を訪れた国内外の観光客は 延べ 1、234 万人に達し、観光関連 収入は 91.4 億元にのぼります。
図 5-5-1 楽山市の四川省における位置 楽山の人にとって誇りとしてい
ることは、歴史上、この地が宋代 の文豪の蘇東坡から近代の郭沫若 まで、多くの文学者を輩出し、李 白、杜甫、陸遊などの詩人がここ で多くの人々の心に響く詩を詠ん だことです。
表 5-5-1 楽山市の基本状況
市(州)政府所在地 楽山
URL
http://www.leshan.gov.cn/
http://www.scinvest.cn/html/default.htm
招商局又は商務局 四川省招商引資局
公開電話 028-66469930
市街区域 楽山市街区域
市街区域面積 2514 平方キロメートル 所轄県(市)
五通橋、金口河、峨眉山、健為県、井研県、挟江県、沐川県、峨辺 イ族自治権、馬辺イ族自治県
面積 1.3 万平方キロメートル
自然条件(降水量、平均気温、
日照時数)
年間降雨量 1366.3mm、年間平均気温 17.5℃、年間日照時間 990.5 時 間。
人口 353.5 万人
民族
41 民族があり、漢民族、イ族、回族、ミャオ族などは世代居住民族 で、イ族を主としての少数民族がある。
主要資源 土地資源、森林資源、水利資源、環境資源
資源産業 電子、結晶シリコン太陽電池産業、冶金建材、塩リン化学、農業副
業製品の加工業、清潔エネルギー、観光資源など
観光資源 国家級 5A 級観光地が 1 所あり、4A 級観光地が 2 所あり、国家級観光 地が 2 所あり、森林公園が 2 所あり、地質公園が 1 所ある。
環境評価
環境保護関連産業 ゴミ処理、排気廃水処理、ゴミ処理、新型エネルギー産業、新型材 料
アウトソーシング産業 IT 業、サービスアウトソーシング
空路
水路 四川省で作られた大型設備はここの港から、長江沿いの都市に運ば れる。
高速道路 観光の必要から 10 年前に高速道路が開通され、成都から 1 時間あま りで行ける。
交通
道路 北への道路は整備されるが、南の山地への道路は力を入れるべき。
(2009 年四川省統計年鑑、中国統計出版社 8 月)
2.基本情況
楽山市は岷江、青衣江と大渡川の三本の川が合流する地に位置します。四川省の面積に占める割合 は 2.64%ですが、豊富で多彩な地形を有しています。市内の馬鞍山は海抜 4,288 メートルに達するの に対し、岷江の出口では海抜はわずかに 307 メートルです。一人当たりの水資源の保有量は 3,366 立 方メートルで、全国のトップレベルです。
楽山は悠久な歴史を持っており、3,000 年前の古蜀国の遺跡が発見されています。紀元前 4 世紀、
秦に合併されてから、中華文化圏に溶け込みました。唐の時代に嘉州に、宋の時代に嘉定府に、元の 時代に嘉定路に、明の時代に嘉定州にそれぞれ呼ばれ、清の時代に嘉定府に昇格され、その下に楽山 県が置かれました。そしてこの楽山の名前が今日まで続いています。
新中国になってから、楽山専員公署が設置され、四川省南部の 16 の県を管轄していました。1985 年に楽山市が成立し、1997 年の区画調整で眉山など 6 県が眉山市として独立しました。
楽山市は四川省で最も早く開発された地区の一つで、秦の時代にすでに製塩業と冶金業が成立し、
唐の時代には農業と手工業がさらに繁栄していました。現在では、四川省の食糧、肉類、野菜の生産 基地だけでなく、石炭、セメント、発電、機械製造、製紙、塩化学の生産基地でもあります。
表 5-5-2 楽山市の経済情況
総額 562.39 億元
第一次産業 93.47 億元 第二次産業 329.89 億元 第三次産業 139.04 億元 GDP
一人当たりの GDP 16737 元
国営 22609 元
平均給料
民営 15445 元
住民一人当たり可処分所得 12020 元
住民一人当たり消費支出 8637 元
農民一人当たり純収入 4582.7 元
農民一人当たり生活消費支出 4294.4 元
年金加入者数 77.61 万人
年金収入総額 28.66 億元
就職者数 183.62 万人
(2009 年四川省統計年鑑、中国統計出版社 8 月)
3.経済的実力
楽山市の社会経済は近年、急速かつ安定的な発展を保っています。10%以上の成長率を 9 年間連続 で達成、総合的な実力が増し、都市農村の生活レベルが絶えず上昇しています。
楽山市の産業経済の柱はなんといっても、観光業とその関連付帯の交通、飲食、ホテル、農業、商 業などです。
工業については、観光業への影響をできるだけ少なくするために、景勝地から離れた地点に工業開 発区を設置し、集中的で大規模な工業発展を目指しています。ハイテク企業を誘致して、政策、金融、
科学技術、情報のサービスを強化し、楽山の工業を発展させていく計画です。
楽山市は四川省の重要な農業経済区域で、主要農作物は水稲、小麦、玉蜀黍、さつま芋、馬鈴薯、
菜種です。しょうが、にんにく、蚕豆は特産品として特に有名で、輸出もされています。お茶、漢方 薬、椎茸、たけのこ、花卉なども有名です。
楽山市は世界遺産の大仏と峨眉山があるために、世界での知名度が抜群です。これこそが楽山市対 外開放の大きなメリットです。これまでに 86 の国と地区と貿易関係等を結びました。現在、外資投資 企業が 61 社を数え、2008 年度に実際導入外資が 7,298 万ドルに上り、楽山市政府が設定した 5,500 万ドルの目標を大幅に超えました。
さらに、北京華聯、春天百貨、ウォルマート、重慶百貨大楼などの大型百貨チェーン店の開店によ り、楽山市の商業が一層の繁栄を迎えています。
4.交通運輸
成都―昆明鉄道は楽山市を通り、料金が安いことから、毎日、たくさんの観光客を運んできていま す。また、成都―貴陽高速鉄道と綿陽―成都―楽山旅客専用線がまもなく建設されます。
高速道路では、成都―楽山間が開通し、100 分間で結ばれており、高速バスが 20 分おきに発車して います。楽山―自貢と楽山―宜賓の間でも高速道路が建設中です。
空路では成都の空港を有効に利用・活用しており、多くの地方空港が苦しい経営状況にある中で、賢 明なやり方といえます。
楽山港からは宜賓、重慶、濾州などへ旅客ばかりでなく、コンテナと大型設備を運ぶことができま す。
5.都市建設
楽山市は三本の川と大仏景勝地に包まれ、すばらしい景色に恵まれています。観光が第一の産業で すから、街の建設は観光客のために工夫を凝らして整備されています。
市街区域の堤防は長く、綺麗な木が植えられ、花壇が作られ、市民と観光客の憩いの場となってい ます。観光都市らしく、市内には楽中遊園地、嘉州広場、陽光広場、青果山公園、大曲口公園、海棠 公園などの公園が作られています。
表 5-5-3 楽山市のインフラ情況
道路キロ数(キロ) 509
道路面積(万平方メートル) 656
橋梁数(個所) 38
街灯(千個) 31
バス保有台数 288
タクシー保有台数(台) 812
公衆便所数(個所) 121
政府清掃道路面積(万平方メートル) 560
水道普及率(%) 86.83
都市ガス普及率(%) 70.39 一人当たり道路面積(平方メートル) 12.78
公園数(個所) 10
公園緑化面積(平方メートル) 371 一人当たり公園緑地面積(平方メート 7.23 市街区域の緑化率(%) 38.26 下水排出量(万立方米) 3287
下水道の長さ(キロ) 428
下水処理率(%) 49.80
ごみ処理率(%) 83.72
(2009 年四川省統計年鑑、中国統計出版社 8 月)
6.未来展望
楽山市は歴史上輝かしい文化を生み出し、近代でも多くの人材を輩出して大きな役割を果たしまし た。今後はこうした文化的伝統を生かして、百万人口の大都会、国際的な知名度を有し、国内一流、
四川省一の観光地に建設して行く計画です。同時に工業を発展させ、成都平野都市群の南部中心、西 部経済発展の成長点となることを目指しています。
現在、時速 300 キロの成都綿陽楽山の旅客専用線が建設されていますが、2014 年に完成すれば成都 へ 30 分で行けるようになり、成都経済圏に溶け込むことでしょう。